ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ダライ・ラマ、生命と経済を語る

2008-11-18 23:38:00 | Weblog
ダライ・ラマ、ファビアン・ウァキ (共著)。角川書店刊。
フランスの大手百貨店のトップとダライ・ラマの対談集。

経済や性のことなどについて、こんなにダライ・ラマが
ざっくばらんに語ることは、めずらしいかもしれない。
そして、すべてについてちゃんと整合性のとれた回答ができる仏教哲学は、
本当に、世界的に宗教といわれるもののなかでも、稀有のものだと思いました。

「ここに、血の入ったグラスと、ミルクの入ったグラスがあります。
どちらが好きですか」
ダライ・ラマが茶目っ気たっぷりに繰り出す比喩はとてもユニークだ。

それにしても、対談相手はフランス人。
幼少期はユダヤ教、その後仏教にであって心服し、キリスト教にも興味があるらしい経済人。
そして、とても、とても、とーっても、仏教が、特にチベット仏教が好きらしい。

ある意味、憧れ過ぎで、仏教を神格化しすぎているような印象も受ける。
なんといっても、仏教へのアプローチがスピリチュアル過ぎるような・・・。
生まれた時から、何となく、仏教的な観念がしみ込んでいる日本人の私にとっては、
ちょっとこのテンションは、不思議に思える・・・。
でも、ダライ・ラマの欧米での評価って、こんな感じなのかしら。
もっとも、ダライ・ラマをアイドルみたいに考えている日本人もいるけど。

日本人による(日本人の)僧侶に対する評価は、現在、それほど高くないと思う。
僧侶がベンツに乗って、かなりの肥満体だったうえに、
法事でダラダラとお経を唱えられると、正直、ゲンナリするし。
こんな時間のために足がしびれるなんて、なんとも理不尽だと思ったりする。
なかには、すてきなお坊さんもいるんだけど。

ここ数日、ダライ・ラマ関連の本を連続的に読んで、少し疲れたから、
次は、少し目先を変えよう。