金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画::『スタンド・バイ・ミー』

2006-05-30 23:11:33 | 映画の感想
映画の感想:『スタンド・バイ・ミー』(ロブ・ライナー監督)
★★★★★

言わずと知れた冒険少年もののスタンダード。
ようやく見られました。
ク、クリス~!
ひとり光ってるなあと思ったらリバー・フェニックスだったのね。
ガキ大将だというわりに男気あふれて大人、
でも実は繊細な彼に胸キュン(死語?)
どうにもならない家庭環境に傷つきながら、
心を寄り添わせていく少年たちにドッキドキ!
わたし、ボーイズラブの趣味はなかったはずですが、
クリスとゴーディの関係にヨコシマなときめきを覚えてしまいました。
少年たちを描いた物語ではあるけれど、現役の「少年」たちよりも
大人のためのお話なんじゃないかなあ。
回想形式をとっているせいか、ノスタルジアに満ちている。

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石崎洋司 『チェーン・メール』

2006-05-30 23:09:49 | 06 本の感想
本の感想109:石崎洋司『チェーン・メール―ずっとあなたとつながっていたい』
(YA!ENTERTAINMENT)
★★★★☆

チェーン・メールを機に、リレー小説形式で物語を作りはじめた4人の少女たち。
物語の内容が次第に現実世界とリンクしていき、一人のアクセスが途絶えたのを
きっかけに虚構の世界が崩壊しはじめる。
自分以外は愚かだという思い込みや、うまく行かない現実に対する怒り、
親への不平不満など等身大の少女たちの日常を描きながらも
ミステリアスな展開で読者をどんどん引き込んでいく。
明かされた動機には釈然としなかったし、まゆみが返事をしなかった理由も
よくわからなかったのだけど、おもしろかった!
知らない作家さんでしたが、ほかの作品も読んでみたい。

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柴田よしき 『猫と魚、あたしと恋』

2006-05-29 23:12:42 | 06 本の感想
本の感想108:柴田よしき『猫と魚、あたしと恋』(イーストプレス)
★★★☆☆

先日会ったときに、母が、最近読んだおもしろかった本として
この作家さんの『激流』を挙げていた。
図書館に借りに行ったら貸出し中だったので、代わりにこれを。
この作家さん、名前はよく見かけたのだけどまったく読んだことがなくて、
ずっと男性だと思っていました……
どこか壊れたところを抱えた女たちの日常を、
ミステリー要素をからめて描いた短編集。
乃南アサさんや山本文緒さんと通じる雰囲気があるのだけど、
人に見られたくない部分をえぐりつつも、
主人公に優しい終わり方が多かった気がする。
このテイストの本は今までに何冊も読んできたので、
特別目新しさは感じなかったのだけど、
この人の「トム・ソーヤの夏」みたいな話を長編で読んでみたい。

冒頭に引用されているあとがきのフレーズが好きです。

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恩田陸 『チョコレートコスモス』

2006-05-28 23:13:35 | 06 本の感想
本の感想107:恩田陸『チョコレートコスモス』(毎日新聞社)
★★★☆☆

籐子ちゃんライブラリーから拝借。
ところどころドキッとするようなフレーズがあったりして、
引き込まれて一気に読了。
序章という感じのラストだったけれど、続編はあるのかしら。
響子のオチについてはマネージャーの描写ですぐに見当がついてしまった。
素人なんだけど天才的な才能を持つ少女――という設定が、
『ガラスの仮面』を彷彿とさせます。
ものすごく好き!!ってわけじゃないのは、
わたしが芝居というものに疎いせいかもしれないなあ。

それにしてもこの本、恩田さんの作品だという実感が
全然わかないのはなぜだろう……。
今までに読んだ作品とは一線を画している感じ。
キャラクター造形のせい? 雰囲気もずいぶん違いますね。

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大島真寿美 『羽の音』

2006-05-27 23:16:26 | 06 本の感想
本の感想106:大島真寿美『羽の音』(理論社)
★★★☆☆

最初に読んだのが小学生を主人公にした『空はきんいろ―フレンズ』だったので
トーンのちがいにやや戸惑ったけれど、
視点の冷静さは一貫しているかもしれない。
明確な理由もなく突然出社拒否をした姉と、なんとなく不登校を続ける主人公。
もやもやとした、ストレートにはいかない日常と、そこからの脱却を描いた物語。
なんとなく、切りつけてくるようなイメージの文章。
主人公とミキオの関係がどうもいまいちわからなかったり、
姉を出社拒否と婚約破棄に追い込む透樹の存在感が
薄いような気がしたりするのだけど、
大事件が起こるわけじゃない、だけど叫び出したくなるような切羽詰った感じは
理解できるような気がする。
主人公……高校生にしてはずいぶん乾いてますね。
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映画:『秘密の花園』

