金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

おおたうに 『うにっき―about my happy days when I come 30』

2006-05-14 23:24:51 | 06 本の感想
本の感想100:おおたうに『うにっき―about my happy days when I come 30』
(幻冬舎)
★★★☆☆

イラストレーターおおたうにさんのサイト日記vol.5。
「高くなったな……」と思いつつ結局購入。
今回から縦書きになったのにはすぐに慣れたのだけれど、
うーん……なんだろう……読んでいるこっちも慣れてしまったのか?
全巻まであった「読んで楽しい」感じがなくなってしまった。
イラストの量も減って、なんとなく雑になったように見えるのは気のせい?
やっぱり仕事量が増えると、相応の影響が出てくるものなのでしょうか……。
『チェリーコーク』のシリーズは、カラフルで仕事の細かい感じがして、
何度も読むくらい好きだったのだけど。

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北杜夫 『どくとるマンボウ航海記』

2006-05-13 23:25:50 | 06 本の感想
本の感想99:北杜夫『どくとるマンボウ航海記』(新潮文庫)
★★★★☆

初・北杜夫。
部分的に読んだ作品は多いのだけど、一冊すべて読んだのは初めて。
船で世界をまわった体験をユーモアと脚色を交えながら描いた旅行記。
堅いイメージがあったのだけど、どこまで本当なんだかわからない
コミカルなエピソードの積み重ねに、思わず笑ってしまう。
当時の外国の情勢や風俗、人々の考え方もうかがい知ることができて興味深い。
個人的には熱帯の蝶々の話にハートをわしづかみにされました。
(蝶々好きで、図鑑も持っているのです。特にビジュアル博物館のやつが好き)
のめりこんで一気読みするような話ではないけれど、
短い移動時間にちょこちょこと読み進めて楽しめました。
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平岩弓枝 『小判商人―御宿かわせみ』

2006-05-12 23:27:08 | 06 本の感想
本の感想98:平岩弓枝『小判商人―御宿かわせみ』(文藝春秋)
★★★★☆

久々のかわせみシリーズ。
「メキシコ銀貨」(『初春弁才船』所収)で出てきた小判商人の話題が
ちらほらと出てきて、表題作「小判商人」でついに対決。
今回も花世ちゃんの出番がなくてさびしいですが、
千春に優しい麻太郎と源太郎にときめきます。
別れて暮らしていた母子の情愛を描く「初卯まいりの日」では
思わずほろり。
レギュラーメンバーはそれぞれに安定した生活を送り、
すっかり落ち着いた大人になってしまっているので、
やや物足りない気も。
前に世代交代の話があったけれど、
やむなしというところかなあ……。

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小川光三 『奈良<世界遺産>散歩』

2006-05-10 23:29:18 | 06 本の感想
本の感想97:小川光三『奈良<世界遺産>散歩』(新潮社)
★★☆☆☆

「修学旅行のしおり」を作るには、いい資料になるんじゃないでしょうか。
世界遺産の史跡や寺社の歴史が説明してあります。
好きな写真は何枚かあったけれど、「世界遺産を見る」ことに主眼を置いた
一冊だったので、個人的にはあまり興味を惹かれなかった。

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上野誠 『万葉体感紀行―飛鳥・藤原・平城の三都物語』

2006-05-10 23:28:11 | 06 本の感想
本の感想96:上野誠『万葉体感紀行―飛鳥・藤原・平城の三都物語』(小学館)
★★★★★

おもしろかったですぞ!
万葉集の歌から、万葉時代の史跡や生活について解説したもの。
三都の歴史的な位置づけや研究成果をきちんと織り込みつつ、
「現代だったら……」というわかりやすい例をあげて書かれているので、
堅苦しさもなく読みやすい。
使われている史料や、美しい風景写真もよい。
和歌のちょっとはじけた口語訳もおかしくて◎。
興味を持たせる書き方、わかりやすい説明の仕方について
ちょっと考えさせられました。

