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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

学級文庫と江戸川乱歩。 ~ 妖虫。

2019年07月01日 21時45分27秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載、第百十三弾は「赤蠍と美少女」。

2019年も現存しているのかどうかは知らないが、
僕が子供だった頃、教室毎それぞれに「学級文庫」があった。

津幡小学校の場合は、出入口付近、教壇の上手辺りが定位置。
4~5段の棚に、書籍が並んでいた。
印象に残っている1つが、リアルな筆致のカバー絵の「少年探偵団シリーズ」。
物語の主軸は、名探偵「明智小五郎」と、助手「小林少年」率いる「少年探偵団」が、
様々な事件・怪盗・怪人と繰り広げる、推理冒険活劇である。 
発刊元は、確か「ポプラ社」だったと思う。

何冊か読み「江戸川乱歩」への興味が湧いた僕は、
中学生になり、他の著作にも手を伸ばした。
その1つが「妖虫(ようちゅう)」である。

『相川珠子は東京で一二を競う美貌の持ち主、その兄は探偵好きの大学生だった。
 その平和な家庭に突然、災いが降りかかる。
 大女優・春川月子を惨殺した「赤いサソリ」が、魔の手を珠子に伸ばしてきたのだ。
 神出鬼没の殺人鬼に対する名探偵・三笠竜介は再三、苦汁を呑まされる。
 果たして、最後に笑う者はどちらか?』
                    (※東京創元社HPより引用)

頁を開くと広がる世界は、年少者向けと一線を画す“乱歩調”。
美女ばかりをつけ狙う残酷な殺人鬼。
見世物小屋と女一寸法師。
昭和初期と思しき東京のデカダンス。
怪奇、グロテスク、エロス、猟奇、耽美。
そして、人間の心の奥底の淀む「狂気」。
それは、僕も含めた誰もが持ってゐるのだ。
・・・と、教えてもらった。
コメント
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