金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
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映画:『犬部!』

2023-07-22 01:35:38 | 映画の感想
2023年の映画⑧『犬部!』(篠原哲雄 監督)
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
青森県十和田市に、一人の変わり者がいた。
花井颯太(林遣都)22歳、獣医学部の大学生。
子どもの頃から大の犬好きで、一人暮らしのアパートには保護動物がぎっしり。
周りからは変人扱いされても、目の前の命を救いたいという一途な想いで
保護活動を続けていた。
ある日颯太は、心を閉ざした一匹の実験犬を救ったことから、
ひとつでも多くの命を救うため、動物保護活動をサークルにすることを思いつき
「犬部」を設立。
颯太と同じく犬好きの同級生・柴崎涼介(中川大志)らが仲間となり
動物まみれの青春を駆け抜け、それぞれの夢に向かって羽ばたいていった。
「犬部」から16年後。
獣医師となっても一途に保護活動を続けていた颯太が逮捕されたという報道をうけて、
開業医として、研究者として、動物愛護センター所長として、
それぞれの想いで16年間動物と向き合ってきたメンバーたちが再集結するが、
そこに柴崎だけがいなかった……。
 
*******************************************
 
Amazon primeにて。
 
仕事の資料として視聴。
ポスター?はえらくポップで楽しげだけど、
動物の殺処分をテーマにしていて、雰囲気はシリアス。
いまだ解決しない問題ではあるのだけれども、
白けてしまうようなご都合主義は感じ取れず、
わりと現実的なラインでおさまったのはよかった。
 
自分の信じる正義のためなら何をしてもいいと考えているような
主人公の青臭さ、ある種の傲慢さに辟易してしまう。
でも、こういう鬱陶しいくらいの、折れない、
自分の意志を曲げない人でないと
世の中を変えることはできないだろうな……とも思う。
 
そして中川大志くんの、圧倒的な可哀想オーラ……!
病んでからのたたずまいが本当に消え入りそうで痛々しい。
 
登場人物の容貌や服装にあまり変化がないので、
十年以上前の回想シーンに入っても
回想だとすぐにはわからないのは残念。
○○年+季節、と表示は出るのだけど、
数字に弱い人間はそれが覚えられないのであった……。
 
ときめきポイントは、
主人公&看護師のさと子さんとの関係と、
犬たちにくっつかれる中川大志くん。
(しかし、犬に救われるあのエピソードは、
 全体的に説明不足の感があり、
 前後とのつながりも希薄で、浮いていた印象)
 
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165:近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』

2023-07-15 11:53:34 | 23 本の感想
近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、
カフェ・ルーズという小さな喫茶店。
そこを一人で切り盛りしているのは、
かつての同僚・葛井円だった。
海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間を
すっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。
会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、
そして店主の円の秘密――
世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。
読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。
 
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1話1話は短くあっさりしているけれど、
ちょっとした謎や意外性があって楽しんで読めた。
外国のスイーツも、それでなければならないという必然性が
感じられるエピソードになっていた。
終盤のトラブルやそれに関係する店主の過去については、
カフェやスイーツにあまり関係がない。
決着がつかずに終わったけれど、続編ありきと思えば良いのかな。
お菓子にまつわる知識も得ることができてよかった。
 
 

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株主優待の記録(2023年6~7月)※随時更新

2023-07-15 11:50:37 | 株主優待の記録

6月からずっと忙しくて、記録ができておらず、

抜けがありそう。

**************

 

6月12日

井村屋 

わらび餅&水ようかん

賞味期限は2024年5月。

カステラがおいしくて毎回楽しみにしていたのだけど、

今回はカステラなし。

 

■画像なし

7月1日

コメダ珈琲店

コメカ500円分

 

7月3日

富山銀行

クオカード5000円分

 

7月3~4日くらい

秀英予備校

クオカード500円分

前回まで同額の図書カードだったはず……??と思ったら、

クオカードに変わっただけじゃなく、

株主優待をもらえる回数も年2回から1回に減るとのこと。

 

7月4日

日本製紙 

トイレットペーパー、ペーパータオル、ティッシュ2種類、

キッチンペーパー

株価が買ったときからめちゃ下がっているけど、

この株主優待は毎回嬉しい。

 

7月15日

ハウスコム

ハウスコムプレミアム倶楽部(株主優待としてもらえるポイントを使う

カタログギフトみたいなやつ)で注文した桃が到着。

ずっしりとしたきれいな桃だ!

