Tenkuu Cafe - a view from above

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-空から見るからこそ見えてくるものがある-

真珠の海 - 英虞(あご)湾 (1)

2009-01-25 | 近畿
陽が傾き、潮が満ちはじめると、志摩半島の英虞湾に華麗な黄昏が訪れる。
湾内の大小の島々が満潮に洗われ、遠く紀伊半島の稜線まで望まれる西空に、雲の厚さによって、オレンジ色の濃淡が描き出され、やがて真紅の夕陽が、僅か数分の間に落ちて行く。その一瞬、空一面が燃えたち、英虞湾の空と海とが溶け合うように炎の色に輝く。その中で海面に浮かんだ真珠筏がピアノ線のように銀色に燦き、湾内に波だちが拡がる。(山崎豊子作、小説『華麗なる一族』より)


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