金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

178:橋本治 『勉強ができなくても恥ずかしくない〈1〉どうしよう…の巻』

2010-10-30 21:49:12 | 10 本の感想
橋本治『勉強ができなくても恥ずかしくない〈1〉どうしよう…の巻』(ちくまプリマー新書)
★★★☆☆

小学校に上がってから、
学校になじめず、友だちもできない。
勉強でもお母さんの思うような結果が出せず、
しかられてばかりのケンタくん。
そんな彼も、自分にできることを見つけだし、
徐々に変わっていく。

全三巻。
やさしい言葉を使って書かれているし、
内容としても抽象度が低いので
小学校中学年の子から読めそう。
お母さんが「ダメな教育ママ」そのもので、
なにやら怨念のようなものを感じるのだけど、
いつかお母さんも変わっていくのかしらね。
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映画:『吉原炎上』

2010-10-30 11:31:58 | 10 本の感想
映画:『吉原炎上 [DVD]
★★★☆☆

父の借金の返済のために吉原に売られてきた主人公が、
花魁道中を復活させ、吉原を去るまでの四年間を追いながら、
周囲にいる吉原の女郎たちの姿を描いたドラマ。
主演は名取裕子。

名取裕子演じる主人公は表情が乏しすぎるうえ、華がない。
とんとん拍子に出世していったのも本人の力量だとは思えないし、
まわりにいる女たちに比べて、心情が読み取りにくく、
感情移入できない。
いきなり「本当に惚れてたのは……」とか
言われてもさあ~って感じ。
先輩花魁たちや、かたせ梨乃の演じる女郎のほうが
よっぽど感情移入させる。

話が話だけに、裸がいっぱい出てくるんだけど、
撮り方のせいだろうか、おどろくほどエロスが感じられない
コメント (2)
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映画:『九月に降る風』

2010-10-24 18:29:41 | 映画の感想
映画:『九月に降る風 [DVD]
★★★★★

騒動を起こしては教官室に呼び出される高校生の
不良グループ7人。
3年生のタンは、そのグループに属しながらも、
生真面目で内向的。
グループのリーダー的存在であるイェンは、タンの親友だが、
ハンサムで人気者の彼は彼女がいるにもかかわらず
ナンパにいそしむ。
イェンの彼女・ユンと親しく、彼女に思いを寄せているタンは
複雑な思いを抱いていたが、ある夜、ビリヤード場で
イェンと間違えられ、イェンがナンパした女の子の恋人から
ガラス瓶で頭を殴られることになった。
それをきっかけにして、タンはグループから距離を置き始める。
その後、仲直りをしたものの、思いがけない悲劇に襲われる。

**********************************

台湾の映画。
売れ筋ではない良作を紹介してくれる某雑誌の映画コーナーに
挙げられていたもの。
アジアの映画はわたしの好みにはあまり合わないなあ……と
いう印象だったので、これも期待していなかったのだけど、
よかった!すごく好き!!
1996年が舞台なんだけど、ポケベル全盛期で、
あちらこちらに日本のアニメ関連のグッズが見えるし、
日本とあまり変わりない雰囲気。
主人公はイケメンではないし、どっちかというと
垢抜けない雰囲気もあるんだけど、かわいいの。
友達の彼女が好きって、なんという
ときめきシチュエーションなんだろうか。
(メイキングに登場した主人公役の俳優の子もキュート!)

グループ7人のキャラクターも立っていて、
外国映画にしてはめずらしく「え、これ、誰?」というのが
一回もありませんでした。
7人の間でも、特に仲が良かったり悪かったりという
微妙な人間関係がきちんと描かれていて、
前半の「青春、友情!」って感じのシーンが
キラキラしているだけに、後半の崩壊に向かっていく過程が
切なくてね……

委員長の女の子のキャラクターも可愛かったなあ。
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177:椰月美智子『市立第二中学校2年C組』

2010-10-22 12:24:52 | 10 本の感想
椰月美智子『市立第二中学校2年C組』(講談社)
★★★☆☆

先輩に借りたもの。
クラスメイトそれぞれの視点から描かれる中2の一日。
読み進めるごとに人間関係や事情がわかってくるという構成は
豊島ミホ『初恋素描帳』に似ているんだけど、
『初恋素描帳』のほうが一つ一つが物語として完結していたし、
キャクターも立っていたなあ。
これは、一編一編が短すぎて、話として成り立っていないものもあったし、
特に男子のほうは誰が誰だか……という個性の薄さで物足りない。
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176:川西蘭 『セカンドウィンド〈2〉』

2010-10-22 12:05:34 | 10 本の感想
川西蘭『セカンドウィンド〈2〉
★★★★☆

岳とともに名門・南雲学院自転車部に入り、
寮生活を送ることになった洋。
しかし、闘争心を奮い立たせることができなくなり、
練習にも身が入らず、調子を落とす。
チームの主力から外され、岳とも険悪になり、
新しいルームメイトとの関係にも煩わされることになる。

************************************

先週読んでから、ずっと放置していた
新キャラも投入されて、ますますおもしろくなってきた。
マンガかよ!って感じのお嬢様キャラには辟易したけど、
ルームメイトの後藤はいいね。
今泉はすっかりいい人になっちゃったなあ。

多恵が岳とメールしていることに動揺する洋。
いやいやいや、そうじゃないですよ、と思いながら、
洋がやきもきしているのを読んでにやにやする。
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175:川西蘭『セカンドウィンド』

2010-10-08 15:01:37 | 10 本の感想
川西蘭『セカンドウィンド〈1〉』(ピュアフル文庫)
★★★★☆

自転車を走らせることを好む中学三年生の溝口洋は、
ある日、峠道でロードバイクに乗る南雲電気自転車部の
ジュニアクラブに所属する少年たちと出会う。
優勝商品のロードバイクほしさに、洋は
孫が自転車に乗ることを好まない祖父に内緒で
大会に出場。
監督の黒岩に声をかけられ、
南雲のチーム練習に参加することになる。

************************************

これもよく模試や教材に使われているもの。
ロードレースを題材にした、正統派のスポーツ青春小説。
スピンオフ小説の一部を読んだときには、
よくある話だなあ……としか思わなかったのだけど、
本編のこれはおもしろかった。
まだまだ序章といった感のある1巻。
お約束ながら、幼馴染の女の子との関係にも期待大。


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映画:『カサブランカ』

2010-10-07 10:44:30 | 映画の感想
映画:『カサブランカ』(マイケル・カーティス)
★★★★☆

仏領モロッコの都カサブランカは、
ナチスから逃れてアメリカへ渡ろうとする亡命者たちにとって
一度は通過しなければならない寄港地。
あるとき、ドイツ側の役人が殺害され、
通行証を奪われるという事件が発生した。
犯人を追ってカサブランカにやってきたドイツ軍の将校は、
フランス側の警察署長ルノーとともに、
アメリカ人リックの経営するナイトクラブで犯人を逮捕した。
犯人から通行証を託されていたリックも目をつけられることになるが、
そんなとき、犯人から通行証を受け取る約束をしていた
抵抗運動の指導者・ラズロとその妻イルザが店にやってくる。
かつて愛していた相手との再会に、リックとイルザは驚く。

****************************************

カサブランカって地名だったのか!
てっきりユリの品種の名前だと思っていたのだけど、
ユリのほうが映画にちなんでつけられたのね。

なんだなんだ、女々しいなこいつ……と思っていた
リックですが、後半は「男だねえ!」といいたくなる男前。
ラブストーリーというよりはハードボイルド。
先の読めない展開に、楽しませてもらいました。
モノクロなのがいいのかも。
イングリット・バーグマンが美しい。
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174:モンゴメリ『赤毛のアン』

2010-10-06 18:58:35 | 10 本の感想
モンゴメリ『赤毛のアン―シリーズ・赤毛のアン〈1〉』(ポプラポケット文庫)
★★★★☆

アヴォンリーに住むマシュウとマリラの兄妹は
家の手伝いをしてくれる男の子を孤児院から
引き取ることにした。
マシュウは彼を迎えに行ったが、行き違いから、
彼らのもとに連れて来られたのは女の子だった。
空想好きでおしゃべりな少女・アンを気にいった
マシュウは、彼女を引き取ることを希望する。
反対していたマリラも折れ、兄妹はアンを引き取り、
三人は家族としていっしょに暮らすことになる。

************************************

訳は村岡花子。

乙女のバイブル「赤毛のアン」。
小学校のときに手に取ったものの、
退屈に感じて挫折していたのでした。
有名作品だし、いろいろなところで引用されていたり
題材になっていたりするから、
全体の流れやエピソードは知っていたのだけど。

「素敵!」「好き!」と思えたわけではないのだけれど、
少女の世界がまぶしくて、愛される理由がわかるなあ……と納得。
後半のマシュウ・マリラとのやり取りは泣かせる。
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173:イノウエミホコ 『男子☆弁当部 オレらの友情てんこもり弁当』

2010-10-04 20:45:20 | 10 本の感想
イノウエミホコ『男子☆弁当部 オレらの友情てんこもり弁当 (ポプラ物語館)』(ポプラ社)
★★★☆☆

母親と二人で暮らすソラは、
他人に無関心でクールな小学五年生。
栄養士の母の影響で、料理が得意。
にぎやかで足の速いユウタと、
女の子っぽい外見のタケルとは、
特に仲がいいわけでもなかったのに、
なぜか三人で「男子弁当部」を結成する羽目になる。

*******************************

先輩から借りたもの。
はやりに乗ってますな~という感じの題材なのだけど、
ストーリーとしては、タイプの違う三人が、
それぞれの家庭の事情を垣間見て
心を通じ合わせていくという、友情ものの王道。
淡い恋のエッセンスもあり。
主人公のキャラクターもかわいく、
楽しく読めました。
シリーズ化を念頭に置いているのだろうか?と
感じるところがあったのだけど、続きが出たら読みたいと
思える内容でした。
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172:花形みつる 『アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち』

2010-10-04 13:30:04 | 10 本の感想
花形みつる『アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち
★★★☆☆

実力派の三年生が卒業したあと、
美術部の部長になった中学2年生の節子。
補習の教室として校長に美術室を奪われ、
部室すらない状態で、
個性的な部員3人に手を焼く日々。
そんなある日、美術部をつぶそうとする校長が、
「部員が5人に満たない部は廃部」と言い出した。
新入部員を一人獲得して廃部はまぬがれるかと思いきや、
その新入部員がまた問題児で……

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この手のヤングアダルト小説に
すっかり免疫ができてしまったのだろうか、
心動かされることもなく、読み終わってしまった。
『Fragile』収録の短編のときには、
「YAでも『キャラ』って出尽くしたよな~」
という感じだったのだけど、
さつきはなかなかおもしろかったな。
個人的には芳子が好きなんだけど。
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