Tenkuu Cafe - a view from above

ようこそ『天空の喫茶室』へ。

-空から見るからこそ見えてくるものがある-

五島列島を飛ぶ (3) - 久賀島

2010-07-10 | 九州


5つの島を中心に大小140あまりの美しい島々からなる五島列島。
五島列島はまた、「隠れキリシタンの里」としても知られる。
島々には50ものキリスト教会が点在している。

五島のキリスト教徒の大半は、江戸期に九州本土・西彼杵郡および外海地方から開拓農民として集団移住してきた隠れキリシタンをその祖としている。
禁教時代の末期にはキリスト教信者に対し、数百人の信者が殉教したといわれるほどの激しい迫害が行われた。それは後に「五島崩れ」と呼ばれる。
明治に入り禁教令が解除されると、次々と多くの教会が建てられた。

画面の久賀島(ひさかじま)は、五島列島の中では福江島・中通島に次いで3番目に大きい島で、福江島の北東、奈留島の南西に位置する。福江島とは田ノ浦瀬戸、奈留島とは奈留瀬戸が隔てる。海岸線はリアス式海岸になっていて、島の北側から中央にかけて久賀湾が大きく侵入し、島はU字形をなし、湾奥に中心集落の久賀がある。島の南西には田ノ浦港があり、古くは遣唐使の寄泊地ともいわれている。

島内の集落は江戸時代に大村藩から移住したキリシタンの集落が多い。1868年(慶応4)キリシタン弾圧による「五島崩れ」があり、大開(おおびらき)付近の牢屋で残酷な責めにあったことにちなむ「牢屋の窄(さこ)」とよばれるキリシタン史跡がある。
また、日本の建築技術の粋が結晶化した木造の「旧五輪教会」(明治14年)の内観は、見事な木造ゴシック様式で圧巻。国の重要文化財に指定されている。


五輪地区出身のカトリック教徒を父に持つ歌手・五輪真弓は、昭和61年冬、初めてここを訪れ、海の見える丘の上の墓地にたたずんで、先祖の苦難の歴史をしのびながら、過去から現在、現在から未来へと続く自分の血の流れを意識して、名曲『時の流れにー鳥になれ 』を生み出した。

 “鳥になれ、おおらかな翼をひろげて。雲になれ、旅人のように自由になれ“