迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

私の頭の中の消しゴム

2005年10月14日 | わ行 映画
派手な化粧で、疲れた果てた風の女が一人。駅でぐだぐ出した後に、コンビニに行く。コーラを買ったが、買ったものを忘れて店を出てしまった。戻ったところに、ちょうどコーラを持った男が出てくる。「あたしのコーラ、取ったな!」。男からコーラを引ったくって、かぱっと飲んでしまう。実は忘れたコーラは店の人がきちんととっておいてくれていた。トンでもない出会いだったが、これがチョルスとスジンの出会い。 不倫騒動の修 . . . 本文を読む

笑の大学

2004年10月28日 | わ行 映画
時は昭和15年、いままさに太平洋戦争に突入する寸前、神武天皇以来、紀元は2600年。劇場でかける芝居の本の検閲が、厳しく行われていた。笑いは不謹慎。国政を批判するような文言は絶対にだめ。そして、『笑の大学』小屋でかける本をめぐって、検閲官と、座付き作家の闘いが始まった。 検閲官は笑いに一切興味のない、真面目堅物、いかにも融通のきかなそうな向坂睦男。いままで笑ったことなどないと自負している。はんこ . . . 本文を読む

嗤う伊右衛門

2004年02月04日 | わ行 映画
長屋に住む貧乏浪人、伊右衛門。生まれてこのかた、笑ったことがないという噂。同じ長屋に住む○に人切りの指南を頼まれるが、腰の物は竹光で、人など切れないと断る。同じお仲間の御行乞食の又市は伊右衛門の婿入りを世話する。美しいと評判だった武家の娘、民谷岩。しかし、病のあと、顔にみにくいあとが残り、化け物と怖がられていた。でも、彼女はそれを隠そうとはしない。凛として生きる強い女性なのかもしれない。 最初は . . . 本文を読む

若者のすべて

2003年11月28日 | わ行 映画
ヴィスコンティの初期の作品といってもいいだろうか。モノクロで、イタリアの底辺の地べたを這いずり回って生きているような人々を熱く撮った圧倒的な作品だ。私がヴィスコンティをはじめて見たのは「ルードィッヒ」。美しきヘルムート・バーガーの悲しき王の人生に完全に打ちのめされてしまった。本物の貴族の優雅さと斜陽のむなしさの「家族の肖像」。ゴージャスと陰影の見事なバランスの「山猫」。この辺でヴィスコンティ印がイ . . . 本文を読む

「WATARIDORI」

2003年07月21日 | わ行 映画
うちでは、小さい頃から動物を飼ったことがなかったので、私は、動物は全般に苦手だ。犬や猫を見て、目じりを思いっきり下げて「かっわいい!」という風には絶対にならない。犬や猫がいると、逃げ回った。それらが、動物がきらいな親から、「怖い」と刷り込まされたせいかもしれないと思ったのは、だいぶ経ってからだ。 小学生の時に通っていた習い事先に犬がいた。当初は刷り込まされたとおり、「怖い」と逃げ回ったのだが、だ . . . 本文を読む

わすれな歌

2003年05月28日 | わ行 映画
タイ、アユタヤの田舎町。一人の美しいサダウを巡って、男たちが彼女の気を引こうと四苦八苦していた。サダウを射止めたのは歌が大好きなペン。気のいいお調子者で、二人はこの上ない幸せだった。 兵役のくじ引きでペンはあえなくビンゴ。身重のサダウを置いて、徴兵される。毎日、毎日手紙を書くペン。それは、それで幸せだった。ペンがのど自慢的スカウトのようなショーに出るまでは・・・。 プロダクションに紹介され、ス . . . 本文を読む

蕨野行

2003年02月01日 | わ行 映画
山間のとある村、あまり豊かな地とはいえないが、上ノ庄、中、下庄と3つに分かれていた。中ノ庄の庄屋、弾衛門の後添いに来たのが20も年下のヌイ。若い娘のようなヌイに姑(ババ)のレンは何かとこまめに教えていた。夏の天気を予想する山の雲の動き、畑に何を植えるべきなのか、いつもは口を出さないレンが珍しくその意志を示していた。 この村には秘された約定があり、60の齢を迎えたジジババたちは蕨の山に入ることにな . . . 本文を読む

ワイルド・スピード

2001年10月24日 | わ行 映画
公道を時速300キロの猛スピードで駆け抜ける。バリバリにチューンナップした車がずらり。エンジンにはニトロ何とかって言うのを積んで、ガンガン加速させるのだが、その瞬間のぐぐっと来る体感はなかなか得られないものだ。ただ、ひたすらまっすぐ走らせるのだが、必要なのは肝っ玉。その公道レースのとりこになった若者たちのリーダー的な存在がヴィン・ディーゼル扮するドミニク。「ピッチ・ブラック」でものすごい存在感を示 . . . 本文を読む

悪いことしましょ!

2000年11月21日 | わ行 映画
稀代のショート・ショート作家,星新一の『午後の恐竜』という本の中に、悪魔と契約を交わす女性の話が載っている。この作家のアイデアというのは感嘆に値する。バラエティに富んだ中身。決してショート・ショートだからといって馬鹿にしたもんじゃない。本当に文章力がなければ、あの短い話の中にいろんなエッセンスを閉じ込めることができない。 さて、悪魔との契約はどうなるかは読んでもらうことにして、その結末になるほど . . . 本文を読む