金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

19:高橋克徳 『職場は感情で変わる』

2010-01-31 17:55:18 | 10 本の感想
高橋克徳 『職場は感情で変わる』(講談社現代新書)
★★★☆☆

仕事でお世話になりました本。
「イキイキ感情」「あたたか感情」「ギスギス感情」
「冷え冷え感情」という四つの感情を軸とした「組織感情マップ」で
職場の「組織感情」を診断、それぞれの状態に合わせた
対処法を提案する一冊。

組織感情に関して言えば、いま勤め先と自分の会社は
対極に位置しているわけなのだけど、
雇われている身にとって、「会社が自分を守ってくれるか」って
とても重要なポイントだ。

「こうした人を守る姿勢がベースになければ、
厳しいからがんばれと言っても、誰もついてきてくれません」


その通りすぎて欝!
わたしが他者の生活を背負っていない身だからそう言えるのかも
しれないけれど、「守ってくれるかどうか」って
経済的な問題ではなくて、信頼関係の問題なんだよね。
どんなに職場を愛してても、
「どうせ切り捨てるんだろ?」と思ってしまったら
自分の生活を預ける気にはなれないものね。

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18:濱野京子 『フュージョン』

2010-01-29 10:59:28 | 10 本の感想
濱野京子 『フュージョン』 (文春文庫)
★★★★★

うまくいかない親との関係に苛立つ中学2年生の朋花は、
公園で二本の縄を使って飛ぶ大縄跳び「ダブルダッチ」を
している同級生3人に出会った。
優等生の美咲と不良だという噂のある玲奈の
意外な組み合わせに興味を引かれ、仲間に入る朋花。
新しい友人とダブルダッチとの出会いを通し、
成長していく朋香の姿を描いた青春小説。

******************************

おもしろかった!!

主人公がちっとも賢そうじゃないのと
弁が立つようにも思えないのとで、
職員室に乗り込む場面では違和感があったし、
兄に関するエピソードはあまりにも非現実的で
残念な印象が強いのだけど、
それらのツッコミどころを補ってあまりある
おもしろさでした。
もっと読みたかったなあ~と思わせる設定もあって、
物足りなさが逆によかったのかも。

『その角を曲がれば』も読んでみたい。
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17:あさのあつこ 『ガールズ・ブルー〈2〉』

2010-01-29 10:38:58 | 10 本の感想

あさのあつこ『ガールズ・ブルー〈2〉』 (文春文庫)
★★★★☆

正直、あさのあつこ作品はたいてい好みじゃないんだけど、
(BLが書きたいなら堂々と書けばいいのに……という苛立ち。
 堂々としていてくれればうっかり手に取ることもないし)
女の子が主人公のものは比較的好きかも。

前作『ガールズ・ブルー』を読んだのが昔すぎて、
詳細はほとんど忘れているのだけど、それでもOKな続編。
特になにか起こるわけでもないので、
「高校生の女の子のもやもや」という印象だけで
すんなり続編に入れるのね。
主人公を除く幼馴染二人の恋愛については
「あれ?そんな話あったっけ?」と思ったけど。
「その時期の空気」を切り取った物語で、
読んでる最中は特に心も動かなかったのだけど、
読後の余韻が良かったなあ。

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16:冨田弘一郎 『星座12カ月』

2010-01-29 10:28:59 | 10 本の感想
冨田弘一郎『星座12カ月』 (岩波ジュニア新書)
★★★☆☆

天文学、時間の話をまじえ、1ヶ月に星座をピックアップして
紹介した一冊。
自分の目的と一致していなかったので、
可もなく不可もなくといった感じだけれど、
ジュニア新書らしく易しい言葉でわかりやすく書かれていて、
入門編としてはなかなかに良い。
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15:三浦哲郎 『ユタとふしぎな仲間たち』

2010-01-28 22:05:04 | 10 本の感想
三浦哲郎『ユタとふしぎな仲間たち』 (青い鳥文庫)
★★★★☆

父の死をきっかけに、母と二人で東京から
母の実家のある東北の田舎に移り住むことになった勇太。
東京のモヤシっ子と言われ、村の子どもたちになじめない勇太は、
ある日寅吉爺さんから座敷わらしの話を聞き、
座敷わらしの出るという大黒柱のある古い家に
一人で泊まることに。
そこへ座敷わらしが姿を現し、勇太は彼らの世界へ
足を踏み入れる。
座敷わらしたちと友達になり彼らと過ごすうちに
ユタは少しずつたくましくなっていく。

