金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

79:呉座勇一 『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』

2019-05-31 19:58:46 | 19 本の感想
呉座勇一『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

室町後期、京都を戦場に繰り広げられた内乱は、
なぜあれほど長期化したのか。
気鋭の研究者が戦国乱世の扉を開いた大事件を読み解く。

*********************************************

めちゃくちゃ売れてる、というのは知っていたのだけど、
「ファンの多い戦国時代ならともかく、
 不人気の室町時代でなぜ……??」
と疑問だった。
「興味がないわけじゃないし、理解はしたいけど、
 複雑すぎてようわからんし
 頑張って調べるほどの気力はなかった」
という人が多かったのかな。

わたしの応仁の乱に関する知識は「教科書+小説を数冊」のレベル。
「最初は細川が義尚を、山名が義視を推していたのに、
 途中で逆になった。ようわからんがそうなってしまったらしい」
で終わっていた。
この本に書いてあることは、ある程度知識のある人にとっては
目新しくないのかもしれない。
でも、わたしは上述のレベルだったので、
知らないことばかりでとても面白かった。
戦が十年以上も続いた理由が防御型の市街地戦だったからとか、
室町期の政治形態とか当時の風習とか。
(義政が悪い、の認識は変わらなかったけど!)

めまぐるしく状況が変わっていくうえ、
南都の僧侶の記録をベースにしていて
大和国の情勢にも結構なページが割かれているため、
一読しただけじゃ全体像は整理できていないのだけど、
読み物としてもおもしろかった。

いちばんびっくりしたのは、
著者が自分より年下だってこと!

【メモ】
・戦国時代の「天下」は実質的に五畿内を意味した
・名字を籠める=呪詛
・林間=淋汗=風呂
・応仁の乱より以前、守護・守護代の多くは在京
・乙訓郡と葛野郡を合わせた地域h、中世においては
 「西岡」と呼ばれていた
・当時も半日あれば奈良―京都間を移動できた
・後南朝問題



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おでかけの記11:ランプライトブックスカフェ @伏見

2019-05-30 10:10:20 | おでかけの記


初めてじゃなく、すでに4度めで、
上のホテルにも泊まったことがあるのだけど、
久しぶりなので。

伏見駅10番出口から奥に入って2ブロック進んだところにある
ホテルに併設されたブックカフェ。


(いいかげんな撮り方をしたせいで、こんな写真しかなかった……)

置かれている本は、ミステリー・旅行・本に関するものが多い。
たくさん本があるわりに読みたい分野は2コーナーしかないうえ、
食べものがそんなに好みじゃないという理由で
いまいちな印象だったのだけど、
何だかんだで仕事や映画のついでに寄っている。

食事は軽食メニューがちょこっと、といった感じなので
食事メインではなく、
本を読んだりちょっと休憩したりといった
使い方のほうがよい感じ。

できて数年しかたっていないので、
ホテルがきれいで宿泊料が安めなのは魅力。
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大河ドラマ『いだてん』#20

2019-05-26 20:46:46 | 大河ドラマ「いだてん」
四三「オリンピックに集中するため辞表出した」

前から薄々感じてたんだけど……

お前、本当は働きたくないだけだろ??

ラスト、傷心の四三が「世界を放浪しちゃおうかな~」とか
考えてるところで確信したよ。
熊本に帰る気もないだろ!

いきなりのトクヨ→野口のラブコメ展開に笑った。
そして代表チームの中では
野口が妻子持ちだと判明しており、
トクヨの不戦敗が確定。
かわいそうすぎる……。
ってか、トクヨさん、四三や野口の恋愛の相手として
想定されるような年齢だったのね……。
教師側にいたので結構なお歳なのかと。

アントワープオリンピックの報告会、
外野がわあわあ文句ばっかり言って本当につらい……。
何もしていない連中ばかりが文句言うのって
今も変わらないよね。
スヤさん強かった……。

フィクションなら四三はリベンジ優勝するところだけど、
現実はシビアで、16位に終わる。
それだってすごいことなんだけどね……。
嘉納先生、永井先生も一線を退くことになり、
切なさマックスの回であった。

ラストに女子スポーツの歴史の幕開けをほのめかし
希望を見せる構成の妙。

【その他いろいろ】

・嘉納先生「岸くんの手腕により、今回は渡航費が出ます!」
→やればできるんじゃないか……。

・嘉納先生の野口くんへの評価がひどい。
 悪気なく本人に向かって言うんだから、無神経にもほどがあるよ。
 それにしてもデカスロンって初めて聞いた。
 トライアスロンでもしんどいのに、10種類の競技をやるとは。

・いつのまにか「シマちゃん」呼びしている四三。
 逃げるシマちゃんを両手を広げて追いかける四三は
 変質者そのもの。

・監督の打診を断った永井先生。
「私が行っても何一つ指導できないからです」
 →大森もたいしたことしてなかったから大丈夫だよ!!
 そしてトクヨに言われた「あなたは古い!」を気にしてたんだ……。

・監督は可児先生のもとへ……と思いきやまったく別の人へ。
 可児先生「誰だよ辰野って!!