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浜野卓也 『15歳の肖像画』

2006-05-09 23:32:04 | 06 本の感想
本の感想95:浜野卓也『15歳の肖像画』(ポプラ社)
★★☆☆☆

全体から立ちのぼる古臭さに、「昔の本だから仕方ない」と思っていたら、
刊行は2003年だった……
他者との関係をテーマに十五歳の少女の日常を描いたお話なのだけれど、
女子中学生の一人称という形式に相当な無理を感じる。
消化しきれないエピソードが散在していて、散漫な印象も。
ひとつひとつのエピソードが表面的な部分にとどまっているので、
よけいにそう感じるのかもしれない。
美香のキャラクターや傘を交換するエピソードは好きだったのだけど、
うまく機能していない感じで残念。
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重松清 『トワイライト』

2006-05-08 23:33:33 | 06 本の感想
本の感想94:重松清『トワイライト』(文藝春秋)
★★★★☆

わたしの中では、重松清といえば「大人の悲しさ」を描く作家。
『エイジ』も大好きなんだけど、小中学生よりも大人のやるせなさを描いた小説に
パワーを感じる。
リストラやDV等、エッセンスとしてはもはや定型なのかもしれないけれど、
エピソードの使い方がうまくてあっという間に読了。
大阪万博があったころ、わたしはまだ生まれていないし、
どちらかといえば主人公たちを傷つける「若い人」なんだろうけれど、
ノスタルジーや「現在」のむなしさは想像できる気がした。
希望は残り、前向きなラストを迎えるけれども、
生きていくこと、生活することの悲哀が胸に残る。

「淳子の勤め先って、うちの会社がモデル?」とちょっとドキドキしました。

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梨木香歩 『ぐるりのこと』

2006-05-07 23:34:36 | 06 本の感想
本の感想93:梨木香歩『ぐるりのこと』(新潮社)
★★★☆☆

「考える人」連載のエッセイ。
小説の作品にも思想は感じられるのだけれど、
叙情的・感覚的な文章のイメージが強かったので、論説的な内容に少し驚く。
宗教、民族、文化等、旅先で触れた出来事や日常のニュースをきっかけに
身の回りの問題についての思考が綴られる。
内容は堅いので、かなり読む人を選ぶかも?
片手間にページをめくるのではなく、どっかり腰をすえて読む本だと思う。
筆者の思考をたどる形になるので、やや疲れました。
「ラスト・サムライ」→西郷隆盛→全体主義の話はおもしろかった。

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オルコット 『続・若草物語』

2006-05-06 23:36:13 | 06 本の感想
本の感想92:オルコット『続・若草物語』(講談社青い鳥文庫)
★★★★★

『若草物語』の続編。
べスの死という一大事があるのだけれど、これについては薄情なくらいあっさり。
全体的にベスの存在感は薄い。
前作で家庭に入ったメグについては「結婚ってゴールじゃないのよね」的
エピソードの積みかさねに終始しているため、
中心はエミーとジョーの恋と結婚ということになるのでしょうか。
失恋のため無気力になったローリーをエミーがしかりつけ、
ロマンスが芽生えるところにもだえました。
前作ではあまり好きじゃなかったエミーだけど、美しく成長し、
リアリストぶりを発揮しているところに好感が持てる。
ジョーは……なぜか昔からまったく興味が持てない。
個人的に女の子らしい女の子が好きだからだろうか。


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草野たき 『猫の名前』

2006-05-05 23:39:35 | 06 本の感想
本の感想91:草野たき『猫の名前』(講談社)
★★★☆☆

「自分らしさ」の崩壊と、女の子どうしの友達関係が、
この作者が一貫して描いているテーマだと思う。
春名との後半のやりとりや、絵理をまじえた「三人組」になっていくところは
やっぱり雰囲気がよくて、読後、ふわっと胸にやさしい気持ちが浮かぶ。
ただ、今回は紗枝子さんがどうしようもなく怖くて、好きになれなくて、
ラストの感動が半減してしまった感じ。
それにしても絵理は、なぜあの暴言について謝らないのだ!
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