金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2010年度版 年末のひとり遊び

2010-12-22 23:30:44 | 1年のまとめ
今年はきちんと週に1度の休みがあったのと、
立ち上げた会社が軌道に乗り始めたのとで
精神的に余裕のできた一年でした。
新しいことにチャレンジする機会も多かったし、
意識して本を読む時間を作っていたので、
本も今年は結構読んだな~。

今年中に仕上げたい作業があるため、
年末まで本は読めなさそう。
なので、ちょっと早いけれど、
わたし以外の誰の役にも立たない年末のシメを今年も!

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【一般小説】
①大倉崇裕『オチケン!』
②三浦しをん『風が強く吹いている』
③平岩弓枝『新・御宿かわせみ』

ふり返ってみると、小説はあまり読んでいなかったな……。
①の『オチケン!』と続編の『オチケン、ピンチ!』は
文句なしにおもしろかったけど、あとは、
ブログを見返してみて、
「あ、そういえば読んだなこれ。おもしろかった気がする」
くらいの印象。
・濱野京子『フュージョン』
・乙一『銃とチョコレート』
もおもしろいと感じていたようです。

【随筆】

①日高敏隆 『春の数え方』
②中島義道『私の嫌いな10の人々』

「よりみちパン!セ」シリーズを下の「新書・論説系」に
カウントしているので、それ以外の随筆となると数がない……。

【新書・論説系】
①鈴木邦男『失敗の愛国心』
②森村泰昌『「美しい」ってなんだろう?』
③重松清『みんなのなやみ1・2』

「よりみちパン!セ」シリーズを約40冊読んだので、
今年は母体数多し。
このシリーズは一冊一冊がいいというよりは、
シリーズ全体として見たときに、そのバラエティに富んだ内容や
チャレンジ精神がおもしろいんだよね。

【映画】
『九月に降る風』
『さらば、わが愛 覇王別姫』
『つぐない』

秋から、宅配レンタルで月に4本映画を見ていたので、
以前に比べると結構観ました。
『九月に降る風』が良かったなあ。
これが台湾の青春映画を知るきっかけになりました。
『花蓮の夏』も『藍色夏恋』も、
センチメンタルでノスタルジーにあふれた世界。
『さらば、わが愛 覇王別姫』には、
『ラストエンペラー』に通じる壮大さと切なさがありました。

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完全に自分のための覚え書きとなってしまったブログですが、
ご訪問くださっているみなさま、コメントくださったみなさま、
今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします
コメント (2)
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193:森達也 『きみが選んだ死刑のスイッチ』

2010-12-20 23:49:30 | 10 本の感想
森達也『きみが選んだ死刑のスイッチ』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

この人、よりみちパン!セのシリーズの中で、
ひとりで3冊も書いてるんだな。

刑法のはじまりと、司法の歴史をふり返りながら、
その過程で生まれた冤罪事件とその理由、
裁判員制度の欠陥を指摘。
その上で、世界の動きとは逆行するように
死刑執行が数多く行われるようになった日本の現状を述べ、
問題提起を行っている。

裁判員制度って、なんだかいきなり出来て、
その理由もよくわからないなあ~って感じだったんだけど、
納得のいくようなまともな説明は、やっぱりないんだな。
素人を参加させる意義がまったくわからない。
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ドラマ:『ファン・ジニ<1>』

2010-12-19 23:02:13 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
ドラマ:『ファン・ジニ<1>
★★★☆☆

寺に預けられて育ったチニは、寺の外に出ることを許され、
記憶にかすかに残る母を求めて町へ出る。
外の世界で、美しい妓生たちの舞を見たチニは
その舞に魅了され、妓生になりたいと願う。
後継者を探す松都教坊の行首・ペンムに
その才能を見いだされ、松都教坊に足を踏み入れるチニ。
そこには母であるヒョングムがいた。
精神的ショックで失明したヒョングムは、
自らと同じ道を歩ませないためにチニを手放したのであるが、
チニは自ら進んで妓生の道を歩み始めるのだった。

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韓国のドラマは「冬のソナタ」で「もういいよ……」と
思っていたのだけど、史劇だというのでこれは興味があったのでした。
ファン・ジニは李氏朝鮮中宗期に実在したとされる
女流詩人でもあった妓生。
借りたレンタル用DVDの1枚目には、1~3話を収録。

