ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ブラックホールで死んでみる

2008-11-16 20:02:02 | Weblog
ニール・ドグラース・タイソン著。早川書房刊。

「タイトル買い」しました。
ついでに、著者近影がとても濃くて、なんともイイ。

語り口調は軽快ながらも、内容はとても真面目。
しかも、真面目な本にありがちな、「訳注の嵐」もなく、
うまい具合に、基本的な知識も本文に織り込んで展開してくれるので、
落ちこぼれ感もなく、楽しく読めました。

読んでみると、確かに、宇宙で最も華々しい死に方は、
ブラックホールに飲み込まれて死ぬことかもしれないと納得。
試してみたいとは思いませんが。

それに、ハリウッド映画における宇宙演出の憤懣なども
飲み屋の愚痴っぽく出て来て、とても面白い。
その中でも、1977年に公開された「ブラックホール」の悪口はよかった。

この映画は、シナリオがと~ってもチープで、
ずっと昔、両親とメタメタに悪口を言った記憶の残っている思い出深い一作。
やはり、宇宙の演出もダメだったんだねえ。

話は変わって、先ほどテレビで見たフィギュアスケートの男子フランス大会で一言。

カナダのパトリック・チャンという選手は、とても強いらしい。
彼は、ラフマニノフのピアノ協奏曲やチェロ協奏曲を、
自分なりに「切り貼り」して使っていました。

演技にあう曲を見つけるのは、たいへんだと思うけれど、
いくら同じ作曲家の曲とはいえ、いくつかの曲をそれぞれ細かく切って、
好き勝手に繋げるのは、正直、どうかと思う。

曲は、自分を表現する一つの道具にすぎないかもしれないけれど、
その曲を愛している人もいるのだから、
曲自体に対しても、ちゃんと敬意を表して欲しい。
きっと彼もラフマニノフの曲が好きだから、
使いたかったのだろうとは思うのだけど、でもねえ・・・。

そういえば、昔活躍した、日本のジャンプが得意だった女性選手も、
ラフマニノフのピアノ協奏曲の2番と3番を自分なりに切り貼りして、
使っていたっけ。
その後、応援するのをやめたことを思い出しました。