金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

52:辻村深月 『凍りのくじら』

2006-02-28 13:08:25 | 06 本の感想
辻村深月『凍りのくじら』(講談社ノベルス)
★★★★★

これも籐子ちゃんライブラリーから拝借。

あわわわ。

前半、読みながら冷や汗。
若尾との関係性が……身に覚えありすぎ!
若尾の言動パターンといい、主人公の彼に対する分析・評価といい、
かつての自分の状況とそっくりでぞっとしたよ!!
物語としては、
「同じ名前だ! とか、最初に感想持つだろう」
といまいち釈然としないところもあったけれど、
ストレートなところにがつんとやられてラストはうるうる来ちゃいました。
藤子先生のやさしい世界観と、「すこし・ふしぎ」な展開が
きちんと反映されてるのもよかったな
個人的なときめきポイントはなかったのだけど、十分におもしろいお話でした!

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51:宮城谷昌光 『孟嘗君〈2〉』

2006-02-26 13:09:37 | 06 本の感想
宮城谷昌光『孟嘗君〈2〉』(講談社文庫)
★★★★★

師となる人を探して奔走し、孫子をめぐる陰謀を探り、
結婚したり改名したりと忙しい風洪です。
あいかわらずかっこいいですな!
結ばれなかった女性たちもそれぞれに恋をして、
それなりの幸福をつかんでいるところがよい。
しかし、翡媛が出てくるたびに感じるこの苛立たしさはいったい……。
ヤキモチ??
すでに登場人物の大半を区別できなくなっていて、
「鄭両ってだれだっけ?」「ホウケンってだれ??」
と何度つまづいたかわからない。
登場人物一覧表が必要です。
(『太公望』の単行本にはついてたのだけど……文庫にはないのか)

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50:小谷野敦 『もてない男―恋愛論を超えて』

2006-02-24 13:11:11 | 06 本の感想
小谷野敦『もてない男―恋愛論を超えて』(ちくま新書)
★★★★☆

「もてない男」の視点から恋愛、セクシュアリティーの問題に切り込んだ一冊。
前半は結構なまなましい話で、自意識の強い人だと嫌悪するかもしれませんが、
文学作品や漫画等の身近な例を挙げて、わかりやすく書かれていておもしろい。
筆者があとがきで「『私』の出てこない文章というのが嫌で」と書いているように
頻繁に筆者の経験談と感想の入るエッセイ的な内容。
新書にありがちな堅苦しさはありません。
ブックガイドのページに、
「佐伯はどちらかというとモテそうな顔だが、作品はいい」
と書いてあるのに笑った。

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49:竹内均 『頭にやさしい雑学読本〈10〉森羅万象あれやこれやの話』

2006-02-23 13:12:40 | 06 本の感想
竹内均『頭にやさしい雑学読本〈10〉森羅万象あれやこれやの話』
(同文書院)
★★☆☆☆

本がどうこうというより、わたしの選択ミス。
自然現象や動植物についての「トリビア」本なのだけど、
すでに知っていること、あるいはまったく興味を惹かれないことが大半。
「へえ~」と思えたのは200ページのうち1ページだけでした。無念。

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48:宮城谷昌光 『孟嘗君〈1〉』

2006-02-21 13:14:42 | 06 本の感想
宮城谷昌光『孟嘗君〈1〉』(講談社文庫)
★★★★★

な、なんてかっこいいのだ……!!

主人公の孟嘗君はいまだ赤ん坊で、いるんだかいないんだか。
養父風洪が主役の一巻なのですが、彼のかっこよさにめろめろ
太公望もよかったけど、こちらの男ぶりの方にしびれます。
学者の公孫鞅との対比もおもしろいですね。
あとは、女性が「お人形さん」じゃないのがよかった。
宮城谷作品では、なぜか主人公と結ばれる女性を好きになれない傾向があって、
今回もそれはあいかわらずなのだけど(作者と好みが合わないのだろうか……)、
風麗やビン林(字が出ない!)のキャラクターは生き生きしてて良いと思いました。
全五巻ですが、おもしろいのでどんどん読めそうな予感。

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43~45:辻村深月 『冷たい校舎の時は止まる (上)・(中)・(下)』

