つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡短信vol.90 ~ 令和参年 文月。

2021年07月03日 17時25分00秒 | 津幡短信。
              
列島の南岸上に停滞する梅雨前線の活動が活発化している影響で、
きのうから今日(2021/07/03)午前にかけ、東海や関東の太平洋側で記録的な大雨に。
拙ブログをご覧の皆様の地域は、いかがだろうか?
大事なきことを願っている。



暑さはなかなか厳しいが、幸い、ここ北陸は今のところ少雨。
今朝も散歩に出かける事ができた。

津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回の話題は以下の3本。

【つじかぜや つばめ つばくろ つばくらめ】



「実生(みおい)保育園」の運動場上空を、
風に乗り、燕たちが舞うように勢いよく飛び交っていた。
時折、かなり接近して来たが、やはり素早い。
何度もシャッターを切るも、一羽を小さく捉えるのが関の山。
ただ、青空のお陰で、その輪郭は判別しやすいと思う。



複数羽いた証拠は、芝生を写した画像に。
囀りながら盛んに地面をつついているように見えた。
草の種でも食べているのかと考えたが、彼等の主食はアブやユスリカ。
雨上がりに土から這い出た虫を探していたのかもしれない。



現在、日本で子育ての真っ最中。
津幡中央銀座商店街のとある軒下、巣の中には大口を開けたヒナを視止める。
「つばくろ」「つばくら」「つばくらめ」などとも呼ばれる「燕」は、春の季語。
「燕の子」は夏の季語、「燕帰る」は秋の季語。
日本人に四季を通じて親しまれ、身近かな鳥だということが伝わるのだ。

【サマーギフト at 津幡。】



「お中元」--- 贈るのも、もらうのも縁遠くなった。
その是非を問うつもりは、毛頭ない。
長きに亘る習慣であり、ギフト市場にとっては稼ぎ時だ。
そうだ!後で「(一財)日本モーターボート競走会」からお中元をもらいにいこう!
気を付けないと、こちらが贈る側になってしまうかもしれないが---。



津幡中央銀座商店街では、きのうプレゼント投票が行われた模様。
知らなかった。
参加したかったが、時既に遅し。

【Dへの憂慮。】



昨年(2020年)石川県内で確認された特殊詐欺は70件(前年比24件増)。
被害額は3億円以上(前年比2億数千万円増)。
最近は「ワクチン接種」に関わる不審電話が後を絶たないという。

石川県警が、こうした詐欺の勧誘を防ぐ為に掲げたスローガンが、
「留守電!切断!即相談!」。
家庭の固定電話を常に留守電に設定しておき、無用な接触を避ける。
話途中で少しでも怪しいと感じたら、躊躇なく通話を切断する。
疑わしい電話があったら、すぐ誰かに相談する。

先日、石川県警の方と話をした際、
「3つのD」の中で徹底に苦慮しているのが「留守電」だと聞いた。
留守電にしておくと、知人友人・家族などから
「電話しづらい」と不満がられてしまうのでしたくない。
--- と考える人(主に独り暮らしのご高齢者)が少なくないらしい。

まあ、分からないでもない。
留守電設定をするかしないかは自己判断だが、
かける方も受ける方も、少しの手間を惜しまずに対処してはいかがだろうか。

<津幡短信 vol.90>
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古(いにしえ)の芸能界。~ アメノウズメと白拍子。

2021年07月01日 08時08分08秒 | 手すさびにて候。
              
【音楽などに合わせてからだを動かす。】

「踊る」を辞書で引くと、そんな記述がある。
地球上に「生まれてから死ぬまで一度も踊ったことがない人」は、
誰一人いないのではないだろうか。
もちろん、僕もある。
但し50数年の人生における頻度は、きわめて低い。

踊る行為は誰でもできるが、踊りで娯楽を提供するとなれば話は別。
--- ここ日本での「芸能としての踊り」の起源は「天岩戸伝説」にあるらしい。

ほんの手すさび 手慰み。
不定期イラスト連載 第百七十七弾は「アメノウズメと白拍子」。



昔々その昔。
空の上に、高天原(たかまがはら)という神々の世界がありました。

太陽の神「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」は、
弟「須佐之男命(スサノオノミコト)」の度重なる暴れっぷりに業を煮やし、
「天の岩戸」という岩屋に隠れてしまいました。
世界は闇に閉ざされ、作物が育たなくなったり、病気になったり、
大変なことが次々と起こります。

困りはてた神々は一計を案じ、岩戸前でパーティーを開催。
座を盛り上げたのが、踊りの名手「天宇受売命(アメノウズメノミコト)」でした。

足でリズムを取りながら身をくねらせるうち、衣服ははだけ、
身体を覆うのは汗のベールだけ。
ホットでセクシーなダンスに触発された神々は、
手を叩いたり、笑ったり、歌を唄ったり。
やんやの喝采は岩戸の中にも伝わります。

「外は真っ暗で、皆、困っているはずなのに?」

不思議に思った「アマテラス」が外を覗き見た瞬間でした。
待ち構える「天手力男(タヂカラオ)」が、自慢の剛力でこじ開け、
光と平和が戻ってきました。

天岩戸伝説/りくすけ脚色


「アメノウズメ」を始祖とする黎明期の芸能は、神をもてなし楽しませるもの。
祭祀の一環、畏敬や感謝を込めた祈りの表現だったといわれる。
やがて、仏教と一緒に大陸由来の舞楽・雅楽などが伝わり、
既存の芸能と混じり合い、広まっていく。

時は流れ、平安時代に流行した一つが「今様歌(いまよううた)」。
主に七五四句でワンコーラス。
近代でも「荒城の月」や「蛍の光」「我は海の子」などに受け継がれる形式である。
今様とは今日風・現代風の意。
それまでとは一線を画する新しい歌謡芸能は、
「紫式部」や「清少納言」の随筆にも取り上げられた。

ここで登場するのが「白拍子(しらびょうし)」。

集団で各地を巡遊し、行く先々で芸を披露し糧を得る女子芸能ユニットだ。
また、占いや口寄せ(※)などを行う霊能者の側面もあったという。
頭には立烏帽子(たてえぼし)。
現代のカッターシャツのような水干(すいかん)をまとい、
緋袴をはき、刀を帯びて今様歌を歌い踊る。
蠱惑的な男装スタイルの「白拍子」は、平安のアイドルになった。

平清盛に寵愛された「妓王(ぎおう)」や「仏御前(ほとけごぜん)」。
源義経の愛妾「静御前(しずかごぜん)」。
後鳥羽上皇に仕えた「亀菊(かめぎく)」など、
歴史に名を残す白拍子も少なからず。

古今東西、人は芸能に熱を上げている。
何故だろう?
「芸能」と「本能」。
並べてみると、字面はよく似ている。

(※呼び寄せた生者/死者の霊に代わり意志を言葉で語ること。
  東北地方のイタコ、奄美 ・沖縄のユタなど)
          
コメント (2)
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