コメント (2)
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164:寺地はるな『今日のハチミツ、あしたの私』

2023-07-09 22:46:37 | 23 本の感想
寺地はるな『今日のハチミツ、あしたの私』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる―。
「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、
碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。
それから十六年、三十歳になった碧は恋人の故郷で
蜂蜜園の手伝いを始めることに。
頼りない恋人の安西、養蜂家の黒江とその娘の朝花、
スナックのママをしているあざみさん…
さまざまな人と出会う、かけがえのない日々。
心ふるえる長篇小説。
 
****************************************
 
養蜂家の仕事はちょっと珍しいものの、
描かれていることは、
「やりがいを感じられる仕事との出会い」と「人生の立て直し」で、
ストーリーラインとしては本当によくある話。
けれども、退屈せずに読めてしまう。
本当に引っかかりなくさくさくと読めてしまって、
筆力の高さを感じた。
 
彼氏のお父さん、気持ち悪いね……。
彼氏にも同情すべきところはあるが、
そういう育ち方をしてきてしまった人が変わるのは
難しいと思うから、ほだされずにお別れして良かったよ。

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163:朱野帰子『対岸の家事』

2023-07-07 19:23:44 | 23 本の感想
朱野帰子『対岸の家事』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
家族のために「家事をすること」を仕事に選んだ、専業主婦の詩穂。
娘とたった二人だけの、途方もなく繰り返される毎日。
幸せなはずなのに、自分の選択が正しかったのか迷う彼女のまわりには、
性別や立場が違っても、同じく現実に苦しむ人たちがいた。
二児を抱え、自分に熱があっても休めない多忙なワーキングマザー。
医者の夫との間に子どもができず、姑や患者にプレッシャーをかけられる主婦。
外資系企業で働く妻の代わりに、二年間の育休をとり、
1歳の娘を育てるエリート公務員。
誰にも頼れず、いつしか限界を迎える彼らに、
詩穂は優しく寄り添い、自分にできることを考え始める――。
手を抜いたっていい。休んだっていい。
でも、誰もが考えなければいけないこと。
『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。
終わりのない「仕事」と戦う人たちをめぐる、優しさと元気にあふれた傑作長編!
 
****************************************
 
とてもよかった。
 
専業主婦も、共働き主婦も、育休中の主夫も、
誰もがいっぱいいっぱいで、追い詰められている。
その閉塞感が身に迫ってきたし、
意外なことに「犯人は誰か?」というミステリー的な要素もあって
先が気になり、引き込まれた。
 
私が仕事で関わっている相手は富裕層なので
専業主婦率が結構高いのだけど、
日本社会全体で見たら、専業主婦は本当に絶滅寸前なのだろう。
社会のシステムのほうは改善されないし、
根本的なところは解決しないのだけども、
誰かと繋がりを持つことで解消される苦難もある、
という救いの見える着地点に落ち着いていた。
 
最初は「なんだこいつ……」と思っていた登場人物にも
徐々に愛着が湧いてきて、最後には好きになっている。
中谷なんか、近くにいたら絶対腹を立てっぱなしになるし関わりたくないが、
彼に対して志穂が割と辛辣に言い返しているのと、
奥さんが手厳しいのとで、だんだん可愛く見えてきてしまった。

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162:秋川滝美『ひとり旅日和』

2023-07-05 22:09:42 | 23 本の感想
秋川滝美『ひとり旅日和』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
人見知りで要領の悪い日和は、仕事場でも怒られてばかり。
社長から気晴らしに旅へ出ることを勧められる。
最初はひとり旅など無理だと尻込みしていたが、
旅好きの同僚に後押しされ、日帰りができる熱海へ。
神社を訪れ、出来立ての茹で卵の味に舌鼓を打ち、干物の味に感動!
さらにそこには、思わぬ出会いが待っていた。
ひとり旅の楽しさに気付いた日和は、佐原、仙台、金沢、福岡と
遠くへ足を延ばしていくようになる。
少しずつ成長していく日和の姿は、仕事にも影響し始めて、
周りの目も少しずつ変わっていく―。
 
****************************************
 
ストーリーにたいして寄与しない無駄なエピソードとか心情が
すごく多いな?? と思いながら読んでいたのだけど、
途中で気がついた
これ、一人旅のガイドブックとか観光地紹介のつもりなんだ。
私が初めて一人旅をしたとき、一人で行動したり泊まったりすることに
ほとんど抵抗がなかったし、調べもので困ることもなかったのだけど、
多分、一人での行動に抵抗がある人や、
ホテルをどうやって予約するかわからない人って、
私が想像していたより多いのだろう。
そういう人のためのガイドを、小説の中でしているつもりなのだ。
 
 
旅に出たいという気持ちはわいてくる。
しかし、なぜだろう。
主人公の恋を応援したい、見守りたいという気持ちが全然わいてこないのは……。
1巻の時点では、相手の魅力が伝わってこず、
唐突な印象を受けるからなのかな。
人間関係をうまく築けなかった主人公が、
ちょっと親切にされたり、打ち解けたように感じたりしただけで
相手を好きになってしまうのは、リアリティがあるといえばあるのだけども。
 
佐原の宿の重低音の正体は分からずじまいで、気になる。
 

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