サンシャイン・クリーニング

ハウスクリーニングをしているシングルマザーと、フリーターの妹。何をやってもうまくいかない。息子は学校で問題を起こすし、不倫相手は「離婚する」というものの、さっぱいその気もないようだ。じり貧の毎日・・・。

一攫千金まではいかずとも、なんとか収入を増やそうと思って始めたのが、事件現場の清掃。いいカネになるらしい。ど素人の姉妹がその仕事に手を出すが、はたしてうまくいくのか？

最初は、慣れない仕事で、失敗の連続。仁義もルールも無視の仕事ぶりは呆れるばかりだ。私は、なんかこの辺でテンションが下がってしまった。いくら設定上とはいえ、あれはまずいんではないかと。

血まみれのベッドを運ぶところをコメディタッチに描いていたが、マジにまずいでしょ、あれは。

まず大金を得たいというのは誰でもそうだし、いい仕事は手に入れたいけど、一番最初の動機は、子供をプライベートスクールに入れたいから。独特な子供で、突拍子もないことをしちゃう。それを理解してくれない学校なんかやめてしまえ。私立の学校だったら、大丈夫・・・。ってそうかあ？

面倒の見かたや、手をかけ方は違うけど、教育の根っこにそんなに違いはないだろうし、自分の気の持ちようが何より大事だと思う。まず学校を変えるために働く！というより、ちゃんと子供と向き合うことの方が大事なんじゃないかと思ったのだ。

で、始めた仕事はとっても専門的なもの。あの仕事ぶりじゃ、詐欺と言われてもしようがないんじゃなすかね。

でも、それでもなんとか前を向いて進んでいこうという気持ちはとってもいいです。彼女らをさらっと支える役目の清掃用具屋の片腕のご主人がいい感じでしたね。

結局、半端な仕事ぶりで、とんでもない事件をおこしちゃって、この事業は挫折してしまうのだが、仕事に対する責任感がなさすぎ。気持ちはわからなくもないけど、なんかなんかなんだよなあ。

他人と比べたい、比べたくない、あの人より上にいたい、今の状況は見せたくない・・・。誰でも思うことだけど、人と比べてどう？？ということをそんなに思うもんですかね。その辺がアメリカ的っちゃ、アメリカ的でしたが。

そう思ってしまうのは、今の自分が嫌いだから。今の自分に自信がないからなんでしょう。そこをどう乗り切って、前に進めるかに、親父がいい按配にかかわっていたのはよかった。

「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフが作った！！という冠をかぶせちゃったけど、それって本作で勝負する！！！でっかい自信があるよ！！！じゃないですよね。

ちょっと期待が大きかったこともあって、もっとハッチャけた何かが足りないような気がしました。

◎◎○

『サンシャイン・クリーニング』

監督　クリスティン・ジェフズ
出演　エイミー・アダムス　エミリー・ブラント　アラン・アーキン　ジェイソン・スペヴァック