金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈8〉

2021-05-12 17:48:06 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

平氏の繁栄を支える宋との貿易をからめて、
藤原頼長vs清盛。
頼長の死までいい味出してたオウムちゃんの初登場回。
清盛の持っていた宋銭と、
為義から献上されたオウムをきっかけに、
忠盛の密貿易をかぎつけ、清盛を問いただす頼長。
尺は短かったけれど、緊迫感もあり、
王家の腐敗と頼長のキャラを
きっちり描いていてよかった。
由良御前のツンデレ(わざわざ義朝に会いにくるなんて積極的だな!)、
家盛の悲恋も印象的だったけど、
なりよりこの回、崇徳天皇の「重い男」っぷりが怖い!!
重陽の宴で鳥羽院に求められ、義清が和歌を献上したと聞くと
「許さぬ!!」
「信じられるのはそなただけじゃ」
「そばにおってくれ」
と義清の手をとって言い募る。
義清は北面の武士だけど、昇殿は望めない身分だったはず。
そこにいたるエピソードがなかったから、
いきなり見初めて、めっちゃ重い愛を
注いでいるようにしか見えない。
義清もドン引きしてるよね、これ……。

帝の愛に応えるようなこと言ってるけど、
義清お前、この後やったこと、
・帝の母と不倫する
・帝を放って出家する
だろ、知ってるぞ!!

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈7〉

2021-05-08 13:00:20 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

ラブコメ回。
おもしろかったところもあるのだけど、
正直なところ、一話まるまる使うほどの
エピソードではなかったのでは?
最初の嫁と次の嫁、ふたり同時に
エピソードを消化してると考えれば仕方ないか……。

清盛が従四位下、明子の父・高階基章が六位のため
しきりに「身分違い」を強調しているのだけど、
清盛が汚すぎて、高章パパのほうが高位に見えちゃう。

清盛が明子を妻にと望み、忠盛がそれを受け入れたことで
宗子ママにわだかまりが。
平家のためにと家成が宗子のところへ持ってきた縁談が
無駄になっちゃう、というのもあるけど、
そうか、
・妻にしたいと望んだ女=舞子
・成りあがるために妻として迎えた女=自分
であって、忠盛が自分のかなわなかった恋の成就を
清盛の結婚に重ねたって、解釈してるのね……。
家成も気遣ってたが、宗子ママは損な役回りだよ。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈6〉

2021-05-08 12:46:12 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

初回放送時、この回はつまらないと思って流し見してた
記憶があるんだけど、あらためて見ると胸熱じゃないか。

藤原南家に生まれ、高階家へ養子に入ったために
学者として大成できなくなった信西の生い立ち、
中国語が話せる能力の高さ、
いまの体制に道を閉ざされていて
それを打開したいと願う、清盛との目的の共有という
仕込みがされていた。

兄思いで、なんだかんだ言って清盛を助けに行く
忠正おじさんにはやはりキュン。

「おれは海賊王になる!」
とワンピースして物議を醸していた回だが、
因縁の相手・兎丸と衝突しながらも仲間になっていく、
少年誌的なベタなノリも、
後々にふたりがたどる運命を知ったうえで見ると
泣いちゃう。

時子がラストにちらりと初登場。
深キョンは本当に可愛いな~。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈5〉

2021-05-08 00:24:16 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

崇徳天皇(大人Ver)と美福門院、初登場。

初回時には何とも思わなかったが、
義朝&猫、義清&猫のサービスショット、
よいですな。
義朝と清盛の喧嘩友達っぷりも、
この後の演出を知っていて見ると、胸が苦しい。

鳥羽院の心をえぐり続ける璋子は、
いつの間にやら会ったばかりの得子から
巨大感情を引きだしてしまった様子。
得子、いま見ると鳥羽院に襲われるまでは
物憂げな美人として演出されてたんだな。

陣定のシーン、信西の鼻つまみ者っぷりを
うまく描いてた。
京から安芸までは結構な距離で、
数日で着けるものじゃないと思うんだけど、
荷物に隠れていて体力を消耗しなかったとはいえ、
水とかどうしてたんだろ。

すでに清盛という子のいる忠盛へ嫁いだ理由を
宗子ママに訊いた家盛、
聞き分けのよいいい子の笑顔の下に
着々と鬱屈をためていってる……。

 そして忠正おじさん、初回でも思ったが、
その思い、清盛にぶつけたってしょうがないじゃん!!

