迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

インサイダー

2000年05月27日 | あ行 外国映画
アメリカという国は訴訟と契約の国である。日本もその他の国もそうだといってもアメリカの比ではないだろう。脚立に「落ちないように」との注意書きがなっかたために落ちたのは脚立を作った会社が悪い、という発想になる。なんか納得いかないんだけど、という典型としてO.J.シンプソンの無罪が新聞記事に登場していた。

タバコによって健康が害されたといってタバコ会社を告訴する。タバコの煙が世界で一番嫌いな私にいわせると「買う方が悪いんじゃないか」と思うのだが、そうはいかない。健康が大流行のアメリカではスケープゴートのように会社が悪者にならなければならないのである。何かを悪者にしてほかはそれを傍観する正義の立場にいたいのではとおもうのは言い過ぎだろうか。この映画は実話であり、結果もわれわれは知っているので、なんとなく安心感があるが、風車に向かうドン=キ=ホーテのやるせなさと、正義には勝ってもらわないと困る世の道理が溜飲を下げてくれるか。

ドキュメンタリータッチにしたかったのか、クローズアップと移動カメラの多用が臨場感を増す。
布石を打つのが多いマイケル=マン監督だから、最初のヒズボラの指導者へのインタビューは何か大きな裏があるのかなあと思ったんだけどな。

アル=パチーノしか考えられないようなプロデゥーサー役とラッセル=クロウの熱演が久々の重い社会派劇をさらにどっしりしたものにしていた。

「インサイダー」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