1・2話では、母と子のお涙頂戴的展開に、
「その手には乗らないぜ」と思いながら泣く。

プライベートでのウノの髪型が笑える。
そして髪型のせいか、チニ役の女優さんが
竹内結子に見えてしかたない。

つまらなかったわけじゃないんだけど、
続きは見なくてもいいかな~。
なんか、テレビドラマのつくりってかったるい。
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映画:『ブーリン家の姉妹』

2010-12-19 22:11:35 | 映画の感想
映画:『ブーリン家の姉妹
★★★☆☆

16世紀のイングランド、ヘンリー8世は王妃の間に
王女しかもうけることが出来ず、
世継ぎとなる王子を産む愛人を探していた。
貧しい貴族のブーリン卿は、家を盛り立てるため、
聡明な長女・アンを王のもとへ差し出そうと画策する。
しかし、王の心を射止めたのは心優しい既婚の妹・メアリーであった。
一家揃って王宮へ呼ばれるブーリン家。
メアリーは王の子を産むが、王の心はすでに
追いやられたフランスから帰国したアンに移っていた。

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「大奥」的ドロッドロの愛憎ドラマ。
アン・ブーリンはエリザベス一世の生母。
アンは王の寵愛が自分ではなく妹に向かったことによって
憎しみを募らせ、妹から王を奪い、
妹とその子の地位も奪うことになるんだけど、
子供時代からの周囲に「自分が一番で、妹は日陰の存在」として
扱われてきたプライドもあるよね……

アンがヘンリー8世をそそのかし、イングランドを
ローマ・カトリック教会から離脱させ、王妃との結婚を無効化し……
と思いどおりになったと思いきや、王の愛は自分にとどまらず、
だんだんアンが追い詰められていくのが怖い。
 
スカレーット・ヨハンソンが心優しい、清純な役なのが
なんだか新鮮。

和訳すると台無しだけど、邦題より原題のほうがいいな。
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192:綾屋紗月 『前略、離婚を決めました』

2010-12-18 17:19:49 | 10 本の感想
綾屋紗月『前略、離婚を決めました』(よりみちパン!セ)
★★★★☆

母と父がなぜ離婚することになったのかを、
母が二人の子どもたちに対して語りかける形で説明する。
子供時代、まわりとつながることができなかったこと、
夫と出会い、「つながった」と感じられたこと、
結婚後に分かった夫の酒癖とDV、
離婚の意志を固めるきっかけとなった夫の風俗通いに、
離婚へ向けての夫との戦い。
離婚までのいきさつが、当時の自分の気持ちとともに
つづられていて、読みながら暗澹たる気分に。
子供への思いをつづった部分には
涙ぐみそうになってしまった。
高校生や大学生の女の子たちに読んでほしいなあ。

それにしても、こういう話を読むと、
専業主婦を選択するのはつくづく危険だと思う。
経済的な問題で妻も働きに出なければならない家というのも
最近は多いと思うし、その弊害も論じられているけれど、
自分自身の経済基盤がないというのは行動の選択肢を
大幅に狭めるよな。
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191:川西蘭 『セカンドウィンド<3>』

2010-12-17 11:39:57 | 10 本の感想
川西蘭『セカンドウィンド 3』(小学館)
★★★★☆

南雲真一ら三年生が引退し、
洋は南雲学院高校自転車部のキャプテンとなった。
部の予算は削減され、新任コーチの就任で体制が変わる。
新任の奥寺の過酷な指導に対して部の中で不満が高まり、
部の中に暗雲が立ち込める。
エースとなった岳、そしてサブキャプテンの元との関係に
かすかなわだかまりを抱えつつ、
洋は自分のキャプテンとsての資質に自信が持てないでいた。
そして茜と親密になったことで、多恵とは冷戦状態に突入していた。

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3巻はポプラ社じゃなくて、小学館から出ているのね。
もう引退とは……
岳や元、後藤といった脇を固めるキャラクターが
いい味を出していて、切磋琢磨し合いつつも
それぞれの道を歩もうとしているこの時期特有の
友情のせつなさも感じられる巻でした。

恋愛もひとまず決着(……なの?)。
岳があっさりふられているのに驚いた。
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映画:『マレーナ』