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈4〉

2021-05-06 11:19:58 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

あいかわらずの鳥羽院&璋子 による昼ドラ劇場、
忠盛&為義の、父親として棟梁としての戦い、
父親の思いを知って心打たれる息子たち。

ダメダメな為義の、
「わしが義朝にしてやれることはこれしかないのだ」
に、キュン。
いや、それやったらますますダメだろ、と思うんだけど、
わずかな可能性にでもすがろうとするあがきに
胸を打たれてしまうのであった。

忠通初登場。
「忠盛なんか認めねえ!」と口にする忠通に対し、
人を使って集団で嫌がらせする忠実の陰湿さ。
忠盛の昇殿を祝う宴なのに、ひどい。
忠実って院近臣の家成に
めっちゃ気つかってるイメージがあったんだけど、
家成主催の宴でこんなことしちゃうのね……。
忠実&忠通はともかくとして、集団で嫌がらせした貴族たち、
出世した清盛によく報復されなかったな……。

義清と璋子に関しては、このあたりからちゃんと
仕込みがされているのがわかる。
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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈3〉

2021-05-02 12:09:54 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

清盛との関係を修復しようと心を砕く
宗子ママを見ていると胸が痛い。
「そなたと家盛には、同じだけのことをしてきた」
という彼女に、清盛は反発せず、
「ありがとう存じます。母親のお優しいお心遣い、
私の分まで家盛に与えてやってくれればと」
と礼儀は尽くすものの、
もう決して打ち解けられないのだと感じさせる対応。
清盛嫌いの忠正おじさん、
「義姉上の立場でものを考えたことがおありか?」
と忠盛に詰め寄るんだけど、そう言いたくもなるよな~。
宗子ママは家盛にも
「嫡男は清盛。それを忘れないように」
と念押ししていて、すっごく理性的。
普段そういう人であるがゆえに、
思わず出てしまった我が子と清盛を区別する本心が
目だってしまったのだと思うと、やりきれない。

いくら反抗しても結局自分は平氏一門に守られていて、
自分ひとりで生きているつもりでも
一門の庇護なくしては生きてはいけない、と
思い知らされ、義朝の前で泣く清盛。
たいして親しくもないのに、
いきなり義朝に弱み見せてメソメソすんなや……と
初見のときは思ってたんだけど、
並び立つ武門(待遇に結構差はついてるが……)の
嫡男同士、互いにシンパシーはあったのかもな。

西行初登場。
人の心のわからない璋子のインパクトすごい。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈2〉

2021-05-01 00:30:29 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

反抗期まっさかり、
「誰彼構わず鬱屈ぶつけます!」
と言わんばかりのギザギザハート・清盛。
このあたり、初見のときは退屈に感じていた気がする。
顔も身なりもめっちゃ汚い清盛、
舞のときにはすごいきれいになっててお坊ちゃんらしかった。

家成・信西・義朝が初登場。
家成、このドラマでは「平家の味方のいい人」という
イメージだったんだけど、
清盛の加冠役として初登場したときには、
結構黒いところを見せていた。
そうだよね~。
いい人だったら院の寵臣にはなれないよね~。

璋子の密通を知って打ちのめされつつも、
璋子のところへ来てしまう鳥羽院。
男と女の業よ……!
鳥羽院の顔面の張り詰めっぷり、
見てるだけで不安になっちゃう。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈1〉

2021-04-29 21:12:07 | NHK大河「平清盛」レビュー
ちょっと確認しなければならないことがあって
DVDにて再視聴。

あらすじと初見のときの感想はこっち

めちゃくちゃ情報量の多い第1話。
二周目だとよりはっきりわかるが、

・汚れ仕事を担い、蔑まれる武士
・源氏とのライバル関係
・平太の出生の秘密
・平次の怪我をきっかけに発生した、宗子と平太の確執の芽
・忠盛に父を殺された兎丸と平太の因縁
・璋子と白河院の密通を知って打ちひしがれる鳥羽天皇

と、これから展開していくであろう要素が
ぎっしり詰め込まれている。

序盤の忠盛は、武士を蔑む摂関家や院に反発し、
それに異をとなえない父・正盛に
歯がゆさを感じているのだけども、
これはこれから清盛が経験していくことでもある。
まだまだ青臭い忠盛の舞子との関係が切ない。
心を通わせたものの、結局自分のものにならなかったがゆえに
舞子は忠盛にとって「永遠の女」なのね……。

正盛の出番は少なかったけれども、
死んだ舞子について
「平家を滅ぼしかねなかった、
 それをあの女が一人で抱えていった」
と言ったところで、ああ、この父も耐えているのだと
感じさせる妙。

歳のせいか、初見よりもずっと
宗子ママに感情移入して見てしまう。
おそらくとっても理性的な、優しいいい人で、
それまで平太を自分の子と分け隔てないように育てようと努め、
実際に愛も注いでいたのだけれども、
咄嗟の振る舞いで「自分は弟ほど愛されていない」と
平太に気づかせてしまう。
謝罪しても、決して拭い去れない不信感を抱かせてしまう。
実の親だって子どもの心に一生残るような傷をつける振る舞いを
するだろうに、
そこに「実の子ではない」という条件が加わっただけで、
もう取り返しのつかない齟齬になってしまう。
この齟齬がまた、宗子ママの「頼朝を殺さないでやって!」に
結果的に大きな意味を持たせてしまうのが苦しいんだよ~!!

