金木犀、薔薇、白木蓮

本の感想、ときどき映画。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

47:はやみねかおる 『都会のトム&ソーヤ(4) 』

2007-03-31 14:17:33 | 07 本の感想
はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ(4) 四重奏 YA! ENTERTAINMENT』(YA! ENTERTAINMENT)
★★★★☆

登場人物が作者について云々するというお遊びが
わたしはあまり好きではなくて、その手の文章を見ると
「は、恥ずかしい……!」
と目を覆いたくなってしまう。
そんなわけで、今回は序章で目を覆いたくなってしまった。

正直なところ、前巻あたりから
「そんなごたいそうな組織に狙われるほど
 このふたりはすごいの??」
という疑問を拭い去ることができないのだけれど、
うん、まあ、おもしろいからいいや!で済ませられます。
この作者の作品、ほかには夢水シリーズしか読んだことないけど
(しかも『ギヤマン壷の謎』で止まっている)、
子どもがおもしろいと思うツボをしっかり押さえてるなあと
いつも思います。
創也のキャラはくずれすぎ
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46:吉村萬壱 『ハリガネムシ』

2007-03-31 13:54:58 | 07 本の感想
吉村萬壱『ハリガネムシ』(文藝春秋)
★☆☆☆☆

最後まで読まずに★をつけるのも失礼なのだけれど、
このブログでつけているのは作品の価値ではなく
わたしの個人的な好み度なので!

芥川賞受賞作品。
最後まで読めませんでした。
半分まではなんとか耐えて、中断しながらも読んでいたのだけど、
あまりのおぞましさにギブアップ!
松本侑子『植物性恋愛』以来のめまいを感じた。
(どうしても受け付けないネタがあるときによくめまいを起こす)

「採点結果は、生徒がいかに私の授業から離れているかを
 如実に示していた。」
の部分だけ、「だ・よ・ね!」と思いました。


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45:鹿島田真希 『六○○○度の愛』

2007-03-31 13:40:27 | 07 本の感想
鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』(新潮社)
★★★☆☆

名前も知らない作家さんだったけれど、
『メッタ斬り!』で存在を知って借りてきました。
三島賞受賞作品。
六○○○度は原爆が投下されたときの長崎の温度。
家族のいる日常を捨て長崎を訪れた女と、
彼女が長崎で出会った若い男の数日間を描く物語。

うーん……結局のところメロドラマ?
長崎をモチーフにする必然性がよくわからず。
自殺した兄や母に関する回想を交えながら
女性視点で話は進むのだけれど、
淡々と流れるストーリーを最後まで読ませるだけの
筆力は感じる。
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44:橋本治 『蝶のゆくえ』

2007-03-31 13:30:07 | 07 本の感想
橋本治『蝶のゆくえ』(集英社)
★★★☆☆

若くして結婚し、離婚ののち児童虐待に走る母親、
注意した少年たちに殺害された男性、
母親との関係に悩む短大生。
現代に生きる人々の心理を描く短編集。

橋本治……論説や随筆は目にしていたものの、
小説を読むのは『桃尻娘』以来十年ぶりくらい?
あちこちの書評で評価されていたけれども、
確かに端正で職人技を感じさせるつくりの一冊。
しかしタイトルにもなっているモチーフを
無理やり出してきてるなあと感じるのはわたしだけ??
毎回登場人物の半生を説明しだすのもわざとなんだろうか。
ひっかかりなく読めてしまうのだけど、
読後何が残るかというと、特別何も……と思ってしまうのだった。
「ふらんだーすの犬」はネタ的に大の苦手なので
そういう意味でのインパクトは大きかったけれども。

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43:今野紀雄 『図解雑学 数の不思議』

2007-03-31 13:10:42 | 07 本の感想
今野紀雄『図解雑学 数の不思議』(ナツメ社)
★★★★☆

数の分類、ゼロ、素数、図形数、円周率に指数・対数、複素数。
数についての雑学と歴史、公式の意味について説明する一冊。
内容が公式の意味に入ってからは苦手意識が炸裂し、
理解しようとも思わなくなってしまった。
苦手ながらもわりとできた学校数学だけれども、
公式のあらわす意味とか全然わかっていなかったし、
意味を考えようともしなかったんだなあ。
奥深い世界。
いつかその一端でも理解できるようになるのかしら……。
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42:桐野夏生 『グロテスク』

2007-03-24 01:01:38 | 07 本の感想
桐野夏生『グロテスク』(文藝春秋)
★★★★☆

かつて恐ろしいほどの美貌の持ち主だった妹・ユリコ、
そして高校時代の同級生だった和恵。
娼婦となっていた二人が続いて殺害された。
語り手である「私」は、子ども時代から続く妹への憎しみ、
高校時代に目の当たりにした解消しようのない差別、
その差別の中でもがく和恵への悪意を語るが、
挿入されるユリコや和恵の手記によって
話の齟齬、虚偽が徐々に明らかになっていく。
ユリコと和恵の生き様はやがて、自分の世界に閉じこもる
主人公に思いもかけない人生を歩ませることになる。


分厚い!
三日間持ち歩いて読んでいたら、ひどく肩が凝りました。
事件の顛末に興味がもてなかったせいか、
後半はやや退屈に感じることもあったし
ラストは「え~~?」という感じだったのだけれど、
前半の少女時代の回想部分が圧巻。
とくに高校時代のパートがおもしろかった。
人間が平等だっていうのは嘘っぱちで、
両親の生活レベルとか、容姿だとか
生まれついてのどうにもならない差があって、
それに基づく差別も歴然として存在する。
その傾向が特に著しい名門女子校の中で、
自分を守るための武器を磨こうとする主人公やミツル、
「フェア」であることを信じてもがき、
嘲笑を買う和恵の姿が生々しく胸に迫る。
田舎の公立中学・高校出身のわたしでも
「あーあったなあ、こんな話!」
となんだかいやに具体的な懐かしさを感じてしまった。
そして自分を客観的に見られず、どんどん世間から
乖離していく和恵の姿に戦慄。

