金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

38:乙一 『GOTH 夜の章』

2017-02-28 20:56:12 | 17 本の感想
乙一『GOTH 夜の章』(角川文庫)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

森野夜が拾った一冊の手帳。
そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。
これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。
もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、
犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。
「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。
人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち
―“GOTH”を描き第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。
「夜」に焦点をあわせた短編三作を収録。

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昔、この作者さんの本を連続して読んでいた時期があったのだけども、
「これは絶対、自分の苦手なタイプの話だ」とわかっていたので、
手に取らなかった。
しかし、このたび、事情があって目を通しておかなければならなくなり、購入。

グロ描写はやっぱり苦手だし、
そういうものにあこがれる中二病っぽさにも辟易するのだが、
それでも面白いんだよね。
いや、面白いというのとはちょっと違うか。
描かれていることは好きじゃないのに、どんどんページをめくってしまうような勢いがある。
1編目は「え、2冊かけてこの事件を追うんじゃないの? 連作短編なの?」と驚き、
2編目は予想もしなかった叙述トリックに驚く。
3編目は「そっくりな双子」という設定の時点でオチは読めたし、
「あ、これ伏線だな」というのにもいくつか気づいたけど、
決定打になった伏線には気づけなかった。
「僕の章」の方も読む。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#8

2017-02-26 20:02:00 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#8

またホームドラマ回だったが、おもしろかったよ。
鶴も久々におとわに対して打ち解けた様子で、不幸顔も少なかったしね。

なんだかんだと夫婦仲がよく次々に身ごもる瀬名に対し、
子のできる気配のないしのは情緒不安定で被害妄想爆発。
「跡継ぎがまだできないから戦に行っちゃダメ!」
と言われた亀は側女を迎える決心をして、
しのの怒りの矛先はなぜかおとわに。
完全に鬱陶しい&面倒くさい女になったしのだが、
まあ確かにつらい立場よね……。
鬱陶しがってる亀をしかりつけるおとわはよかったわ。

旦那に「出世しろよ!」と発破をかける男前な瀬名ににっこり。
小林薫&猫は毎回癒し。

来週の予告を見る限り、また鶴が苦しい立場に追いやられそうでつらい……。
コメント (2)
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37:山内マリコ 『あのこは貴族』

2017-02-26 19:38:32 | 17 本の感想
山内マリコ『あのこは貴族』(集英社)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

地方生まれの美紀と東京生まれの華子。
アラサー女子たちの葛藤と成長を描く、山内マリコの最新長編!

「苦労してないって、人としてダメですよね」――東京生まれの箱入り娘、華子。
「自分はお話にもならない辺鄙な場所に生まれ、ただわけもわからず上京してきた、
 まったくの部外者なのだ」――地方生まれ東京在住OL、美紀。

東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、
20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。
名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、
ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。
猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。
32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。
境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。
同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。
結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。

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初めての作家さん。
確か、雑誌で紹介されているのを見て読もうと思ったんじゃなかったかな。
林真理子っぽい、と思ったのは、推薦文が彼女のものだったから?

女同士の義理だとか、女たちは分断されている、という話は面白かったが、
それをしゃべっている部分が、なんだか小説というより、
登場人物の口を借りた説明文といった感じで興をそがれた。
そして、ふたりが邂逅して語り合い、
結婚式で意地悪い仕込みをしたところで終わっていれば
楽しく読み終えることができたのだが、その後はやや失速。
しかし、今まで読んだことがない関係の切り取り方で、新鮮だった。
他の著作も読んでみたい。



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36:高山なおみ 『日々ごはん(2)』

2017-02-24 21:50:15 | 17 本の感想
高山なおみ『日々ごはん(2)』(アノニマ・スタジオ)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

本の撮影、テレビの収録、「クウクウ」最後の日々。
移りゆく季節の中で、高山さんの日常の探検は
目まぐるしくもたんたんと続きます。
好評日記エッセイ第2巻。
2002年9月~03年2月までの日記を収録。

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再読。
日記ものの長編シリーズは、もちろん好きだから読み続けているわけだけれども、
初期の方が断然面白いように感じられる。
このシリーズに限らず、最初の方がのびやかで読んでいて心地よい気がするのだ。

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35:前沢明枝 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』

2017-02-24 21:36:53 | 17 本の感想
前沢明枝 『「エルマーのぼうけん」をかいた女性 ルース・S・ガネット』(福音館書店)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

2010年の夏、ルース・S・ガネットさんが来日されました。
元気でチャーミングなおばあさんのガネットさん。
そのガネットさんが『エルマーのぼうけん』を書いたのは、22歳の時でした。
あんなに素敵な本は、どうして生まれたのだろう?
来日時、ガネットさんの通訳をしていた前沢明枝さんは、
アメリカに飛んでいって、ガネットさんにインタビューをします。
そこからわかったのは......?
そのころは珍しい「働く女性」だったおかあさん。
子どもの本の書評を書いていたおとうさん。
自由な考えの父母のもとで、自立と、人を愛することを学んでいったガネットさん。
ガネットさんの生き方の向こうには、りゅうを助ける「エルマー」が見えてきます。
ガネットさんが初めて書いたエルマーの手書きの原稿、
ガネットさんが、お話のさし絵を描いてくれた継母に見せた「りゅう」のイメージの絵、
たくさんの写真も載っています。
さあ、一緒に「『エルマーのぼうけん』が生まれるまで」を楽しんでください!

