金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

66:角田光代 『夜かかる虹』

2005-07-31 20:04:06 | 05 本の感想
角田光代『夜かかる虹』(講談社文庫)
★★★☆☆

好きではない。でも、物語としてまとまっているし、興味深かったので★三つ。
表題作の、主人公の回想がこわかったなあ。
妹の存在を疎んで彼女を傷つけ続ける姉と、姉の持ち物を奪い尽くそうとする妹。
この怖さは、やっぱり姉妹のいる人のほうがリアルに感じると思う。
わたしにも妹がふたりいます。
特に仲良くもなく、憎みあうほどお互い興味を持っていないので、
似たような経験はないのだけど、でもなぜだかものすごく「わかる」気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

65:平岩弓枝 『犬張子の謎―御宿かわせみ〈21〉』

2005-07-30 20:02:39 | 05 本の感想
平岩弓枝『犬張子の謎―御宿かわせみ〈21〉』(文藝春秋)
★★★☆☆

今回もおもしろく読めました。
源太郎くんの出番がほとんどなかったので、がっかり。
「かくれんぼ」での源太郎&花世のお子様ふたり組がおもしろかったので、
またいつかその組み合わせで登場することを期待。
平田満さんのイメージが強いせいもあるかもしれませんが、
わたしは東吾よりも断然源三郎派です。
お千絵&源太郎の畝ファミリーが出てくるとうれしい。
(平田さんは源三郎にしては年取りすぎな気がしないでもないけど、好き
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

64:宮尾登美子 『宮尾本 平家物語〈1〉青龍之巻』

2005-07-29 20:01:04 | 05 本の感想
宮尾登美子『宮尾本 平家物語〈1〉青龍之巻』(朝日新聞社)
★★☆☆☆

大河ドラマはどこまでが宮尾オリジナルなんだろう…と思い、借りてきました。
1巻目は清盛の少年時代から平治の乱の終わりまで。
持っている知識をなぞっていく感じで結構おもしろく読めました。
ただ、必要以上に史実を盛り込もうとしているためか、焦点がぼやける。
その割に説明不足なところもあるし、時間軸も前後していて混乱しやすいかも。
会話文の改行も読みづらかった。
でも宗ちゃまが活躍するまで読みます。

ドラマを見ていてアンバランスに感じるところがあったのは、
平家メインのお話を「義経」の原作に持ってきたためだというのがよくわかった。
ドラマで宗盛と後白河法皇のあいだにあった「眉のつむじ」のエピソード、
清盛を白河院のご落胤とする原作の流れからすると、宗盛の誤解もやむなしですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

63:大崎善生 『孤独か、それに等しいもの』

2005-07-27 19:59:33 | 05 本の感想
大崎善生『孤独か、それに等しいもの』(角川書店)
★★★☆☆

短編集。
この人の本はしばらく読まないでおこう…と『ロックン・ロール』で
決意したのだけど、いっしょに借りてきちゃったので。

びっくりした。
『パイロット・フィッシュ』ではじめて知ったと思っていたのだけど、
それより前に、この本に入っている「ソウルケージ」という話を
それとは知らずに読んだことがあったのでした。
「八月の傾斜」「孤独か、それに等しいもの」が比較的好きです。
いつも気になっている、例の妄想めいた部分は、今回はほとんどなし。
女性が主人公だと、割とかわいた冷静さを感じる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

62:島本理生 『ナラタージュ』

2005-07-26 19:58:08 | 05 本の感想
島本理生『ナラタージュ』(角川書店)
★★★★★

すごかった。
『生まれる森』『リトル・バイ・リトル』にはなかった強いパワーを感じた。
ところどころ、「んん?」と思うところもあったのだけど、
勢いでねじ伏せられてしまう感じ。
多情とか浮気ということではなくて、ふたりの人を同時に好きだと、大切だと、
思うことはあるのだろうなと思う。
もちろん好きだという気持ちの度合いに差があっても。
生涯の恋ということを考えて、なんだか打ちのめされてしまいました。

小野君がどんどん不安定になっていくのが悲しかった。
与えた分だけ相手から返ってこないと感じたら、
いつかは損得勘定に動いてしまって、関係は破綻してしまう。
それを露骨に見せつけられてつらい。