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映画:『プラダを着た悪魔』

2007-03-20 14:48:36 | 映画の感想
『プラダを着た悪魔』
★★★★★

見逃したのでDVDかな~と思っていたのだけど、
近所の三越劇場でやっておりました。
この三越劇場のセレクトは毎回ハズしまくっているので
利用したことがなかったのだけど、今回ばかりは感謝

ジャーナリスト志望でファッションには興味のなかったアンディが、
一流ファッション誌「RUNWAY」のカリスマ編集長ミランダの
アシスタントに……というお話ですが、
話はどうでもいいです(言い切った!)。
いや、ラストに向けての後半のベタな流れも含めて、
キュートで安心して見られるお話です。

ストーリーは脇に置いといて……
もう、アン・ハサウェイの可愛さときたら!
「プリティ・プリンセンス」のときから
わたしはこの人の顔がだーい好き
お嬢様系美少女顔とでも申しましょうか、超・好みで、
「可愛い」「可愛い」に終始した2時間。
白い肌とデコルテにハアハア、とすでに視線はエロ親父風。
「こういう顔になりたい!」を通り越して、
「恋人の男になりたい! ……いやいや、そんな贅沢は言わん、
 火遊びの相手でもいいよ!」
と完璧に男視点で見ておりました。

わたし、好みの女の子についてなら何時間でも語れそうだよ!

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41:「十一月、空想雑貨店。」『雨ふりの本。』

2007-03-18 22:45:28 | 07 本の感想
「十一月、空想雑貨店。」『雨ふりの本。』(アノニマスタジオ)
★★☆☆☆

著者名とタイトルがまぎらわしい……。

雨の日のすごし方を写真と文で提案する、
可愛くておしゃれな本。

似たタイプの本をどれだけ読んできたかで
受け止め方は変わる気がするなあ。
個人的には「あっさりしすぎ」に感じられて
物足りない印象。
文章はあまり好きじゃなかったけれど、写真は良い。

雑誌「ノンノ」を読んでいたときから思っていたのだけど、
ときどきモデルさんがやっているわざとらしい
そばかすメイク&おてもやんチーク。
あれはいったい何なのだろう……。
この本の松田園子ちゃんのページを見て、
「ないほうが可愛いのに」と思った。
コメント (2)
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40:高見広春 『バトル・ロワイアル』

2007-03-16 09:36:04 | 07 本の感想
高見広春『バトル・ロワイアル』(太田出版)
★★★★☆

今さら感満点ではありますが。
映画化の際に物議をかもした「問題作」。
国家プロジェクトのためにクラス全員が生き残りをかけて
殺しあう……というおっそろしいあらすじだけが
先行していた感もあり、購入してからなんとなく手をつけられずに
放置していたのですが、ようやく読了。

前半のあっけない殺人描写には嫌悪感を感じたし、
映画にR指定がついたのも妥当だと思うし、
この物語に憧れる小中学生が少なくないのも怖い。
だって、大人が読めばそれだけじゃないってわかるけど、
小中学生はこの話のテーマをつかめないと思うもの。
当時の自分を振り返ってもそう思うし、
今身近に見ている小中学生を考えればさらにそう思う。
個々のエピソードやセリフの、ある種のロマンチックな部分には
反応するだろうけれど、俯瞰する目があるかどうかは
かなり疑わしい。
特に映像で見た日には、表面的なインパクトがすごすぎて、
ちょっと怖いなあと思うのです。

しかしストーリーとして見たときに、その緩急の付け方、
なにより発想のすさまじさはやっぱりすごい。
意図してなのかどうかは謎だけれど、わかりやすいし、
ちょっとほろっときてしまうところもあった。
この筆者に次があるのだろうかとは思うけれど……。

生死をかけた状況で、異様に恋愛におけるウエイトが高いなあと
思うのはわたしだけ?
思春期ゆえなのか、筆者のロマンチシズムなのか。
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39:ジャクリーン・ウィルソン 『ガールズ アウト レイト』

2007-03-15 10:56:22 | 07 本の感想
ジャクリーン・ウィルソン『ガールズ アウト レイト―もう帰らなきゃ!!』(理論社)
★★★★☆

ショッピングの帰り、マクドナルドで出会った男の子ラッセルと
突然恋に落ちるエリー。
門限を破ってパパから外出禁止令をくらったり、
マグダ&ナディーンとの友情と恋の板挟みで悩んだり。
嘘をついてはばれて窮地に陥るエリーと、
そこから思いがけず浮き彫りになるパパとアンナの問題、
マグダの失恋と、ナディーンの過去との訣別を描く
シリーズ第3弾。


♪男は狼なのよ~気をつけなさい~♪(byピンクレディー)

というのを繰り返し描いている気がするこのシリーズ。
今回もそんなエピソードがあるのだけれど、
エリーに寄ってくる男の子だけは今のところまとも。
ラッセルとの恋のはじまりが唐突すぎて
「な、なぜいきなりエリー?」とやや面食らったのだけど、
彼氏ができたことによる親との戦いがなかなかにリアル。

ナディーンはやっぱり不健康そうな男の子が好みなのね

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