2006-02-20 14:41:12 | 06 本の感想
辻村深月『冷たい校舎の時は止まる (上)・(中)・(下)』(講談社ノベルス)
★★★★☆

辻村さんのデビュー作。
昨晩、「もう遅いし一冊だけ……」と読み始めたのだけど、
結局三冊全部読んでしまった。節書宣言? 無意味!!
ミステリー要素をふくみつつも、ファンタジーやオカルトも内包。
不思議要素があまり得意じゃないので、釈然としないところも多いのだけど、
一気読みするくらいおもしろかった!
登場人物が多くて充や昭彦の存在感が薄くなってしまっていたり、
ヒロインのキャラクターが弱くて感情移入できなかったりするのだけど、
先に読んだ『子どもたちは夜と遊ぶ』では
その点がきちんと克服されているのがわかる。
『凍りのくじら』が楽しみです。
まだ2シリーズしか読めていないけれど、
辻村さんの好きなタイプのキャラクターとか図式がわかった気がする。

個人的には景子と裕二にはげしくときめきました。ロマンス万歳!
そして林警部(@森博嗣『赤緑黒白』)再び、なオチにぎゃふん。

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42:大橋鎮子 『すてきなあなたに』

2006-02-17 14:37:19 | 06 本の感想
大橋鎮子『すてきなあなたに』(暮しの手帖社)
★★★★★

ぱらぱらめくったところに「森鴎外の西洋料理」という見出しがあったというだけで、
どんな本かも知らずに借りました。
『暮しの手帖』に連載されていたエッセイを集めたもの。
生活のちょっとした知恵や心温まるできごとの話、
美に対するちょっとした考察みたいなものが美しく上品な言葉で綴られていて、
少しずつ大事に大事に読んでいきました。
いま出ているものは新装版なのかな?
わたしが借りてきたものは第九刷で昭和五十一年発行。
わたしの生まれる前ですよ。
精神的・物質的な、ささやかな美しさがつまった一冊。
こういう品のよさって、今ではあまりお目にかかれないような気がする。
全部で四冊出ているようなので、二巻以降を探してみます。

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41:乃南アサ 『トゥインクル・ボーイ』

2006-02-16 14:36:10 | 06 本の感想
乃南アサ『トゥインクル・ボーイ』(新潮文庫)
★★★★☆

残酷さ、悪意、小賢しさ等々、大人の縮図としての子どもを描いた短編集。
日ごろ子どもと接しているせいか、描かれている細部のリアリティが胸に迫る。
どの話もぞっとします。
登場する子どものキャラクターよりも、作者の世界を見る目が怖い……!
決して好みじゃないのだけど、読後のインパクトも強烈だし、
読んでいる最中、引き込まれてどんどんページをめくってしまったので★4つ。
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41:川上健一 『雨鱒の川』

2006-02-15 14:34:48 | 06 本の感想
川上健一『雨鱒の川』(集英社文庫)
★★★★☆

『翼はいつまでも』がよかったので買ってみた。
映画化もされていたようですね。
田舎の純朴な男女を主人公にした、ストレートな初恋の物語。
『翼はいつまでも』のようなテンポのよさはなく、
特に前半の描写は退屈に感じてしまった。
しかも主人公の社会不適応者ぶりといったら。
あんたたちこれからどうすんべ?と心配になりましたが、
物語の流れは美しくて、読んだあとできれいな余韻が残った。
幼なじみの英蔵が泣かせる……!
ジャイアンのごとく登場したものの、子どものころから小百合が大好きで、
一貫して小百合をかばってるの。
最後はやっぱり脇役の宿命か……と言う感じで、
小百合に恋心を利用されてしまった感もあるのだけど、
ラストの彼の選択にはほろりと来てしまいました。

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40:恩田陸 『ユージニア』

2006-02-14 14:33:23 | 06 本の感想
恩田陸『ユージニア』(角川書店)
★★★★★

数十年前に北陸の名家で起こった大量毒殺事件。
事件の関係者と渦中にいた少女について、人々が語る形式で物語は進む。
複数の視点からひとつの事件を描いていく手法は『Q&A』と同じ。
ああ、こういうことだったのね……と読み終わってから前の部分を読み返して納得。
ミステリーというよりは、地方都市の空気やノスタルジー等の雰囲気を
楽しむためのお話という感じ。
ちりばめられた知識も見所のひとつ。
それにしても恩田さんは、「聡明で美しく、残酷な少女」というキャラクターが
好きですね。

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