ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

若い女性のジュエリーへのモチベを下げるもの 

2008年04月09日 | ジュエリーよもやま話
都心・市街地に勤める20~30代の働いている女性が、一番お洒落にお金と時間をかける年代層といわれています。洋服、靴、バッグ、それにあわせるスカーフやベルトのような小物は毎年流行があるので四季ごとにアップデートせねばなりません。加えて美容のための費用は大きいです。基礎化粧品、メークアップ用品はもちろん、ボディケア用品、ヘアサロン、人によってはエステ。美容代だけでも毎月数万円かかります。

おまけにお友達同士のグルメや旅行のおつきあいや”自分磨き”のためのお稽古事も消費行動の大きなポーションを占めています。そして、こまごました雑貨やインテリアグッズも若い女性は大好きです。最近は、マイカーを持つ女性も増えてきました。男性から見ると、どんだけ~、お金があれば足りるのぉ!?という感じですよね。

それらに満足してはじめて、余ったお金があれば、ようやくジュエリーや時計といったぜいたく品に注目が行くということでしょう。それだけ周囲にはもっと魅力的なものやサービスがあふれかえっています。そして、収入が増えれば増えるほど、良いものの価値がわかればわかるほど、"ハード”面から、”ソフト”面へ余裕資金の消費がシフトしているといわれています。

   

20~30代の女性が自力で買うジュエリーの価格帯はだいたい、売れ筋は3万から5万円程度までと言われていますが、最近は、「その5万円も出す気がないなあ、特にリングはねぇ・・・」、という声を聞きます。(たしかに、リングをしてる人、すくないっ!)

この、若い女性のジュエリー回避傾向を牽引している、”ソフト”面で注目すべき分野があります。それは”ネイルアート”。ジュエリー業界にとっては競合業界とみていいかもしれません。
(トレンドがわかるご参照サイト:ネイルカタログ

ネイルを常時している子は、”一度サロンに通いだすと、もう止めることができない”と言います。ネイルを塗ってないのは彼女ら的には裸でいるのと同然の感覚だそうです。私の同僚の女の子は『ジュエリーを買うお金があったらネイルサロンに行くわ。』、とのこと。ネイルは短期間で剥げるし、爪は伸びてしまいますから月に1度は行かないといけません。自分で練習して頑張ればできないことはないのですが、彼女達はプロのネイリストにしてもらうことに価値を感じるのです。
サロンに行く時間とお金がある、つまり一種のステータスなのです。

ネイルはまさに小さな芸術です。色のグラデーションづかいに加えて、細かい描画やラメやキラキラとラインストーンが輝いて、もうそれだけで自分も楽しいし、人の視線も魅了します。サロンに行くたびに無限大のアイデアと新しい意匠やテクニックが提案されます。

   

ROSEは爪は伸ばしていませんが、たった一度だけ、結婚式の前に短い爪ながらネイルをしてもらったことがあります。それは結婚式の写真撮影をプロに依頼 すると必ずと言っていいほど新郎新婦が指輪をした手を合わせたクローズ写真を撮るからです。事前の打ち合わせで聞いてますから、ROSEもあわてて前日に ネイルサロンに駆け込んだわけです。はずかしながらブーケの上に新郎と私の手を乗っけて写真をとらされました。そのとき、撮った写真はリングじゃなくって やっぱりネイルがアップされてるんですよねぇ・・・・。

ネイルって、塗ってる間じぃーっと黙って我慢してるもんだと思っていたら、どっこい、これがとっても気持ち良いのです。まずは手をお湯に浸してゆっくり温 めて、パラフィンでパックして、さらにアロマオイルでひじあたりまでマッサージしてもらって、甘皮をとったりヤスリで削ったりしてから、丁寧にエナメルを 塗って、花模様を描き、最後にキラキラのラインストーンの飾りをつけて、最後に補強剤を塗っておしまい。乾くまでしばらく待ちます。(今風 だとジュエルネイルとかいって、UV光線をあてて固めるのですよね。)その一部始終の間、いろいろとネイリストの人が淡々と仕事をしながら楽しく会話を盛 り上げてくれます。まさにお姫様気分でとても楽しいのです。金曜や週末のネイルサロンがどこも満員盛況なのは分かる気がします。

私がネイルをしてもらった日は一日ウキウキ気分でした。ネイルサロンが、女性にとって一種の癒し、ストレス解消の場と言うことを知りました。この醍醐味を知ってしまったら、若い女性達がジュエリーを買うまで行きつかない理由も分かるような気がしてしまいます。

   

私が言うのもなんですが、正直いって、ネイルをきれいにしている人がいると爪に見とれてしまって、リングやブレスレットなんてかすんでしまうんですよね。・・・そのせいか、毎日電車や街中を観察していてもネイルしてる人はあまり手指のアクセサリーをしていない気がします。ネイルのインパクト性が強い分、ジュエリーは主張してはいけない存在になりつつあります。

同僚や知人に対して、つけてるリングを褒めたときより、ネイルを褒めたときのほうが数段喜ぶのです。自分が見定めたネイルサロンでいろんなオプションを選んだ後、彼女のためだけの1つのアートが完成するため、ひとりひとりすべて違ったネイルになり、”世界でひとつの私のオーダー作品”という自負が生まれるからなのでしょうね。ネイルを褒めるとまるで自分を褒められたような気がするのも分かるような気がします。

   

リングとネイルのコーディネートを提案してる雑誌やデザイナーさんもいますが、ネイルだけで十分に装飾欲を満たせてしまうので、あえてリングなどをしないのではないかと思われます。スワロフスキーのクリスタルとかボールチェーンといった”プチジュエリー”がこまごまくっつけてあるんですから、キラキラはもう爪先で満開です。この上にさらにゴールドのダイヤリングなんかしてるとToo Muchな感じさえもします。

ネイルアートは海外から入ってきたものでしょうが、あのように1cm四方も無い面積に美しい繊細な装飾を施せるのは、まさに世界においても日本だけではないでしょうか。しかも”癒し”の付加価値までプラスして・・・。

というわけで、ネイルをしている人たちがリングを買ってくれないとすると、ネイルに似合うピアスやネックレスの提案をしていかないといけないのかなぁ???という感じもしますが、ネイルは1ヶ月に一度、みなさん、気分転換にかなり大胆に変えるのですよね~。

どんなネイルにも似合う、ピアスやネックレス、という企画にしますか・・・。