ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

厳しい

2011-10-22 01:58:47 | Weblog
基本的に、ストレートに物事を言うタチだと思うけど、
それが人の人生を左右するとなると、それを実感すると・・・、
やはり重い。

上海に来て、現地採用で、
日本の大手企業というか、
むかしの日本の幻想をもとに、
人材育成をしてもらえると思ったら大間違いだ。

自分で、結果を出さなければならない。
新卒でも、ベテランでも、それは同じこと。
教えてもらえないからできない、は、理由にならない。

でも、がんばってあがいている人には、
誰かが手を差し伸べてくれる。
それが上海だと思う。

ある意味で、欧米的な結果を求められる部分では、日本よりも厳しい。
上司の顔色をうかがわなくていいという意味では、日本よりラク。

ただ、それだけのこと。

とはいえ、意見を求められて、自分が思っていることをハッキリと述べて、
それが、誰かの人生を左右すると思うと、すごくすごく厳しいと思う。
私は、そんなに偉そうなことを言えるような人間ではないから。

わさわさ

2011-10-20 23:53:45 | Weblog
情けないことに、ここ数日、心がわさわさしていて、落ち着きがなく、
なんとなく、なくしものなどをしている。
ついでに、お腹もこわし気味だったりする。
ペースが乱れている。これは、精神鍛錬が足りないせいだなあ。

そういう意味では、いつでもマイペースに見える中国人はすごい。
例えば道を歩いていても、決して他人に道を譲らない。
可能な限り割り込む。
自分が行きたいところに行く。
他人には従わず、自分の感情に従う。
よって、望まないことは無視する。

そんな彼らでも、落ち込むときはすごく落ち込むようなので、
やはり人間だなあ、と思ったりする。

そして、失せ物を再度探す。やはり見つからない。

しょうがない。無理矢理、気分転換しよう。
昨晩、アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』を読み終わった。

読者の錯覚をうまくコントロールしている面白い作品で、
突飛な密室も、最先端の科学も、
ついでに残酷過ぎる殺人描写も出て来なくて、
寝る前に読むのにちょうどよかった。

ポアロというと、連ドラの俳優さんの顔と、
吹き替えの声を思い出すようになってしまったけれど、
なかなかぴったりだ。

魅力

2011-10-19 23:55:53 | Weblog
中国への進出がコストカットに繋がる時代はもう過ぎたと思う。
中国はすでに市場であって、安い賃金で女工哀史のように働いてもらう場ではない。

日本の会社は、優秀な人材を集めにくくなっている。
そして、日系企業は踏み台にされていると思う。
中国人は日系企業で自信をつけて、次に欧米の外資系を狙って行く。

私が同僚の中国人スタッフに、日系企業で働いてみたいか、と聞くと、
だいたい、魅力を感じない、という答えが返ってくる。
そして、その理由を聞くと、およそこんな感じ。

1 日系企業の場合、駐在員が神様のようで納得がいかない。
例えば自分より仕事ができなくても、
日本の本社から派遣された社員だというだけで、数倍の給料をもらう。
仕事の結果をもって評価してくれない。アンフェアだ。

2 ストレスが大きい。上司が帰らなかったら自分も帰れない。
すごく監視されているような気がするし、信頼されていないと感じる。

日系企業で働いたことがないスタッフでも、周囲の人から聞いて、
だいたい同じような印象をもっている。

これって、日本の若者と同じことを言っているのではないか。
マネージャークラスの人が、たとえマネジメントをしていなくても、
社歴が長いというだけで、偉そうな顔をしている、とは、
どこの会社でもよく聞く話。

ただ、日本国内にいると、不景気で転職が難しいから、
なんとなくその会社に残るけれども、
これが上海のような他にもチャンスがある環境であれば、
わかりやすい能力評価がある欧米企業に行きたくなるのは、
人間として当然の感情だと思う。

終身雇用で、年功序列でない場合、
日本の企業がどれだけ魅力を失うかを考えた時、
あまりにも異質なことに、逆に面白さを感じる。

季節なので

2011-10-19 00:15:29 | Weblog
季節なので、一応、上海蟹を食べに行った。
蟹宴コースで、蟹づくし。

上海人が美味しいと言っていたところに行った。

 