・報告会の場に意味ありげに登場しつつ、何も役立たない美川。
コメント (2)
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75-78:最近読んだ本(ほぼ記録のみ)

2019-05-26 20:06:42 | 19 本の感想
古賀弘幸『文字と書の消息 ――落書きから漢字までの文化誌』(工作舎)

文字の書かれたものを神聖視する感覚って、
わたしにはないんだけれども、
昔は学校で教科書を押し頂いていたと聞いたことはある。
文字の書かれたものは他のごみと一緒にしてはいけないからと
専用の焼却炉「惜字炉」が中国だけでなく日本にもあったそうだ。



杉浦康平『文字の美・文字の力』(工作舎)

ビジュアル資料がメイン。
文字の呪力に対する信仰のあらわれたものを紹介。
最中や落雁に文字が書かれたものは、
文字の霊力を体内に取り込むという発想からきているそうだ。



尾崎友吏子『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)

暮らしをサイズダウンする具体的な方法が書かれているのは良い。
ただ、この方の本は他にも何冊か読んでいるんだけど、
センスとか好みが合わないみたい。




瀧山幸伸『一度は行ってみたい 街並発見』(二見書房)

再読。やはり素敵な本だった。
今回は千葉県の佐原と、福岡県の秋月に心魅かれた。


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74:朝井リョウ 『何者』

2019-05-25 11:57:01 | 19 本の感想
朝井リョウ『何者』(新潮社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める。

就活対策のため、拓人は同居人の光太郎や留学帰りの瑞月、
理香らと集まるようになるが――。
衝撃のラストが襲いかかる戦後最年少の直木賞受賞作。

就職活動を目前に控えた拓人は、
同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。
光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。
瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと
同じアパートに住んでいるとわかり、
理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、
本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。
直木賞受賞作。

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ううう……
大学時代の自分のみっともなさ、
今も残るみっともなさを
目の前に突き付けられたようで胸をえぐられる。

就活って、ほんと「他者にとっての自分の価値」を
むき出しにされる行為なんだよね。
「たいしたことのない自分」を直視しなければならず、
その自分を少しでもマシに見せなければならず、
別にやりたいことなんかないし、働きたくもないのに
働きたがってるように見せなきゃならない。
「みんなと同じように就職活動すること」を馬鹿にして
斜に構えながらも、
結局自分ひとりの力で道を切り開いてはいけず、
こそこそ就活する登場人物を
「いたわ~、こういう人」
と思いながらも、自分にもそういうところがあったと
気恥ずかしくなる。

光太郎はきっと、主人公が検索していることも
裏アカウントのことも知ってるんだろうな。

もう少しコンパクトにまとまってたら好み度は★4。


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73:夏井いつき/岸本尚毅 『「型」で学ぶ はじめての俳句ドリル』

2019-05-25 11:45:38 | 19 本の感想
夏井いつき/岸本尚毅『「型」で学ぶ はじめての俳句ドリル』(祥伝社)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

(略)
「プレバト!!」で大人気の夏井いつきさんと、
各俳句賞の選考委員等をつとめられている岸本尚毅さんとの
掛け合い問答ですらすら読める
俳句入門書ができました。
岸本さんの膨大な俳句の知識と明晰な解説に、
夏井さんのするどい突っ込みが加わって
超実践的な入門書が実現。
実作のコツが、穴埋め式ドリルとその解説問答でよくわかります。
ちょっと辛口なコラムも必見です!
担当編集が本書のなかで特に好きなのが、
中七の切れの型、コラムの「捨て石効果」、
キシモト先生が肝に銘じている3つのこと、です。
「型」を学べば、どんどん作れる、どんどん書ける! 
キシモト博士といつき先生と、みんなで一緒に楽しみましょう。

*********************************************

俳句を作りたいと思ったことはないんだけど、
こういうのを読むとやりたくなっちゃうな。
一から自力で作ろうと思うと大変な気がするけど、
すでにある5・7・5の一部だけを他の語と入れ替えてみる、
そしてその後で残りの部分も替えてみる……というやり方だと
初心者にもできそうな感じ。
紹介されている俳句の中でも、
ユーモラスなものが好き。

肩の上に いつも仔猫や 菊いぢり 五十嵐播水
親芋の子芋にさとす章魚(たこ)のこと フクスケ
屑籠の 倒れて出でし 子猫かな 古川迷水
象の鼻 少し不出来や 花祭 相原雨稲
窓の下 ちゆうりつぷ聯隊 屯(たむろ)せり 中村秀好


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72:笹原宏之 『日本の漢字』

2019-05-24 00:22:34 | 19 本の感想
笹原宏之『日本の漢字』(岩波新書)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

