金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『シェイプ・オブ・ウォーター』

2018-03-28 18:06:28 | 映画の感想
2018年の映画③:『シェイプ・オブ・ウォーター』(ギレルモ・デル・トロ監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の
清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、
同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に
秘密の実験を目撃する。
アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の
特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、
こっそり“彼”に会いにいくようになる。
ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。

****************************************

あまり期待していなかったのだけど、予想外によかった。
R15指定なのは、エロとグロと暴力シーンが含まれているためね。
「人魚姫」の要素をちりばめた人外との純愛の物語なんだけど、
暴力と死が背景にあるために、
スリリングな山場がいくつも用意されていて、
かなりドキドキした。

「このエロシーン、必要か?」とか、
「ヒロインが美人じゃないのはいいが、おばさんなのがいまいち」とか、
「人外は人外でも、もう少し人間に寄せたデザインにしてくれ~」とか、
こうだったらもっと好きになれたのに! というポイントは多いんだけど、
それを差し引いても評価はプラス。

残虐な悪役にも家族があり、マイホームで彼を待つ妻と、
父と慕う子どもたちがいるという描き方もよかった。
キャデラックがめちゃくちゃにされるところで笑ってしまった。

評価はかなり分かれそうだけど、わたしは好き。
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大河ドラマ「西郷どん」#12

2018-03-25 20:19:35 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
大河ドラマ「西郷どん」#12

本寿院 「この中から御台所を選びなさい」
家定  「これにする」
井伊直弼「えっ、わたしー!?」

って、このやり取りなんだったの??
ギャグだったの?
それとも家定のおかしさを表現するためだったの?
判然とせず反応に困っちゃったよ。

いっこうに進まぬ篤姫の輿入れ話に
業を煮やした幾島は、斉彬の許可を得て
遊郭に行くわ大奥に働きかけるわ、有能すぎ。
それに比べて西郷ときたら……。
家定がうつけだと聞いた西郷は、
篤姫の輿入れを喜ぶことができず、
ぐずぐずするばかり。


「篤姫を本当に輿入れさせていいのか?」
と悩んで人情ものとして45分使いやがった……と
思ってたら、終盤、
「篤姫から駆け落ちを持ち掛けられる」
というメロドラマ的展開になってぽかーん。
結局「その言葉だけで十分」になったのだが、
駆け落ち騒動でまた尺を取るんじゃないかと
ハラハラしたよ……。
「どうなるんだろう」というハラハラじゃなくて、
「ドラマとしておかしな方に行かないだろうな……」という不安。

初登場時から篤姫が西郷に肩入れしてたのは
主人公ヨイショだと思ってたので、
なんか急に「ふたりの絆」みたいな描き方になって
戸惑ってしまった。
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8:寺村輝夫 『一休さん』

2018-03-24 08:46:00 | 18 本の感想
寺村輝夫『一休さん (寺村輝夫のとんち話 1)』(あかね書房)
★★★★☆

小学生に人気の本。
大人をぎゃふんと言わせるところがいいんだろうな

「このはしわたるべからず」や「虎の絵」など、
有名なエピソードはもちろんふくまれているのだが、
それ以外にも知らない話がいくつかあり、楽しめた。
イラストが可愛らしく、とぼけた味わいをかもしだしているのだが、
章題のところのイラストが
ちゃんと禅宗建築の「火灯窓」になってるのに感心した。
大人になった今読むと、一休さんは小憎らしいガキだよ(笑)。

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7:那須正幹 『ヨースケくん―小学生はいかに生きるべきか 』

2018-03-23 19:29:48 | 18 本の感想
那須正幹『ヨースケくん―小学生はいかに生きるべきか (for Boys and Girls)』(ポプラ社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

授業中、トイレにいきたくなったら…
つい、カンニングしてしまったら…
お父さんがリストラされたら…
マラソン大会でびりになったら…
小学生が生きていくのは、けっこうたいへんです。
日々、てつがくする小学生、ヨースケくんの物語。

**************************************

連作短編なのだけども、ひとつのエピソードが後につながっていくことはなく、
投げっぱなしだったのでちょっと拍子抜け。
1話1話の積み重ねにあまり意味はないので、
気軽にちょこちょこ読みたい子にはいいかも。

