狛犬もお狐さまもいる三囲神社(みめぐりじんじゃ)、伝説では中世の創建とされ
ますが、現在の社殿は安政年間の建築といわれます。六百年ほど前の文和年間に、
近江三井寺の僧源慶(げんけい)が東国巡礼の途中で、隅田川のほとりに荒れ果てた
祠をみつけました。
これは弘法大師ご創建の祠であると聞き、自ら再建に着手しようと地面を掘った
ところ、白狐にまたがった神像が納められた壷が出てきました。その時どこからと
もなく白い狐が現れ、神像のまわりを三度めぐって消え去ったといいます。この故
事から「みめぐり」の名が起こったと伝えられます。