誰にも読めない「幽霊文字」、特定の職業で使われる文字、
個人が造った漢字…。
中国から取り入れた漢字を日本語として使いこなすための
試行錯誤の中から生まれてきた、
驚くほど多様な文字の世界を紹介する。
意味、用法から字画に至るまで
柔軟に変容をとげた「日本の漢字」の歴史から、
日本語表記の豊かさを支えてきたものが見えてくる。

*********************************************

漢字全体ではなく、
「日本で漢字がどのように使われ、発展してきたか」
という点にフォーカスした一冊。

「特定の職業で使われる文字」の中には、
新しく作られた字や複数の字をひとつにまとめた合字など、
PCでは出てこないような字がたくさん紹介されていて興味深い。
歴史的な説明はもちろんのこと、
音や形だけを重視した名づけの傾向や
女の子たちのはやり文字など、
漢字を取り巻く最近の(といっても10年以上前だけど)風俗を
取り上げているのもおもしろかった。

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71:当原珠樹 『かみさまにあいたい』

2019-05-21 21:15:59 | 19 本の感想
当原珠樹『かみさまにあいたい』(ポプラ社)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

大好きだったおばあちゃんに、うそをついたまま
永遠の別れを迎えてしまった雄一。
ひょんなことから、同級生の竜也といっしょに、
「神さま」との交信を試みるが……。

心の傷を抱えた少年たちのひみつの友情と成長の物語。

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今年度の読書感想文コンクール(小学校中学年)の課題図書。

クラスの問題児がオカルトにはまるというキャラ設定の不自然さ
(まあ、母を求める気持ちという土壌はあるのだけども)だったり、
「身近な人の死」「母子関係」「友情」等、
ひとつひとつの要素が深堀りされずに散漫になっていたりで
正直なところ、個人的には物足りない。
タイトルやあらすじから想像するほどウェットな話ではなく、
表面的なところをさらさら~っと流れていく感じ。
だけど、散漫になっているがゆえにフックは多いから、
こっちのほうが書きやすいのかな~。
現在日本の小学生が主人公というのも、とっつきやすいだろうし。

・身近な人の死を経験している
・お母さんが働いている
・親しくなかった子と、あるきっかけで親しくなった
・願いごとがある
・身近に認知症の人がいる
・登場人物に似た子が周りにいる

フックとしてはこのあたり?

キャラクターも立っているので、
ひっかかるフックがなくても
それぞれに人物についての感想は出てきそう。

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70:ヘレン・ピータース 『子ぶたのトリュフ』

2019-05-21 21:01:44 | 19 本の感想
ヘレン・ピータース『子ぶたのトリュフ』(さえら書房)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

お母さんぶたのおっぱいもすえなかった赤ちゃんぶたは、
ジャスミンのけんめいな世話で命をとりとめる。
そしてあらしの夜、かしこい子ぶたに成長したトリュフは、
行方不明になったモルモットを、においをたよりに追いかける。

*********************************************

今年度の読書感想文コンクール(小学校中学年)の課題図書。

自力で生きられそうもなかったぶたの赤ちゃんを
主人公の少女・ジャスミンが農場からさらってきて
懸命に助けようとし、ぶたの特性を活かして
警察犬のように育て、
結果、努力が実って困難を乗り越えるというお話。
悪い人が出てこないし、主人公もその家族も動物愛にあふれていて、
ハートウォーミング。
そして終盤に小さな事件が起こってそれを乗り越えるという
カタルシスも用意されている。

個人的には農場や獣医の仕事の一端を垣間見ることができて
興味深かった。

ただ、地味なんだよな~。
わかりやすいフックがないので、
「書くことがない」という子も出てきそう。
外国の物語であることも、一部の子にはハードルになりそう。

・動物好き
・ペットを飼っている
・獣医等、動物に関係する仕事に就きたい
・将来やりたい仕事がある

こういう子にはいいかもしれない。


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大河ドラマ『いだてん』#19

2019-05-19 20:50:02 | 大河ドラマ「いだてん」
岸先生、みごとなツンデレぶりであった……

これまで夢見がちな嘉納先生に
「で、金はどうするの?」
と冷淡に突っ込んでいた岸先生、
初めて駅伝を見て燃えてしまう。
今回は、この岸先生の可愛さがすべてを
もっていってしまった感。

オリンピックが再開されることになったものの、
マラソンが競技から外され、
それを四三に言えない嘉納先生。
いや、言おうよ!!
黙ってたら余計に傷が深くなるじゃん!

【その他いろいろ】

・嫁と生まれたばかりの子どもをほっぽって
 家に帰ってこないばかりか、ひたすら金を食う四三。
 そりゃあ幾江もきついこと言いたくなるわ。

・野口くんもキャラ立ってきて、いいよいいよー。

・森山未來、ひとり3役。

・ヒモ(四三)にさらに寄生するヒモ(美川)。
 まだ画家やろうとしてるの……?

・来週、久しぶりに弥彦登場だー!

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