ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

世界中のゴールドが、中国に飲みこまれる!?

2009年12月09日 | ROSE POSYのひとりごと
ワールドビジネスサテライトで、金の価格が高騰しているニュースを
取り上げていました。ジュエリー制作の関係者にはあまり面白くないお話ですよね。

世界中の金が、貿易中継国シンガポールに集まり、中国やインドから来たバイヤーが大量に買い付けているそうです。



その背後には、不動産バブルで投資対象として金にシフトする傾向がある一方、 中国、インドの経済の急成長に伴う好景気で、経済的余裕が出てきた一般消費者の アクセサリー需要の増加傾向も加わり、長期的には今後も値下がりすることは なかなかなさそうです。
香港のジュエリーの国際トレードショーは大盛況なことからも、中国の景気の良さがうかがえます。

テレビでは、中国の宝石店で金のアクセサリーに群がる様子を映し出していました。みなが熱心に品定めしているのは、縁起物の置物類や、日本なら貴金属買い取り店に持ち込まれそうな、とても趣味がいいとはいえない一昔前っぽいデザインの鎖類でしたが・・・。





   

それと似たような光景を、国内でも最近見ました。
御徒町のディスカウントストアに出向いた時、大勢の中国人の団体客に遭遇しました。ものすごい気迫で大声でワーワーいいながら、ジュエリーやブランドものを物色していました。店内をみるとあちこちに中国語の案内サインが・・・。熱烈歓迎、ってとこですかね。わざわざ日本に来て買うにはそれなりの理由があるのでしょう。

しかし、需要の拡大に伴って中国の国内でもジュエリーメーカーがどんどん育っていったら、日本のメーカーが主導で中国で安く作らせる、という図が一変して、中国のメーカー自身が、日本の市場に進出してくるかも知れません。デザインのパクリやニセモノならまだしも、まぜものがいっぱいとか、不正表示とか、粗悪品の中国産ジュエリーが世界を席巻しないことを願うばかりです。

さて、私は、アクセサリー製作の素材として、金はあまり使いません。彫金をやっていた頃は、よく使っていました。ロウ付けがシルバーより簡単なので・・・(^^;; 石の色によってはゴールドのほうが合うかなぁと思うこともありますが、私は、大ぶりで存在感があるデザインが好きだから、たっぷり惜しげなく使えるシルバーがわたしには分相応です。(^^)

   

一方、日本のトレンドはどうでしょうか。
先日、デパートのアクセサリー売り場で、有名なブランドのクリスマスの主力商品をかたっぱしから偵察してきたのですが、最近の目新しい傾向として、シルバーのゴールドメッキや合成石を使った品を多く見かけるようになりました。

いままで、ホンモノのゴールドや天然石しか使っていなかった有名ブランドがこうも堂々と扱うと、”安物”の代名詞だったメッキや合成石ですが、なぜか新鮮でポジティブな印象を覚えます。『K18ゴールドフィルド・シルバー』とか、『シンセティック・ルビー』などと表示されていると、知らない人が見たら、新しい素材かと思ってしまいますね。
不況が続いて、若い人のお財布の紐も締まり気味なので、メーカーさんも、クリスマス商戦に向けていろいろと工夫をしているのですね。

あ・・・、そうえば、ラヴァーグの校長先生がブログで、『メッキっていうのやめませんか・・・』と言っておられました。コーティング、って言うんでしたよね。

製造する側の人は加工用語として”メッキする”という言葉をよく使いますが、すでに市場では、ほとんど死語化しておりまして、通販、店舗ともに、メッキ、という表示はどこにも見あたらないようです。

そのゴールド・コーティングの製品が大手ブランドの店頭で普通の貴金属ジュエリーと一緒のケースに並べるようになっている時代ですから、購入する人も注意が必要です。ホンモノの金だと思って買ったのに、お直しに出したら、”これは金じゃない。”といわれたー、という悲しいお話をよく聞きます。私もお直しをたのまれたゴールドのリングの刻印をみたら、メッキ品で、何の金属だかわからないので断ったことがあります。ホンモノだと思うのはお客さんの勝手だし、嘘を言うのはいけませんが、黙ってるのは罪にならないんですよねぇ・・・。

”K18GP”のGPが、Gold Plating、”K18GF”が、Gold Filled。いずれも、K18の金の被膜を張ったもので金属そのものはゴールドではありません。一緒に”Silver”とすらも書いていない場合は、真鍮のこともあります。真鍮だからいけない、ということではないのですが、被膜が剥離した場合、アレルギーを起す人もいますので、購入時にはくれぐれもご注意下さいね。