2010-12-14 00:03:47 | 映画の感想
映画:『マレーナ
★★★☆☆

第二次世界大戦下のシチリア島、
戦地へ送り出された夫の帰りを待ち
家で一人で過ごしている美しい人妻・マレーナは、
町中の男からの熱い視線を集めていた。
12歳の少年・レナートは彼女に恋焦がれ、
欲望をもてあましているが、口をきくこともできない。
マレーナの夫の戦死が伝えられると、
男たちは彼女を我が物にしようと争奪戦を繰り広げる。
未亡人となったマレーナは、
生活のために次々と男に身を任せることになり、
レナートは彼女を守ってほしいと神に祈るが……

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前半は、レナートのストーカーぶりと繰り広げられる妄想が
恥ずかしいやらおかしいやらなのだけど、
後半、夫を失ったマレーナが生きるために娼婦に身を落としてからが、
もう陰惨でやるせなく、ズーンと落ち込んだ
マレーナが街を去り、少年時代のセンチメンタルな思い出として
終わっていくのかと思ったら、最後で意外な展開。
能天気にハッピーエンドといえない終わり方だったけれども、
あのラストだったからよかったのかな~という気も。
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映画:『愛のむき出し<上>』

2010-12-10 19:03:45 | 映画の感想
映画:『愛のむきだし<上>
★★★☆☆

クリスチャンの家庭に育ち、幼くして母を亡くしたユウは、
神父になった父と二人、母の言い残した理想の女性“マリア”に
めぐり逢うことを夢見ながら、平和に暮らしていた。
しかし父が奔放で妖艶な女・カオリと出会い、
彼女と暮らし始めたことによって生活が一変。
カオリの去った後、父はユウに「懺悔」を強要するようになる。
アリも殺せず、親切なユウは「罪」を作り出すことに苦悩する。
やがて、不良グループと意気投合したユウは、
「罪」をおかすために盗撮の師匠に弟子入りし、
盗撮の腕を磨くが、ある日、罰ゲームで女装している最中に、
ついに“マリア”ヨーコとめぐり逢った。
しかしヨーコは男を激しく憎んでおり、
女装したユウを女だと思って恋してしまうのだった。

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レンタル版は2枚に分かれているのね。
いつまでたっても貸し出し中で、
予約してようやく見られました。
盗撮の修行がバカバカしすぎて笑える。
そして1時間たってようやくタイトルバック。
今までのはプロローグだったのか……と呆然。
主人公の男の子、かわいいなあ。

まだ1枚目しか観ていないんだけど、
全体的にチープでバカバカしく、愛しい。
しかしスプラッタは勘弁してください。

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190:伊集院静 『機関車先生』

2010-12-10 18:41:51 | 10 本の感想
伊集院静『機関車先生』 (講談社文庫)
★★★★☆

終戦後、瀬戸内海に浮かぶ小さな葉名島。
その島にある全校生徒わずか7人の小学校に、
北海道から臨時教員がやってきた。
身体が大きく、強くてやさしいその先生は、
幼い頃の病気が原因で口がきけない。
子供たちは、彼を「機関車先生」と呼び、慕うが、
口のきけない彼が子供たちを教えることに
大人たちは不安を抱く。
しかし大小のさまざまな出来事を通して彼の人柄を知り、
島の人々は次第に彼を認め、惹かれるようになっていく。

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通して読むのは初めて。
あちこちで使われているので、断片的な場面場面を読んでいて
おおよその話はわかってしまっていた。
口がきけなくて、強くて優しくて心がきれいだなんて、
機関車先生には絶対感情移入できまい……と思っていて、
実際その通りだったのだけど、
彼よりも生徒や校長先生といった周囲の人々の感情に
スポットがあたっている。
最後の場面では、ホロリときてしまいそうになったよ。
美しすぎる話だけれども、その分人を選ばず
おすすめできる。
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189:立岩真也 『人間の条件  そんなものない』

2010-12-10 18:12:22 | 10 本の感想
立岩真也『人間の条件  そんなものない』 (よりみちパン!セ)
★★★☆☆

著者は社会学者。
「できる人」がより多くのものを得る、という社会の仕組みに対して、
当然だと思い、何の疑いも持っていなかったので、
その社会のあり方に疑問を提起するこの本の内容には
目からウロコ。
ワーキングプアや失業者の問題も、
「労働力が余っている」のは「労働力が足りている」のであって、
社会がより豊かになった証拠であり、「余り」になった当人たちが
責められる問題ではない――という考え方も新鮮だったなあ。

しかし、とにかく文章がわかりにくすぎる。
難しい言葉を使っているわけではない。
文章がひどくまどろっこしくて、途中で何回か寝てしまった。
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