迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

オールドボーイ

2004年07月02日 | あ行 外国映画
幼い娘と妻が待つ家に帰ろうとしていた・・。酔っ払って警察にとどめられている。今日は娘の誕生日なのに、なんでこんなとこでクダ巻いてないといけないんだ。でも前後不覚の自分はへろへろ。何とか釈放してもらったが、その帰り道、突然、連れ去れてしまう。ホテルの一室に閉じ込められ、毎日揚げ餃子を食わせられる。

何年閉じ込められるのか、わかっていたならば・・。15年。15年とわかっていたならば耐えられたか?永遠といわれたらどうするか・・?初めはいろいろと抵抗する。あばれ、自殺を考え、投げやりになる。そしてだんだんとあきらめの境地に向かい、そして、希望を見出すようになっていく。人間の心理がうまく描かれる。こつこつと穴をあけ、壁に穴があいた。明日こそ出られると思った日、拉致されたその場所に突然戻される。

誰が自分を閉じ込めたたのか、自分はこれから何をすればいいのか、吸い寄せられるように入ったすし屋の中で、若い女性・ミドと出会う。引き寄せられるように二人は、男が閉じ込められた謎を探っていく。なぜ閉じ込めたのかではなく、なぜ解放されたのかが問題だった。そして見つけた真実は・・。

カンヌ映画祭でグランプリを取った作品。原作は何と日本のアニメだそうな。タランティーノ、好きそうだもんな。でも、それだけではない。先ず、引き込み方が並でない。わけがわからないまま、なぜか、どんどんと引き込まれていく。なぜ彼はこんな目に逢うのか、という不条理の世界を、じわじわと暴いていくのだが、そのいやらしさといったら、秀逸。監禁商売というのが存在しているのかどうなのかは知らんが、何でもありの世の中だ、ありそうだなあ、と思わせる描き方もんまい。

バイオレンス大好きのタランティーノ監督が喜びそうなシチュエーションも満載。でもここで描かれる痛さは超痛い。本当に痛い。いたたたた・・。「キル・ビル」で100人の人間を切り倒しても、こんだけの痛さは感じなかったが、マジ痛い。

好き嫌いが別れそうだが、脚本の面白さと完成度はすごい。痛さと快感とカタルシスをあわせ持ったような描き方。「春の日は過ぎ行く」で、どうしてもだめだったユ・ジテのここでの悪役ぶりがぴったしマッチ。

『オールドボーイ』

監督 パク・チャヌク 原作 土屋 ガロン/嶺岸 信明  
出演 チェ・ミンシク ユ・ジテ カン・ヘジョン 2004年 韓国作品


最新の画像もっと見る

コメントを投稿