上海蟹じたいは、結構美味しい方だったと思う。
ただ、もともと、私はそれほど上海蟹が好きではない。

まず、小さい蟹をほじる段階で飽きる。
なぜ、こんな苦労をしなければならないのか、とすら思う。
蟹みそだけ食べられればいい。
ということで、足は、正直勘弁と思う。

どちらかというと、上海蟹に合うと言われる紹興酒のほうが好きだ。
今日はコースに含まれていなかったけれど、「酔っぱらい蟹」は美味しい。
あれは、がんばってほじる気になる。
まあ、何事も経験、といったところだろうか。

上海市内は、この時期、有名産地の蟹の直売所などが出るし、
上海人はみんな好きみたいだ。
街中が、なんとなく蟹宴という感じ。

紅葉が始まった

2011-10-17 23:16:20 | Weblog
なんだか今日は、忙しかったような気がするなあ。
というよりも、写真を撮っていたので、視神経が疲れた。
一眼レフは、片目ばかりを酷使するので、
がんばりすぎると、終了した後に、頭が痛くなってくる。

朝晩は冷えるようになってきたけれど、日中は暑い。
そして、黄砂もばしばし飛んでいる。
もちろん日本にも飛んで行っている。しかも関東地方まで。

だからか、外を歩いていると、ノドというか、鼻の粘膜が少し痛い。
以前は、この時期に、黄砂が飛んでいなかったと思うので、
西部の砂漠化は、ますますもって深刻なんだろうと思う。

せっかく紅葉が始まったのに、外でボーッとすることもできないなんて、
もったいないなあ。

 

この写真は一眼レフじゃなくて、LUMIXで撮った。
いろんな人が「こっちで十分じゃん。っていうか、こっちのほうが色がきれい」と言う。

私の腕が追いつかなくて、そのよさを十分に発揮させてあげることができなくて、
一眼レフに申し訳ないなあ。

上品な本

2011-10-16 20:06:04 | Weblog
さっさと仕事を終わらせるつもりだったのに、
結局『ロシアのオリエンタリズム』を読み終わるまで、仕事を始めなかった。
この軟弱な性格をどうにかしたいと、小学生の頃から思っている。
が、一向になおらない。

机に向かっている時間は長いのに、
そのほとんどが読書に費やされているため、
しかも高校生までは、宿題をやるといって読書をしていたから、
勉強時間に比べて成績が悪いと、母がいつも不思議がっていた。
そりゃそうだ。勉強していなかったのだから。

それにしても、『ロシアのオリエンタリズム』は、
内容もさることながら、紙質や書体など、たいへん上品な本だった。
お値段も少々高めながら、
「でも、このクオリティだったら、しょうがないか」という感じ。
ページ数も多いし、持って、手にずっしりくるというか、
「本です」という本だった。

これは「消費する本」ではなくて、
ロシアによって奪われた中央アジアの言葉を、再び紡ぎ始めるための本。
アイヌや沖縄の言葉が失われつつある日本を、振り返る本。

先日、若い上海人が、こんなことを言っていた。
「中国には、56の民族がいると言われているけれど、
自分たちの文化や言葉を失った民族も結構多いと思う。
実際には、もう、56もいないんじゃないか」と。

彼女は、ウイグル自治区に旅行に行って、
ウイグルの都市部の漢化が進んでいる様を目の当たりにし、
非常に疑問を持ったと言う。

いま、沿岸部の若い人たちはお金を持ち、内陸に旅行に出掛けるになった。
チベットや雲南、ウイグル、モンゴルなど、漢民族以外の人たちが多く住む土地は人気だ。
彼女は、普通語が通じるのは便利だけれど、テーマパークのようになっていて、
なかには、漢民族が少数民族の衣裳を着て、
観光客向けのパフォーマンスをしていることすらあって、
正直ガッカリしたらしい。

そして「民族の自治」が、
どうやら発表されているとおりではないらしい、と気づいてしまった。
こんな話が上海の一角で交わされる。
そんな時代なんだな。

アジア

2011-10-16 11:30:38 | Weblog
今日も朝から洗濯機をまわし、
日本から持ってきたドリップ式のコーヒーをいれ、食パンをかじり、
まずはAmazonで本、次にiPhoneのアプリを巡回して、
さて、残りの仕事をやっつけるか!というところで、止まってしまった。