*****************************************

児童書として安心しておすすめできる。
……のだけど、いつクライマックスが来るのか
待っているうちに終わってしまった。
え?と拍子抜け。

これを子どもの頃に読んでいたら
ずいぶん印象もちがっていたのだろうけど、
座敷わらしについても、彼らを生んだ背景についても
わたしの中では完全に既知のことになってしまっているので
新鮮味が感じられなくて、
それ以上の何かを期待してしまっていたのかも。
発表されたのが40年前という作品だし、
その間に類似した要素を持った作品が
出尽くしてしまったという感じ。

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14:トーベ・ヤンソン 『たのしいムーミン一家』

2010-01-27 20:28:03 | 10 本の感想
トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』 (青い鳥文庫)
★★★★☆

語呂合わせを教える際にいつも描くムーミンの絵が、
毎回爆笑を呼ぶ。
似てなさ過ぎるらしい。
じゃあ本家本元のムーミンを見てやろうじゃないか、と
借りてきました。
わたし、アニメも見たことないんだよね。

ムーミンのガールフレンドは「スノークのおじょうさん」と
呼ばれていて、フローレンという表記は一度もなし。
フローレンってアニメ版の名前なのね。

ちょっと哲学的な内容も含みつつ、ほのぼのした世界……
と思いきや、拾ったものをとりかえっこしようというスニフに対し、
「おまえが死んでからね」と返すムーミン。黒い
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13:伊藤たかみ 『ミカ!』

2010-01-23 11:12:16 | 10 本の感想
伊藤たかみ『ミカ! 』(文春文庫)
★★★★☆

再読
二回めなので特に感想もなし。
小学生ワールドに和む。

最近、文芸誌を買わなくなったせいで
新しい作家さんだとかどんな本が出てるのかとか
まったくわからなくなっていたのだけど、
いつの間にやら伊藤たかみと角田光代が離婚していて
びっくりした。

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12:芥川龍之介 「白」

2010-01-23 10:54:56 | 10 本の感想
芥川龍之介「白」(青空文庫)
★★★☆☆

犬の白はある日、隣の家の飼い犬で仲良しの黒が
犬殺しに狙われているのを見つけた。
黒に知らせようとするが犬殺しににらまれ、
恐ろしさのあまり黒を見殺しにして逃げてしまう。
主人の家へ逃げ込み、安心した白だったが、
お嬢さんやお坊ちゃんは
庭に飛び込んできたのが白だとわからない。
牛乳のように真っ白だった白は、いつの間にか、
体中真っ黒になっていたのだった。

************************************

本一冊じゃなくて、短編一本ですが。
芥川の子供向け短編の一つ。
エゴによって地獄から抜け出すチャンスを失う「蜘蛛の糸」も
人助けによって罪が償われ、白い体を取り戻す「白」も、
教訓を多分にふくんだ単純なお話なんだけど、
子どもにとってはおもしろいみたい。

仕事をする上で、青空文庫の存在は本当に便利。
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11:八板康麿 『都会で星空ウォッチング』

2010-01-21 22:28:10 | 10 本の感想
八板康麿『都会で星空ウォッチング (Nature guide)』(小学館)
★★★☆☆

すっかり風化してしまった知識を取り戻すべく、入門編。
久々に図鑑系を読んだな……

人工の明かりのため星が多く見えない都会の夜空こそ、
星が少なく素人にはかえってわかりやすい。
そんな発想で、明るい星・有名な星座を中心に、
星座の見つけ方や星座を構成する星を解説している一冊。
星座や惑星の動きについての解説のほか、
望遠鏡の使い方や星座写真の撮り方の説明もあり。
都会の星空はたしかに、見えるものが限られるから、
わかりやすくてよいかも。
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10:伊達公子 『キッズテニス』

2010-01-20 13:54:49 | 10 本の感想
伊達公子『キッズテニス―「好き」を見つける「楽しい」を育む』(岩波アクティブ新書)
★★★★☆

岩波に「アクティブ新書」なんてあったのか……と
今気付いたのだけど、確認してみたら、
何冊かそれと知らずに読んでいたわ。

仕事で使うために借りてきたのだけど、
ニーズに合った内容で大正解
引退してから「テニスの楽しさを伝えたい」と始めた
キッズテニスの紹介やそれについての思いを述べつつ、
子どもを取り巻く環境への問題を提起した一冊。
発刊は2004年なので、伊達さんが現役復帰する前。
スポーツは野球をたまに見るくらいで特に興味もないのだけど、
伊達さんって笑顔がキュートよね。
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