このドラマ、「画面が汚い」って言われてたけど、
忠盛はじめ武士たちの格好はさすがに汚すぎると思った。
院御所に出入りしてるんだから、
さすがにもっと身ぎれいにしてたんじゃないだろうか。

そして、平太役の少年、松山ケンイチに顔がそっくりで
NHKの子役発掘力にあらためて驚くわ~!

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NHK大河「平清盛」レビュー50

2012-12-23 20:57:22 | NHK大河「平清盛」レビュー
ああ、ついに終わってしまった……
見終わった直後はなんだか魂が抜けたようになってしまった。
視聴率のことしか言われない不遇なドラマだったけど、
こんなに毎週楽しみだった大河は久しぶりだよ!

さて、最終回の今日はやはり「ザ・ダイジェスト!」。
割と最初のほうで清盛が死んでしまい、
平家滅亡までの過程と一門の人間のその後紹介
→頼朝と義経の軋轢、義経の死
→鎌倉幕府滅亡と室町時代の交易再開
で、ばたばたっと終わった感はあるけれど、
先週のラストで清盛が幽体離脱してから
オカルト&ファンタジーなトンデモ展開になるのではないかと
心配していたので、それが外れてひと安心。

いつでもどこでもあらわれる西行が憑巫(よりまし)の能力まで身に着け、
仕事しまくりだったな。
清盛@西行による、一門への遺言タイムは途中から
「長いよ……」
と思っていたのだが、最後の
「時子、そなたがわしの紫の上じゃ」
でうるっときてしまった。
時子、よかったね! という意味で。
明子のことは好きで好きでしょうがないって感じだった清盛が、
時子に関してはそんなでもなく
(「もうお前でよい!」からのスタートだしな)、
報われない感じがしていたから。
最期の時子は美しく、深キョンの良さを再確認。
最初は深キョンが時子って合わないんじゃないかと思ってたけど、
源氏物語オタクで乙女チック、天真爛漫でおおらかなキャラクターには
ぴったりだったな。

ラストの平家一門のサービスカットに胸が締め付けられた。
あのイジケ虫で中二病、「俺は海賊王になるぞー!!」とか言ってた清盛が
あそこまで高い地位に上って、一門を引き上げたのだと思うと
言葉通り「一生を駆け抜けた」って感じがするよね。
キャラも立ち、ドラマもあり、本当におもしろかった!
ちなみに、DVD-BOXは結局買ってしまいました。

【その他いろいろ】

・西行の「銀の猫」の話、政子がちょろっと口にしただけで
 必然性がなかったような?
 エピソードを知らない人にはあれじゃなんのことやら
 さっぱりだと思うのだが……

・小兎丸はいったい何歳まで生きたんだ。

・キャラ立ちしてなかった知盛の最後の見せ場。
 重衡のへらっとした笑顔は健在。
 宗盛は哀れなほど扱いが軽い。
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NHK大河「平清盛」レビュー49

2012-12-16 20:20:57 | NHK大河「平清盛」レビュー
まさかの堀河再登場。

西行の「生きておられたのですか!?」に笑ってもうた。
若かりし頃、恋愛関係にあった男女の再会……
アダルトな世界に突入! かと思ったが、
堀河が完全にもののけだったので全然ムード出ない
不老不死のアイドル・乙前も、
昼ドラばりの愛憎ドラマを繰り広げた得子&たまこさまも、
この堀河のもののけぶりの前では完全に負け!

最終回を前にして、今日の清盛は回想祭り。
死の間際に徳子を気遣う高倉院と徳子の美しい夫婦愛、
「上皇様だけが私の光の君にございます」には
ちょっと胸をつかれちゃったけど、
回想が多すぎて今日はなんだか気持ちがさめちゃった。
清盛が成し遂げようとして挫折したことを
頼朝が実現しており、平家が転落しつつある中で、
「でももう武士は王家の犬じゃないもんね!」
と「負けて勝つ」的な方向で話をおさめたいのはわかったが、
もっと盛り上がりが欲しかった!

最後は幽体離脱した清盛がなぜか西行のもとへ。
来週はいよいよ最終回。
ついに終わってしまうのかと思うと淋しい


【その他いろいろ】

・エア射殺ごっこがお気に入りの頼朝。まだやってる。

・ゴッシーはほんとに清盛が好きだな。
 なにあの、去っていく清盛を見つめる目!

・時子はやはり、いくつになっても可愛い奥さんだよ。
 
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