仕事は静かな環境のほうがはかどるから、
会社よりも自宅のほうがやりやすいことも多いけれど、
家には、誘惑もたくさんある。

いま読んでいるのは『ロシアのオリエンタリズム 民族迫害の思想と歴史』

上海にいると、あまり「ソビエト」を感じることがないけれど、
北京は、街全体の共産党っぽさが上海より強いし、ロシア人も上海より多いような気がする。

むかし北京に留学していた当時は、ソビエトが崩壊した直後だった。
ある日、ロシア人男性と韓国人男性がケンカをした。
私は両方と友だちだったけれど、韓国人のほうが同級生で仲が良かった。
ロシア人から、その韓国人と縁をきるように言われたので、
「なんで、あなたにそんな指図をされるの? 私が誰と友人になるかは私が決める」と言ったら、
ロシア人の男性に「俺たちの側に立つようなら、白人の仲間に入れてやってもよかったんだけど、
おまえはしょせん、アジアだな」と、侮蔑のこもった言葉を吐かれた。

それをフランス人の友だちに言ったら、
「ロシアだってヨーロッパじゃないわよ。なに言ってるの。あの人たちはアジアとの混血」と、
これまた反応に困る言葉が返ってきて、「こりゃ~、根が深いわ」と思った。

韓国人の友人に後から聞いた話だと、そのロシア人は酒癖が悪く、
酔った勢いで、韓国人の女性に手を出そうとしたので、思わず殴った、ということだった。
そういうとき、日本の男性は決して相手に歯向かわず、傍観者を決め込むか、
たとえ歯向かったとしても、グループでないと行動しないので、
いきなり顔面パンチをくらわせた韓国の男性はすごいなあ、と思った記憶がある。
しかも、その韓国人は、いつもは非常にやさしく、身体も細く、女性のような物腰の人だった。
人は見かけによらない。

と、過去に逃避している場合ではなく、仕事をしなければいけないのだが、
まずは昨日買いそびれた洗剤を買いに、違うスーパーまで足をのばすかどうか考えている。

買い物

2011-10-15 18:58:39 | Weblog
仕事が一段落したので、辛ラーメンを食べてから、
近所のスーパーまで買い物に出掛けた。

空きっ腹で行くと、
スーパーの店員の要領の悪さや、
レジで並んでいるときに、ピッタリとくっついて立つ人や、
耳のすぐ横で大声で会話する人たちに、
どうしようもなくイライラしてしまうので、
「今日、買わなくてもいいのよ」くらいの余裕を持って行くようにしている。

秋になっても上海は湿度が高く、お風呂のカビが気になり出したので、
日本のメーカーが中国で作っている洗剤で、「まぜるな危険」という表示のほか、
日本語で成分等が書いてあるものを買ってみることにした。

夕方の混む時間帯にもかかわらず、
相変わらず4つあるレジのうち2つしか開いていなくて、長蛇の列。
並んでいるうちに、洗剤はカゴの中で横倒しになったらしく、
どうやら首の部分から液漏れしていた。
レジの人が気づいて、近くにいた店員に新しいものを取りに行かせ、
持ってきたものも、やはり液漏れしていた。

そして、上海語で、たぶん次のような会話があった。
レジの人が、持ってきた人に「これも液漏れしてる」と言った。
持ってきた人が「何言ってるのよ。そんなことないわよ。
あなたの手に、さっきのがついてるんでしょ」とブチ切れ気味で言った。
レジの人がレジ台に、その商品を置いたら、
私にピッタリくっついて立っていた後ろの中国人カップルの
ちょうど目の前に置かれることになり、
「わあ、やめてよ。つくじゃない」と女性の方が怒りながら言った。

レジの人は商品をぞうきんで拭いて、レジを打ち、私に手渡した。
私の手に、液漏れの液がついて、指がヒリッとした。
そこで私が、普通語で、「やっぱりダメじゃない。これ要らない」と言った。
そして、もっと後ろに並んでいたオバさんが、上海語で「遅い!」と怒鳴った。

レジの人は、自分で返金処理ができないらしく、
レジのカギを持っている別の人を呼ぶ。
そして、待つ、待つ、待つ。
やっとカギを持った人が来て返金処理ができ、
中国人たちが、たいへんイライラしているなか帰路についた。