2006-05-27 23:15:02 | 映画の感想
映画の感想:『秘密の花園』(アニエスカ・ホランド 監督)
★★★★★

ときめきがとまらない……!!
レンタルしてきたんですが、調べてみたら690円で買えるってんで即購入
100分でまとめているので、前半の展開がかなりはっしょってたり、
アレンジ部分が多かったりするのだけど、庭の映像も美しくてよかった~!
メアリがコリンを叱りつけるシーンが好きなのだけど、そこもばっちり。
メアリがどんどん可愛くなっていくのです。衣装もいいよね。
原作に比べて出番の減ったマーサも可憐。
恋愛色がやや濃くなっていて、コリンがメアリにプロポーズしたり
夜這いかけたり(?)ヤキモチやいたり。
(三角関係というには、ディッコンの存在感が薄いのが残念だったけど)

個人的にはおじさんを年配の気難しげな男性でイメージしていたので、
ロン毛の気弱そうな外見にびっくりしました。
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永井路子 『流星―お市の方〈上〉』

2006-05-23 23:17:33 | 06 本の感想
本の感想105:永井路子『流星―お市の方〈上〉』(文春文庫)
★★★★★

新装版が出ていた! 「功名が辻」に合わせたのかしら。
わたしが再読したのは1982年版のほう。
破竹の勢いで天下統一をおしすすめたように描かれやすい信長を、
いくつのも危機と小競り合いの中に描いています。
信長や長政に対するお市の冷静な視点が印象的。
後に再婚相手となる柴田勝家を、少女時代のお市がけちょんけちょんに
言っているのがおかしい。
泰然とかまえた濃姫と、彼女になついているお市のやりとりが好きでした。

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リルケ 『若き詩人への手紙・若き女性への手紙』

2006-05-22 23:19:19 | 06 本の感想
本の感想104:リルケ『若き詩人への手紙・若き女性への手紙』(新潮文庫)

前半は、孤独に悩む青年カプスへリルケが送った書簡10通。
孤独について、詩作について、職業に就くことについて。
訳者後記によると、カプスは後年、リルケの助言に反してジャーナリズムに
追随した生活を送ることになってしまったようだけれど、
きっと高潔に生きることは簡単ではないのだろうなあと思う。
リルケ自身の生涯についてもわたしはまだよく知らず、
ここに書かれていることも本当はまだ正確に理解できていないのだろうけど。
後半は過酷な運命に見舞われる女性ハイゼへの書簡。
こちらはますます観念的で難解。

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滝本竜彦 『NHKにようこそ!』

2006-05-20 23:20:35 | 06 本の感想
本の感想103:滝本竜彦『NHKにようこそ!』(角川文庫)
★★★☆☆

NHK=日本ひきこもり協会。
この作家さんの作品は以前からあちこちで目にしていたのだけど、
文芸誌に掲載されていた「ムーの少年」を流し読みしただけでした。
それでも同時掲載されていたインタビューのインパクトがよっぽど強かったのか、
どうしても頭の中で主人公の顔が作者の顔になってしまう。
前半は電車の中で読んでいて、笑いを抑えるのに一苦労だったけど、
後半は重かった……。
ヒロインの事情が重すぎ、隣室の後輩の嗜好は読む人を選ぶ、と
ひっかかる部分はいくつかあったのだけど、コミカルなタッチの合い間に
出口の見えないひきこもり生活の苦悩が垣間見えて、
おもしろかったり身につまされてみたり。

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川上健一 『四月になれば彼女は』

2006-05-19 23:21:42 | 06 本の感想
本の感想102:川上健一『四月になれば彼女は』(実業之日本社)
★★★☆☆

人生のターニングポイントとなった「卒業式の三日後の一日」を
一冊分使って書いているので、ありえないほど事件が連続。
初恋の女の子とのやり取りとか、元クラスメイトたちのちょっとしたセリフとか、
ちょっとだけ胸をつかれるような「いいもの」をところどころで感じるのだけど、
個々のエピソードの必然性は薄い気がする。
実際の生活なんてそんなものかもしれないけれど。
なにせ『翼はいつまでも』が圧倒的だったので、
どうしても比較して見てしまうんだよね……。
読後に知ったけれど、これ、「自伝的長編」なのか。
作家になる云々の、浮いたエピソードの意味がようやくわかった。

その他読了本101:谷川俊太郎訳『マザー・グース (2)』(講談社文庫)
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