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先輩から借りた本。
インタビュー形式で書かれた伝記のようなものかな?
わたしは『エルマー』シリーズを大人になってから読んだせいか、
残念ながら、おもしろさがちっともわからず、内容もうろ覚え。
それでもこの本は面白かったので、『エルマー』ファンなら
さらに楽しめるかもしれない。

通っていた学校が本当にすてきなんだよね。
最初は文字の読み書きを教えず、お話を作らせて、
文字が読めたら、書けたら、どんなにいいだろうと子どもたちに思わせたり、
学校の中で商売をさせて、社会の中で必要なことを学ばせていったり。
わたしはどうしても教師サイドで考えてしまうので、
これを実行するとしたら、どれだけの下準備と忍耐が必要だろう……と
思ってしまうんだけども。

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34:新谷尚紀 監修 『季節の行事と日本のしきたり』

2017-02-22 15:07:07 | 17 本の感想
新谷尚紀 監修 『季節の行事と日本のしきたり [ワンランク上のマナー手帖]』(毎日コミュニケーションズ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

日本の伝統的なしきたりについて、その出自や意味をまとめた本書は、もう一度かつての古きよき日本のように家族や親戚とともに過ごす時間を楽しむ方法を、イラスト入りで解説した実用書です。
お正月や五節句など、日本古来の行事の民俗学的理由をわかりやすく説明。その意味を理解しながら行事を楽しめます。行事や季節ごとの伝統料理の作り方、現代風に家族で楽しむ具体的な遊び方などを提案しているため、小さいお子さんのいるご家庭に、ぜひ必携いただきたい1冊です。
日本人としての暮らし方を見直し、家族との時間を大切にしてみませんか?

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絵も可愛いし、広くいろんな話題を集めている。
その分、ひとつひとつの内容は表面的なところにとどまっているけれども、
もっと詳しく知りたいときには相応の本を読めばいいのだし、
その「知りたいこと」を見つけるための入門書としては良い。
知らないことがたくさんあった。

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33:おふみ 『ミニマリストの部屋づくり』

2017-02-22 14:53:14 | 17 本の感想
おふみ 『ミニマリストの部屋づくり』(エクスナレッジ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

月間120万PVブログ
『ミニマリスト日和』おふみさんによる
捨て方・しまい方・飾り方のやさしい手引き

ミニマリストという言葉のイメージに縛られず、
すっきり暮らせる自分の量に
見ると嬉しくなる“ほっこり"を足して。
身軽なうえに心地のいい暮らしができるハウツーいっぱいの実用書。

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ブログ発の本はたいてい、
偶然ブログを見かける
→すでに記事がたくさんあるが、ブラウザ上で大量の文字を読むのが苦手
→書籍化してるならそっちを読むか……
といういきさつで手に取っているのだけども、これも同様。
目新しさとか刺激のようなものはないし、どちらかと言えばセンスや好みは一致しない。
だから、触発されて何かをするわけもないのだけど、
作者さんの「好き」とか「よかった」という気持ちが可愛らしく心地よい。

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32:米澤よう子 『パリジェンヌ流シンプル食ライフ』

2017-02-22 14:43:32 | 17 本の感想
米澤よう子 『体も心も暮らしも心地よくする美習慣 パリジェンヌ流シンプル食ライフ』(文藝春秋)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

食を変えれば、暮らしが変わる!!

パリジェンヌはおしゃれ同様、食習慣もシンプル・シック。
目にも口にもおいしいフレンチ食でヘルシー&ハッピーに。レシピ付き。

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昔から、なぜみんながフランスやパリを持ち上げるのか、
さっぱり理解できなかった。
この本を読んでも、パリにあこがれることはないのだけれども、
オールカラーだし、イラストやデザインはおしゃれだし、
「パリジェンヌ素敵! 好き! あこがれる!!」
という作者さんの思いが伝わってくるのは良かった。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#7

2017-02-19 20:28:58 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#7

ううう、鶴が不憫すぎて胸が痛いよ~!!

亀は「チクれるもんならチクってみろ」とばかりに
子どもの頃の友情を盾に選択をゆだねてくるし、
修羅場になったら対処を丸投げしてくるし、
おとわは鶴が裏切るんじゃないかと疑ってるし、
ストレスが着々と蓄積されていく……。
大人になってからの亀は本当に黒くて、腹立たしい。
先週も「俺は振られたけど、お前もムリだからな!」って言ってたし。

おとわのためには必死になる瀬名姫の
意外な友情の厚さにときめく。
(後々、主人公サイドと家康サイドをつなげるための設定なので
 無理やり感はあるのだが……)
そして、「三河のぼんやり」笑
終盤、竹千代と縁組みさせられることになった瀬名の顔
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31:高山なおみ 『帰ってきた 日々ごはん〈1〉』

2017-02-15 23:39:20 | 17 本の感想
高山なおみ『帰ってきた 日々ごはん〈1〉』(アノニマ・スタジオ)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

料理家、高山なおみさんによる人気日記エッセイシリーズが再スタート!
最終巻からずっと続いていた、2008年11月〜2012年9月の日記と
アルバム、『おまけレシピ』の他、『スイセイ解説ごはん』を収載。

**************************************************

また読めてうれしい。
ただ、断片的な日記を集めた「拾遺」といった感じの構成なので、
これ一冊だけだと、話がよくわからないところも多かった。
ギラギラした表紙は、あまり中身にあってないような気がする。

旦那さんが巻末で、高山さんが文章を書き始めたいきさつについて
書いていて、なるほど……と思う。
高山さんにとっての旦那さんの存在の大きさ、というのは
以前から感じられたけれども、これを読むと、さもありなんと思える。


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