いちおう、外資系高級スーパーでのことなんだけど。

まあ、結局、それは買えなかった。
あれ、本当に日本のメーカーの物だろうか。
ニセモノのような気がするなあ。

儲かるもの

2011-10-15 12:49:34 | Weblog
洗濯も掃除もしたところで、仕事にとりかかる前に、
ちょっと毒でも吐こうかと。

最近、いろんな人に、上海で次に何が儲かりそう?と聞かれるのだけれど、
それがわかるくらいなら、自分でやっている。
中国特有のいくつもの困難を乗り越える覚悟、なんてものを考える前に、
日本から来て、いきなり飛び込める人のほうがいいのかもしれない。

それに上海でも、結局は、日本人社会がベースになる。
自分以外は全員が中国人でも会社をやっていけるような人も、
もしかしたら、いるかもしれないけれど、普通はそうはいかない。
上海での取引先が日系だったら、その顧客につける担当は日本人の方が
スムーズであることも多い。

となると、上海で成功するかどうかも、
結局は、日本人のもっている仕事力いかんなのではないかと思う。

上海では、企業の駐在員以外にも、いろんな人が働いている。
現地採用の中にも、日本で働いていた中国語が話せる人、
留学生上がりで日本では働いたことがない人、
中国語が話せないのに、いきなり働きにきた人、などがいるし、
上海で起業した人もいる。

「最近の若いもんは」は、人類の歴史が始まってから
ずっと、ぼやかれ続けていることだと思うけれど、
つくづく、日本のゆとり教育は、成功したんだなあと思う。

「日常会話レベルの中国語はできます」と面接で答えたのに、
会社に入ってから、「中国語、へたくそなんで、恥ずかしいから話せません」と、
平気で、というか、もじもじしながら言う。
「とりあえず、何でもいいんで飛び込みたいです!」と言っていたのに、
若くて経験がなくてもできそうな仕事をお願いして任せようとすると、
「それ、ぼくは興味ないんで」と、業務命令をサラリと流す。

うん、まあ、そこまでお願いしてやっていただくほどのことではないので、
こちらでやるからいいけど、仕事がなくて座ってるだけって、つらくない?
と聞きたくなる。
でも、彼らにとっては学校の延長なので「わ~い、自習!」という感じなのかも。
それでお給料もらって生活してる、という感じではない。

面接に受かる方法は、きっと本を読んで詰め込んだか、
高校や大学で指導されて、できるようにはなったのだろう。
でも、その言葉を信じて採用してみると、
「教えてもらったことのうち、興味と自信があることだけやります。
なによりも、自分らしくあるために」ということで、
社内が「お客さん」や「ポエマー」ばかりになってしまう。

ということで、ゆとり世代なのにガツガツ仕事をする人、が、
「これからの上海で一番儲かるもの」なのではないか、と思う。

ようやく週末

2011-10-14 21:43:32 | Weblog
今週は長かった。
先週の土曜日から今日まで、国が定めた出勤日が続くなんて、
しかも、国営企業は休んでいるところもあるというのだから、
まったく、中国はおもしろい国だと思う。

それにしても、7日連続で働くなんて、久しぶり。
で、「ようやく1週間が終わった~!」と思っていたら、
今日が提出期限の書類の提出を忘れた。
社内のものだから、月曜日の朝で許してもらおう。

最近「このへん突っ込まれそうだな。もう少し考えてから出そう」と思って、
そのまま忘れる。
う~む。

しょうがないから、月曜日までもう少し考えるか。

ここのところ、上海も秋のような気温になってきたので、
少し木の葉が色づき始めた。
でも、ずっと曇っているので、あまりきれいに見えない。
ということで、写真を撮る気にならない。

そして、なんとなくこのまま、
気がついたときには落葉しているような気がする。
日本も最近はそうだけど、春と秋は短い。
なるべく明日のうちに、たまった仕事を片付けて、
日曜日は散歩に出掛けたい。

それにしても、ここのところ会議ばかり。
中国語使用率も上がっている。
そりゃ~、疲れるわけだ。

今日、仕事であった中国人が、英語を話せたので、
外国で暮らしたことがあるのかと訪ねたら、
「ずっと中国よ。だって、ほら、中学から英語をやっているのだから、
このくらいは話せないと。下手だけど」と言われ、赤面のいたり。
ほんとにねえ。なんで英語が話せないんだろう。