大きな事件は起こらず、小学五年生の男の子の目を通して見た
学校や家庭での出来事が描かれている。
小学生のころ、こういうことを考えたなあ……という場面が
ところどころにあったので、現役小学生が読むと
共感できるのかも。
お父さんのリストラ?に心揺れる
「紅茶を飲むヨースケくん」が可愛らしかった。

那須正幹さん、ズッコケ三人組にははまらなかったけど、
小学館の雑誌で連載していた「とうがらし探偵団」はおもしろかったなあ。





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6:黒柳徹子 『トットちゃんとトットちゃんたち』

2018-03-23 19:29:25 | 18 本の感想
黒柳徹子 『トットちゃんとトットちゃんたち』(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

ユニセフ親善大使黒柳徹子さんが出会った忘れえぬ子どもたち――
「あなたのお幸せを祈っています」死にそうなその子は、
なんの不満もいわずに、それだけいった。

黒柳徹子さんがユニセフの親善大使として訪れた、
飢餓や戦火、災害、貧困に苦しむ国々。
そこで出会った忘れえぬ子どもたち……。
私たちがあたりまえと思うことが、けしてあたりまえでない世界の現実。
ここに書かれていることは、とてもつらく、せつないけれど、
あなたに知っておいてもらいたいことです。

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仕事で読んだのだけど、もう苦しくて苦しくて、胸が痛い。
自分が無知で、いろんなことに無頓着で、
自分のことしか考えていないという事実をまざまざと見せつけてくる本だ。

タンザニア、ニジェール、インド、モザンビーク、カンボジアとベトナム、
アンゴラ、バングラディッシュ、イラクにエチオピア、
スーダン、ルワンダ、ハイチ、ボスニア・ヘルツェゴビナ……
と政情不安や貧困、内紛の起こっている国として知ってはいたけれど、
実はよくわかっていなかった国々。
いったいどうしてそうなったのか、という事情から
人々が置かれている状況まで、子供にもわかる言葉で書かれているこそ
胸に迫る。
「クルドの魂」の章で泣いてしまった。
南アフリカ共和国はアパルトヘイトで悪名高いけれども、
その正当性を守るために、反政府組織を支援することで
周辺の黒人政権の国々を崩壊させていったことも
初めて知った。

「黒柳徹子 ユニセフ」って、中学生くらいのころに
一時期さかんに耳にして、学校でも寄付のようなことをやっていたけど、
自分もふくめ、中学生は現状を全然わかっていなかったと思う。
この本があったらずいぶん違っただろう。
そして、この本が書かれてから15年以上たったけれど、
調べてみると問題が解決するどころか
新たな紛争の勃発でさらにひどいことになってしまった国もあって
つらい。

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大河ドラマ「西郷どん」#11

2018-03-18 20:45:09 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
大河ドラマ「西郷どん」#11

わたしの見落としなら大変申し訳ないのだが……

どうして西郷は、数ある食事の献立の中で
毒が入ってるのが魚の切り身ってわかったの??


毒殺のスタンダードは知らんが、
毒を混ぜやすいのは汁物じゃないかね?
それなのに、なぜ切り身だけをピンポイントで
左内のところに持っていったの??
「左内や慶喜と話を共有するためには、
持ち運びできるメニューじゃないとダメ」
という展開上の必要性を主人公は悟ったの??

またもやロシアンルーレット的展開が来るとは。
由羅の食べた菓子は彼女が選んだものなんだから、
由羅が菓子を食べたからといって、
菓子に毒が入ってないということには
ならないと思うんだけど。
毒入り菓子を避けられるわけだし。

証拠もないのに前藩主のところへ
「お前らが毒盛ったんだろ!」
と言いに行く主人公の無謀さ、
お由羅のチープな高笑い、
最後の足蹴からの肩抱きというBLっぽい絵面……
つっこみどころ満載の45分だった。

【その他】

・正助、久光との間にフラグを立てる
・人質に取られた左内弱い(笑)
・「ひー様」という呼び方、いまだに笑える
・斉彬毒殺に尺を使いすぎなんじゃないだろうか
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大河ドラマ「西郷どん」#10

