さっさと仕事を終わらせるつもりだったのに、
結局『ロシアのオリエンタリズム』を読み終わるまで、仕事を始めなかった。
この軟弱な性格をどうにかしたいと、小学生の頃から思っている。
が、一向になおらない。
机に向かっている時間は長いのに、
そのほとんどが読書に費やされているため、
しかも高校生までは、宿題をやるといって読書をしていたから、
勉強時間に比べて成績が悪いと、母がいつも不思議がっていた。
そりゃそうだ。勉強していなかったのだから。
それにしても、『ロシアのオリエンタリズム』は、
内容もさることながら、紙質や書体など、たいへん上品な本だった。
お値段も少々高めながら、
「でも、このクオリティだったら、しょうがないか」という感じ。
ページ数も多いし、持って、手にずっしりくるというか、
「本です」という本だった。
これは「消費する本」ではなくて、
ロシアによって奪われた中央アジアの言葉を、再び紡ぎ始めるための本。
アイヌや沖縄の言葉が失われつつある日本を、振り返る本。
先日、若い上海人が、こんなことを言っていた。
「中国には、56の民族がいると言われているけれど、
自分たちの文化や言葉を失った民族も結構多いと思う。
実際には、もう、56もいないんじゃないか」と。
彼女は、ウイグル自治区に旅行に行って、
ウイグルの都市部の漢化が進んでいる様を目の当たりにし、
非常に疑問を持ったと言う。
いま、沿岸部の若い人たちはお金を持ち、内陸に旅行に出掛けるになった。
チベットや雲南、ウイグル、モンゴルなど、漢民族以外の人たちが多く住む土地は人気だ。
彼女は、普通語が通じるのは便利だけれど、テーマパークのようになっていて、
なかには、漢民族が少数民族の衣裳を着て、
観光客向けのパフォーマンスをしていることすらあって、
正直ガッカリしたらしい。
そして「民族の自治」が、
どうやら発表されているとおりではないらしい、と気づいてしまった。
こんな話が上海の一角で交わされる。
そんな時代なんだな。
結局『ロシアのオリエンタリズム』を読み終わるまで、仕事を始めなかった。
この軟弱な性格をどうにかしたいと、小学生の頃から思っている。
が、一向になおらない。
机に向かっている時間は長いのに、
そのほとんどが読書に費やされているため、
しかも高校生までは、宿題をやるといって読書をしていたから、
勉強時間に比べて成績が悪いと、母がいつも不思議がっていた。
そりゃそうだ。勉強していなかったのだから。
それにしても、『ロシアのオリエンタリズム』は、
内容もさることながら、紙質や書体など、たいへん上品な本だった。
お値段も少々高めながら、
「でも、このクオリティだったら、しょうがないか」という感じ。
ページ数も多いし、持って、手にずっしりくるというか、
「本です」という本だった。
これは「消費する本」ではなくて、
ロシアによって奪われた中央アジアの言葉を、再び紡ぎ始めるための本。
アイヌや沖縄の言葉が失われつつある日本を、振り返る本。
先日、若い上海人が、こんなことを言っていた。
「中国には、56の民族がいると言われているけれど、
自分たちの文化や言葉を失った民族も結構多いと思う。
実際には、もう、56もいないんじゃないか」と。
彼女は、ウイグル自治区に旅行に行って、
ウイグルの都市部の漢化が進んでいる様を目の当たりにし、
非常に疑問を持ったと言う。
いま、沿岸部の若い人たちはお金を持ち、内陸に旅行に出掛けるになった。
チベットや雲南、ウイグル、モンゴルなど、漢民族以外の人たちが多く住む土地は人気だ。
彼女は、普通語が通じるのは便利だけれど、テーマパークのようになっていて、
なかには、漢民族が少数民族の衣裳を着て、
観光客向けのパフォーマンスをしていることすらあって、
正直ガッカリしたらしい。
そして「民族の自治」が、
どうやら発表されているとおりではないらしい、と気づいてしまった。
こんな話が上海の一角で交わされる。
そんな時代なんだな。