養老孟司さんの「発見の眼 自分の発見」という
エッセーに、こんな文章がありました。
『科学上の発見というと、立派な業績を指すよう
な印象がある。でも発見というのは、つねに
自分に関する発見である。じつはどんな小さな
ことでもいい。
歩きながら、ふと花が咲いているのに気づく。
それまでの自分は、その花に気づいていなかった。
咲く花に気づいていなかった自分と、気づいて
しまった自分は違う自分である。こうして違う
自分が生まれたときに、気持ちがいいと感じる。
だからそういう体験を繰り返したくなる。それ
が発見の喜びである。』
(「生きるとはどういうことか」筑摩書房2023年)
私のブラブラ歩きはリハを兼ねた散歩。
その際に身近な花を撮っているだけです。
咲いている花に気づくことが新しい自分の発見に
つながるなどと、恥ずかしくて、とうてい言える
ようなものではありません。ほんの少しの歩きです。
でも、もしも、それが何かを感じる自分につながって
いるとしたら、うれしいことです。
都立の薬用植物園に行ってきました。
ここはいわゆる園芸種の草花がレイアウトされた
植物園ではありません。
出会うのは、薬用となる山野草や木で、普段目に
することがないものを見ることができます。
ヒガンバナです。
今年の開花の遅れは全国的なのでしょうか。
確かにツボミがまだみられました。
でも、しっかりと秋を感じる花です。
見たかったシモバシラ(霜柱)です。
別名がユキヨセソウ(雪寄草)、素敵な名前です。
冬には、枯れた根元に氷柱ができます。
残念ながらそれは見たことがありません。
居合わせた人が、「ここは開園時間が9時なので、
霜柱ができても、その頃には溶けてしまいます。
12月の寒波到来などと言われる日が狙い目ですね。」
と教えてくれました。
ピントがちょっとずれたのが残念です。
ヤマホトトギスです。
花びらの紫色の斑点がきれいな花です。上品さが
あります。これもピントが会っていません。
トホホです。
秋の七草のひとつ、黄色の花のオミナエシです。
地下茎を伸ばして増えるらしいですね。
そろそろ見頃は終わりでしょうか。
オミナエシの仲間でオトコエシです。
乳白色の花です。あまり見かける機会がありません。
こちらは地表を這う枝で増えるらしいです。
同じ仲間でも違うんですね。
オミナエシ(女郎花)とオトコエシ(男郎花)が
コラボしていました。面白い光景です。
カリガネソウ(雁金草)です。
青紫のきれいな花です。ハナバチなど虫が花に止まると、
受粉しやすいように「首をもたげる」ような仕掛けに
なっているんだそうです。
オオケダテです。
背丈は2mくらいでした。大きいです。
房状の赤い花がたくさん垂れ下がっています。
少なくとも、長さは10センチくらいはあったと
思います。
キク科の花です。シオンです。
青い空を背景にすっくと伸びていました。
背丈は2m以上ありました。
シラヤマギクです。
同じキク科でも、林地の中にひっそりと
小さな花をつけています。
花は1~2cmくらいだったような気がしました。
ノコンギクです。花はシラヤマギクよりも
一回り大きな花です。これも林地の小道に
ひっそりと咲いていました。
スイフヨウ(酔芙蓉)です。
静かに咲いている花が多い中で、
ひと際大きく、優美な花姿でした。
もうすっかり秋の気配がただよう植物園の光景です。
もう一月もすれば紅葉が始まるでしょう。
今年はとりわけ短い秋になりそうです。
秋の野山には○○キクというのが数種類咲いています。どれも似たような花に見えて、区別がつきません。(^^;
キクはとても種類が多いですね。しかも
カンサンさんが指摘されているとおり、
どれも花はよく似た感じがします。
道沿いのハルジオンやヒメジオンなど
の山野草だけでなく、園芸種が加わると
もうわからなくなります。