個人的には先生より小野君より、黒川君が好みです

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

62:平岩弓枝 『お吉の茶碗―御宿かわせみ〈20〉』

2005-07-26 19:56:56 | 05 本の感想
平岩弓枝『お吉の茶碗―御宿かわせみ〈20〉』(文藝春秋)
★★★★☆

安心して楽しめるお話。
表題作「お吉の茶碗」と「池の端七軒町」が好き。
一気に読破してしまうのがもったいなくて、
毎回一冊ずつ借りることにしたのですが、次が待ち遠しい。
何度もドラマ化していろんな人が演じているけれど、
最初に見た沢口靖子・村上弘明でイメージが固定されています。
あのドラマは映像も美しくて、音楽の使い方もよい感じで、大好きでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

61:『LOVERS―恋愛アンソロジー』

2005-07-25 19:55:25 | 05 本の感想
『LOVERS―恋愛アンソロジー』(祥伝社)
★★★★☆

8人の女性作家による恋愛アンソロジー。コバルト出身の人が多いなあ。
安達千夏、下川香苗という作家さんは初めて知りました。
一部感想↓

江國香織「ほんものの白い鳩」
このひとの話にはめずらしく、おさまりがよく輪郭のはっきりした印象。
避けることのできない恋の終わりとその悲しさのお話。
わたしは鳩サブレが大好きです。

川上弘美「横倒し厳禁」
まとまりはいいのだけど、主人公にまったく共感できなかった。
桃の缶詰が食べたくなった。

島村洋子「七夕の春」
恋愛未満の関係ではあるのだけど、こういうお話は好きです。
登場人物がイニシャル表記である理由はなにかあるのだろうか。

倉本由布「水の匣」
中学~高校時代にこの人の歴史小説をよく読んでいました。
歴史上の人物をこういうふうに使うのはあまり好きじゃないなあ…。

唯川恵「プラチナ・リング」
やっぱり合わないようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

60:大崎善生 『ロックンロール』

2005-07-24 19:53:30 | 05 本の感想
大崎善生『ロックンロール』(マガジンハウス)
★★☆☆☆

なんだかいろいろ、見たくないものを見せられてしまった気分…。

しりとりの話やコミカルなセリフ回しなど、笑えるところもあったのだけど、
それがほかの部分とうまくかみ合っていない印象。
そして、ここのところ同じ作者の本を集中的に読んでいたのもよくなかったのかなあ。
いろんな点で食傷気味です。
特に、若い女性に対する妄想めいた部分にはうんざり。
おじさんのロマンなのかなあ。こういうの。
ふたりがくっつきかけたところで投げ出しそうになりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

59:ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳 『愛蔵版 モモ』

2005-07-22 19:51:51 | 05 本の感想
ミヒャエル・エンデ/大島かおり訳『愛蔵版 モモ』(岩波書店)
★★★★☆

不自然な日本語が苦手で、小学生のときから翻訳文学は避けていました。
外国語とは響きが異なるので、日本語に訳したときに文章のリズムに無理が
出てきてしまうのだと思います。
評判のよい石井桃子さん訳『ピーター・パンとウェンディ』もかなり苦しかったし、
ハリー・ポッターシリーズも一冊で挫折。
そんなこんなで、この本も小学生のときから気にしつつ、手を出さずじまい。
籐子ちゃんのReading Batonに挙げられていたのを見て、
ようやくチャレンジと相成った次第です。
原文がわからないので訳の良し悪しはわかりませんが、
読むのはそれほど苦しくなかった。
子どもには理解できないであろう言葉も使われているのですが、
小学生のころに読んでいたら、おそらく生き方に大きく影響を与えられただろうと思います。
ファンタジーは苦手なのだけど、モモと時間どろぼうたちの対決にはスリルもあり、
孤独に徐々に追い詰められていく過程も感情移入できる。
すんなり読了。
『はてしない物語』も読んでみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

58:平岩弓枝 『かくれんぼ―御宿かわせみ〈19〉』

2005-07-19 19:50:36 | 05 本の感想
平岩弓枝『かくれんぼ―御宿かわせみ〈19〉』(文藝春秋)
★★★★★

しばらく離れていた間に未読の巻がたまってしまってた。
沢口靖子主演のドラマではじめて知って、高校時代の終わりに
むさぼるようにして読んだシリーズです。
五年ぶりくらいに手に取ったのだけど、いっきに引き込まれて、
もう一度最初から読みたい!と思ってしまった。
作中時間について、最初はサザエさん的なとらえ方をしていたのだけど、
刻々と時代は流れ、開国、攘夷運動、とうっすら不穏な空気が感じられます。
東吾も源三郎もばりばりに幕府側の人間だしな・・・。

花世と源太郎のやりとりが可愛い。
るいの膝から放り出される東吾に笑ってしまいました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする