金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

2012年度版 年末のひとり遊び

2012-12-31 17:07:41 | 1年のまとめ
大晦日です。
さっきまで仕事だったので、年末の大掃除をしていません。
連日の早朝出勤で、掃除どころか、
部屋の中は台風が直撃したかのような荒れっぷりです。
あと何冊おそうじ本を読めば、
わたしは部屋を片付ける気になるのだろうか……
昨年引っ越してきたこの部屋、
今まで住んだ部屋の中でいちばん好きなのですが、
加湿器をたくと結露がものすごいのです。
窓ガラスや玄関のドアはもちろんのこと、
壁紙張ったふつうの壁にもコンセントまわりのプラスチックにも
水滴がびっしり!

では水たまりになった玄関からも
部屋の惨状からも目をそらしつつ、
わたし以外の誰の役にも立たない年末のシメを今年も!

*****************************************

【一般小説】

①荻原規子『RDG〈3〉』『RDG〈4〉
②重松清 『きよしこ
③デュ・モーリア『レベッカ
④村上龍 『五分後の世界

今年読んだ本は論説系が多くて、小説は少なめ。
『RDG』は最終巻を読んでまた評価が変わるのかもしれないけれど
個人的には3・4巻が最高におもしろかった。
早く最終巻が読みたい!
『図書館戦争』は読んでいるときはおもしろかったのだが……
おもしろいのと好みなのとは必ずしも一致しないのだと思う。

【随筆】

①石川直樹 『最後の冒険家
②藤沢モト 『勝負師の妻
③森本和子 『楽園をつくった男

『最後の冒険家』『楽園をつくった男』はノンフィクションなので
随筆とは違うのだけど、昨年ノンフィクションをここに入れていたので
今年も同様に。
確か、夏くらいまで「冒険家」と「芸術家の家族」が
個人的なブームだったのだ。

【新書・論説系】

①内田樹『街場のアメリカ論
②小松左京・瀬名秀明『サイエンス・イマジネーション
③マイケル・ブルックス『まだ科学で解けない13の謎

秋から「コンピューター」「科学」「感染症」が
個人的なブームだったのだが、もうだいぶん熱がおさまってきた。
『街場のアメリカ論』は本当に何の気なしに読んだのだが、
これは本当におもしろかった!

【映画】

①『真珠の耳飾りの少女
②『アレクサンドリア
③『アウトブレイク

月4本の本数固定レンタルをやめたので、映画は少なめ。
アニメはDVDで見た『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』と
DARKER THAN BLACK』がおもしろかった。

**********************************************

ご訪問&コメントくださったみなさま、
「清盛」関係でTBくださったみなさま、
今年もお世話になりました。
このブログは、今後も、他人様にはまったく役に立たない
わたし個人の覚え書きのみで構成されていく予定です。
「清盛」ほど愛せるかどうか謎ですが、
来年も大河は視聴するつもり。

来年もどうぞよろしくお願いいたします
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163:土屋賢二 『妻と罰』

2012-12-30 22:47:38 | 12 本の感想
土屋賢二『妻と罰』(文藝春秋)
★★★☆☆

「週刊文春」連載のエッセイをまとめたもの。
かなり前に『ソクラテスの口説き方』の感想を書いたときも
似たようなことを書いているが、
一冊の本として続けて読むときついね……。
思わず吹き出してしまうところもあったのだけど、
これは週刊で読むからその都度おもしろいのであって、
続けて読むと飽きてきてしまう。
気分転換にたまにちょこちょこっと読むといいのかも。


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162:茂木健一郎・田谷文彦 『脳とコンピュータはどう違うか』

2012-12-30 22:30:45 | 12 本の感想
茂木健一郎・田谷文彦『脳とコンピュータはどう違うか―究極のコンピュータは意識をもつか』(講談社ブルーバックス)

タイトル通り、脳とコンピューターの違いを論点として、
これまでにわかっている脳の仕組みとコンピューターの仕組みの違い、
行われた実験について述べられている。
コンピューターについての説明の部分では、
「これは説明しなくてもわかってるよね」といった感じで
意味の分からない言葉がどんどん出てくるので、
ド素人のわたしには、正直なところさっぱり理解できなかった。
しかし、
「コンピューターは脳の機能を請け負うものとして作られた」
という基本の基本な前提にはっとした。

求めていた内容とは全然ちがったので、これはわたしのセレクトミス。
好みかどうかという問題ではないので★はなし。


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161:矢野健太郎 『すばらしい数学者たち』

2012-12-30 22:20:25 | 12 本の感想
矢野健太郎『すばらしい数学者たち』(新潮文庫)
★★★☆☆

数学者たちの発見とそれにまつわるエピソード、
人物像を表す出来事を紹介したもの。
数式が出てきて難しいところも多いのだけど、
文章自体は平易なので小中学生でも読めそう。
取り上げている人物が多いので、
一人ひとりに割かれたページは少なめ。
人物像にまつわる、もう少しディープな話を期待してたので
そこはあてが外れたけど、公式だけを与えられる教科書とは違い、
どのようにしてそれが発見されたのかということを
ストーリーの形で教えてくれるので、
特に中高生が数学の知識を補強するためにいいかも。
堅苦しさのない文章なので、「勉強」という目的を離れても
楽しめそうだし。


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160:天野祐吉 『広告みたいな話』

2012-12-26 08:54:59 | 12 本の感想
天野祐吉『広告みたいな話』(新潮文庫)
★★★☆☆

仕事関係で読んだエッセイ。
この人、『広告批評』の人だったのか……。
『広告批評』という雑誌の存在は知っていたけれど、
著者についてはいくつかの断片的な文章を読んだことしかなく、
雑誌と結び付けて考えたことがなかったので驚いた。
単行本の初版が1987年ということで、もう現在の社会は
ここに書かれた社会の有様とはずいぶん変わってしまっている。
「今」を切り取った内容なので、
取り上げられた個々の事物については
「はあ、当時はこうだったのね」
という感想になってしまうのだが、
世相を反映したものとして取り上げられた事物が
すべてテレビの影響を受けて起こったことである、というのが
おもしろかった。
今はもうテレビではなくてネットの時代だけれど、
人々の物事の捉え方がメディアの在り方によって変化するというのは
現在にも通じることだものね。


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159:土屋賢二 『ツチヤ教授の哲学講義』

2012-12-25 14:29:39 | 12 本の感想
土屋賢二『ツチヤ教授の哲学講義』(岩波書店)
★★★★☆

忙しい時期に入って、本は読んでいるけれど
感想が追いつかない日々。

著者の本をわたしは1冊しか読んだことがなく、
「おもしろいエッセイを書く人」というイメージしか
なかったのだけど、これは哲学の講義をまとめたもので
冗談は前書きにちょこっとあるだけ。
まじめな語り口も決して退屈ではなく、
哲学というものの一端を初めて理解できた!
……ような気がする。

哲学というと「自分とは何か」「人生とは何か」という
答えの出ない崇高な問いを考え続ける学問だと
勝手に思い込んでいたのだけど、
具体的にどういう方法で人々がどんな考え方をしてきたのか、
ほとんど知らなかったので、驚きも多かった。
学生からの質問とそれに対する解答も盛り込まれているのだけど、
学生さんたち、賢いのね……。
わたしはきっとその場にいても話を理解するのに時間がかかり、
その場で疑問点など出せないと思うわ。
「われ思う、ゆえにわれあり」というデカルトの考えが
言語規則に基づいたものであり、それは事実や真理ではなく
「言語の規則はこうなっている」という主張にほかならない、
という説明にはなんだか呆然としてしまった。
物理法則や数学の定義なんかだと他人の考えの誤りを発見して
否定することはできるけれど、哲学の考えを否定することは
できないような気がしていたから。

本当に、世の中には賢い人がたくさんいて、
歴史の中にたまに出現するそういう人たちが
スプリングボードになって学問や社会は発展していくのだなあ……
と改めて思った。


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NHK大河「平清盛」レビュー50

2012-12-23 20:57:22 | NHK大河「平清盛」レビュー
ああ、ついに終わってしまった……
見終わった直後はなんだか魂が抜けたようになってしまった。
視聴率のことしか言われない不遇なドラマだったけど、
こんなに毎週楽しみだった大河は久しぶりだよ!

さて、最終回の今日はやはり「ザ・ダイジェスト!」。
割と最初のほうで清盛が死んでしまい、
平家滅亡までの過程と一門の人間のその後紹介
→頼朝と義経の軋轢、義経の死
→鎌倉幕府滅亡と室町時代の交易再開
で、ばたばたっと終わった感はあるけれど、
先週のラストで清盛が幽体離脱してから
オカルト&ファンタジーなトンデモ展開になるのではないかと
心配していたので、それが外れてひと安心。

いつでもどこでもあらわれる西行が憑巫(よりまし)の能力まで身に着け、
仕事しまくりだったな。
清盛@西行による、一門への遺言タイムは途中から
「長いよ……」
と思っていたのだが、最後の
「時子、そなたがわしの紫の上じゃ」
でうるっときてしまった。
時子、よかったね! という意味で。
明子のことは好きで好きでしょうがないって感じだった清盛が、
時子に関してはそんなでもなく
(「もうお前でよい!」からのスタートだしな)、
報われない感じがしていたから。
最期の時子は美しく、深キョンの良さを再確認。
最初は深キョンが時子って合わないんじゃないかと思ってたけど、
源氏物語オタクで乙女チック、天真爛漫でおおらかなキャラクターには
ぴったりだったな。

ラストの平家一門のサービスカットに胸が締め付けられた。
あのイジケ虫で中二病、「俺は海賊王になるぞー!!」とか言ってた清盛が
あそこまで高い地位に上って、一門を引き上げたのだと思うと
言葉通り「一生を駆け抜けた」って感じがするよね。
キャラも立ち、ドラマもあり、本当におもしろかった!
ちなみに、DVD-BOXは結局買ってしまいました。

【その他いろいろ】

・西行の「銀の猫」の話、政子がちょろっと口にしただけで
 必然性がなかったような?
 エピソードを知らない人にはあれじゃなんのことやら
 さっぱりだと思うのだが……

・小兎丸はいったい何歳まで生きたんだ。

・キャラ立ちしてなかった知盛の最後の見せ場。
 重衡のへらっとした笑顔は健在。
 宗盛は哀れなほど扱いが軽い。
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158:齋藤孝 『友だちいないと不安だ症候群につける薬』

2012-12-19 19:53:15 | 12 本の感想
齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』(角川文庫)
★★★★☆

仕事で読んだ本。
絶版なのが残念! 中学生に読ませたい、いい本なのに。

たくさん「友だち」がいることがいいことじゃない、
友だちとの適切な距離をとることができるのが
「友だち力」が高いということだ……というのを前提に、
友人関係が切実な問題となる中学生をメインの読者層に想定して
友だち関係やいじめについて語った本。
特に友人関係が重要だった学生時代、
「友だちがたくさんいる」ことを自慢にしているけれど
常にその関係を維持するために心をすり減らしたり
相手の言動について必要以上に深読みして悩んだりしている人って
確かにいたなあ……と思い出した。

友だちとは好きなものを挟んで三角の関係にある、
共通の好きなものがないとその人の人格そのものと
付き合わなければならない……というのに納得。
そして、女性はつきあった男性の世界を
自分のものとして取り入れられるけど、
男性はそうではないことが多い、というのも
身近な事例を思い出して、確かにそうだなと思った。

「力のあるテキスト」の話には、仕事柄はっとした。


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NHK大河「平清盛」レビュー49

2012-12-16 20:20:57 | NHK大河「平清盛」レビュー
まさかの堀河再登場。

西行の「生きておられたのですか!?」に笑ってもうた。
若かりし頃、恋愛関係にあった男女の再会……
アダルトな世界に突入! かと思ったが、
堀河が完全にもののけだったので全然ムード出ない
不老不死のアイドル・乙前も、
昼ドラばりの愛憎ドラマを繰り広げた得子&たまこさまも、
この堀河のもののけぶりの前では完全に負け!

最終回を前にして、今日の清盛は回想祭り。
死の間際に徳子を気遣う高倉院と徳子の美しい夫婦愛、
「上皇様だけが私の光の君にございます」には
ちょっと胸をつかれちゃったけど、
回想が多すぎて今日はなんだか気持ちがさめちゃった。
清盛が成し遂げようとして挫折したことを
頼朝が実現しており、平家が転落しつつある中で、
「でももう武士は王家の犬じゃないもんね!」
と「負けて勝つ」的な方向で話をおさめたいのはわかったが、
もっと盛り上がりが欲しかった!

最後は幽体離脱した清盛がなぜか西行のもとへ。
来週はいよいよ最終回。
ついに終わってしまうのかと思うと淋しい


【その他いろいろ】

・エア射殺ごっこがお気に入りの頼朝。まだやってる。

・ゴッシーはほんとに清盛が好きだな。
 なにあの、去っていく清盛を見つめる目!

・時子はやはり、いくつになっても可愛い奥さんだよ。
 
コメント (2)
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157:中島義道 『ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白』

2012-12-12 10:17:46 | 12 本の感想
中島義道『ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白』(角川文庫)
★★★☆☆

気ぜわしいけど何か読みたいという時だったので、
中島先生の偏屈節で気を晴らそう!と思ったのだが……
家族に関心のない父と、その父に愛を求めながら
それが果たされず亡くなった母の関係を中心に、
自身の「愛」について述べたエッセイで、
『私の嫌いな10の人びと』『哲学者というならず者がいる』とは
タイプが違ったな。
面白く読んだけど。
別にウケねらいじゃなかったと思うんだけど、
著者のモテモテ伝説のところで笑ってしまった。


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