2018-03-11 20:29:54 | その他(ドラマ・アニメ・落語)レビュー
大河ドラマ「西郷どん」#10

相変わらず入り込めないままに見ている……。
感想は書くことがあるときだけ書こう。

前回、井伊直弼の登場に直虎クラスタが盛り上がっていたが、
このドラマでは、直弼は通り一遍の悪役として
書かれるんじゃないかな~。
「とにかくわかりやすく、ライトに!」を
目指した脚本という印象なので、
複雑な人物像の描写は期待できなさそう。

登場人物がやたらと西郷を「おもしろい」とヨイショするが、
おもしろいか~??
いまだに疑問だよ。

今回は、

・斉彬からの指令で、ひー様こと一橋慶喜の追っかけになる
・ひー様追っかけの途中、橋本左内と接触
・篤姫失踪
・篤姫、将軍に輿入れが決定
・幾島のスパルタ指導、春画も見せちゃうよ!
・家定のヤバさ

と盛りだくさんな回。
今日の感想は
「橋本左内はただのアホなのでは??」
しかないよ。
幾島は結構好きになれそう。
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5:川上和人 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

2018-03-04 20:58:01 | 18 本の感想
川上和人 『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(新潮社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

鳥類学者に必要なのは、一に体力、二に体力、三、四がなくて、五に体力?!
出張先は火山に、ジャングル、無人島……!?

耳に飛び込む巨大蛾、襲い来るウツボと闘い、吸血カラスを発見したのに、なぜか意気消沈し、
空飛ぶカタツムリに想いをはせ、増え続けるネズミ退治に悪戦苦闘する――。
アウトドア理系「鳥類学者」の知られざる毎日は、今日も命がけ!

センセイ、ご無事のお戻り、祈念しております……(担当編集者)

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話題になっていたので読んだ。
期待にたがわず、ユーモアあふれる文章。
特に鳥類に興味はなかったのだけど、
文章がおもしろいので読めてしまう。
小笠原諸島の生物相や生物の分類等々、
アカデミックな内容は初めて知ることばかり。
楽しみながら知識を得られるお得な本でもあった。

連載していたエッセイをまとめたものなので、
一冊の本としては起伏もなくフラット。
続けて読むとやや飽きてくるので、
毎日少しずつ読むといいかもしれない。

こういう本が売れるのってなんかうれしい。

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映画:『バーフバリ 王の凱旋』

2018-03-04 16:38:57 | 映画の感想
2018年の映画②:『バーフバリ 王の凱旋』(S・S・ラージャマウリ監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

ある日、シヴドゥは自分が今や人々の語り草となっている
伝説のヒーロー、バーフバリの息子だと知る。
彼は父親の家臣カッタッパから
父はある人物の裏切り行為により命を落とし、
王座を追われたという話を聞く。
かつて父バーフバリはカーラケーヤとの戦いに勝利し、
国母シヴァガミから王位継承者として認められ……。

****************************************

映画館にて。
SNSで話題になっていたので見に行ったんだけど……

よくわからん勢いに、リアリティとか疑問点をすべて吹っ飛ばされ、
悲しみの涙を流し、最後には感動してしまった。
いやほんと、「何だこれ……??」って感じだったわ。

内容としては、インドのある王国の三代にわたる愛と憎しみの物語。
第1作の『バーフバリ 伝説誕生』を見ていなかったので、
最初は人物関係や時系列がよくわからなかったんだけど、
王族の衣装や装飾品のキラキラな感じと音楽だけで、
もうわくわくしちゃうのね。

個人的にはバトルシーンのはちゃめちゃさが、
ジャッキー・チェンの「そんなアホな」とあきれる
曲芸アクションを思い出させて、何やら懐かしい感じ。
これ、ギャグでやってるの? 真面目にやってるの?と
判断に迷う場面がいくつかあって、
特に、盾を持った五人がヤシの木?のバネで飛び、
くっついて砲弾みたいになって敵陣に乗り込んでいく場面では、
笑いだしそうになったよ。
理性的だった国母が、言葉足らずゆえのすれ違いによって
バーフバリを疎んじるようになっていくのは胸が痛かったし、
裏切りの果てに死んでいく彼の遺言には泣かされてしまった。

「何だかよくわからないが壮大な叙事詩」であった。
1作めも見たい。
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