金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

29:姫野カオルコ 『すっぴんは事件か?』

2011-03-29 18:54:55 | 11 本の感想
姫野カオルコ『すっぴんは事件か?』(筑摩書房)
★★★☆☆

男女関係や文学に関する「そういうことになっている」という
前提に対して、ユーモアたっぷりに考察を加えたエッセイ。
「男女差もの」のエッセイでは
「男は意外にネチネチしていて、女は意外とサバサバしている」
と規定されているのに、
有名人の女性が書く「有名ステキもの」のエッセイでは
「男はサバサバしているからよい、女はネチネチしてるから悪い」
という前提で書かれており、説が一貫していない!!
……という指摘は、なるほど言われてみれば確かに、であった。
ライトでさくさく読めるので、移動中のひまつぶしによし。
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28:石原壮一郎 『ちょい大人力検定』

2011-03-29 18:39:40 | 11 本の感想
石原壮一郎『ちょい大人力検定 (14歳の世渡り術)』(河出書房新社)
★★★☆☆

「自己紹介で言ったギャグがスベった」
「貸された本をいまいち読む気がしない」
「興味の無いスポーツの話題をふられた」
「恋の濡れ衣を着せられた」
等々、日常の人間関係における“ピンチ”を
「ちょい大人」として乗り切るための61問。
対応パターンを1択の中から選ぶと、
○、△、×でそれぞれ評価づけされているという形式。
「これは×だな」とたいていわかるんだけど、
意外な評価がついていたり、一貫性がなかったり。
まあ、結局は本人のキャラクターとか相手との関係性で
決まることなので実用性はあまりないと思うんだけど、
おもしろいんじゃないでしょうか。
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27:k.m.p.『みえない未来相談室。』

2011-03-24 12:46:53 | 11 本の感想
k.m.p.『みえない未来相談室。―すきなコトを仕事にする方法 (14歳の世渡り術)』(河出書房新社)

近所の図書館に「よりみちパン!セ」のⅥ期が
全然入ってこないので、となりにあるこのシリーズで
お茶をにごしている次第。

k.m.p.の本は一冊だけ読んだことがあるなあ……と思って
これを借りてきたんだけど、二人が子どものころから
これまでに歩んできた道のりやその中で考えてきたことを
語り合うという漫画形式で書かれています。
章立ては
「おとなになるって?」
「しごとをするって?」
の2本立て。
基本的に「教訓」なのでおもしろくないんですが(!)、
大人が読むと、初心に返って前向きな気持ちになれるかも。
はっとさせられることもあるし。
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映画:『台風太陽~君がいた夏~』

2011-03-24 12:11:00 | 映画の感想
映画:『台風太陽~君がいた夏~
★★★☆☆

インラインスケートに心惹かれる高校生のソヨは、
公園に通い、スケーターの少年たちを眺めている。
スケーターたちを撮影していた年上の女性・ハンジュに
声をかけられ、彼女と顔見知りになったことによって、
モギがリーダーとなっているスケーターのグループに入る。
ソヨはハンジュに淡い恋心を抱いているが、
ハンジュはモギの恋人だった。
ハンジュへの気持ちを胸に抱きつつ、モギに憧れ、
インラインスケートにのめりこむソヨ。
だが夢中でスケートに興じる少年たちの夏は、
長くは続かず……

*******************************

韓国映画。
センチメンタルな青春ものは好みなんだけど、
これは……うーん……。
いろいろと「抜けている」ところがあって、
それが水を差すというのか、感傷の邪魔をする。
若手のかっこいい男の子をそろえているので
(おまけにミュージッククリップは東方神起)、
好きな人にはいいかもしれないんだけど、
ストーリーとして見たときに不満がいっぱいでした。

モギのことがちっとも好きになれず、
崩壊に向かうあたりからずっと「ハァ?」と
イラつきっぱなし。
いったいこいつはどうやって生計を立てているんだ。
こんなあまっちょろいこと言って、
親のスネかじりのおぼっちゃまか?
対照的に仲間の尻拭いまでしようとするガッパが
けなげで哀れ……。

そして両親が大変なことになっているというのに、
それが、「スケートにのめりこむきっかけ」と
「仲間たちのたまり場をつくるための理由」としか
作用しておらず、その後一切触れられていないのにも
おどろきだ。

主人公のチョン・ジョンミョンは、垢抜けない感じが可愛い。
そして「江口洋介に似ている……」と思いながら見ていた
女の子好きのナンパ君が、「ピーターパンの公式」の
男の子だと知って驚愕。
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映画:『ブロークバック・マウンテン』

2011-03-23 18:48:38 | 映画の感想
映画:『ブロークバック・マウンテン
★★★☆☆

1963年のワイオミング州。
ブロークバック・マウンテンの農牧場に期間労働者として雇われた
イニスとジャックは、二人きりで山でキャンプをしながら
放牧された羊の管理をすることになった。
厳しい自然の中でともに過ごすうちに、
徐々に心を通わせていく二人は、ある日、一線を越えてしまう。
同性愛への偏見が根強い保守的な中西部で、
二人はそれぞれの日常へ帰り、結婚し、
妻子との生活を得るが……

*************************************

ずいぶん前に話題になっていた映画。
美少年どうしのBLは、作者(女性)のドリームに
「勘弁してください!」って思っちゃうんだけど、
これはそれほど抵抗感はなし。
まあ、好きというわけでもないんだけど……

同性愛への偏見を間近に見て育ったイニスは、
自分が同性を愛してしまったことを受け入れられず、
ジャックとの関係に気づいた妻と離婚。
自分の気持ちに素直なジャック(なんか乙女っぽい)が
提案する二人きりの生活を受け入れることもできず、
生活苦ともあいまって、彼の人生は荒廃していくことになる。
イニスよりも、夫の秘密を誰にも話すことができず、
本人を問い詰めることもできず苦悩する奥さんのほうに
感情移入してしまった。

しかしこれは「愛」の物語なのか?
二人の「愛」よりも、マイノリティーとしての苦悩のほうが
印象に残ったな。




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26:日本博学倶楽部 『「人体の謎」未解決ファイル』

2011-03-21 22:31:48 | 11 本の感想
日本博学倶楽部『「人体の謎」未解決ファイル (PHP文庫)』 (PHP文庫)
★★★☆☆

本を忘れて出かけてしまったときに、コンビニで売ってて、
暇つぶしに買ったもの。
「誰もが一度は感じる疑問 人体の不思議を探る」
「ウソか?マコトか?カラダにまつわる俗説を検証する」
「だから男と女はわかり合えない?ヒトの性差を科学する」
「未知なる能力に驚嘆!人間の限界はどこだ!?」
「研究成果を公開!人体科学の最先端リポート」
の5章から成る。
まあ……暇つぶしに買ったのでいいんだけど、
ちょっとしたトリビアを信憑性の薄い説とともに
紹介した豆知識本って感じでしょうか。
一つ一つをさらっと表面的に紹介しているだけなので
(くわしく書かれても理解できないが)読み応えはなし。
つまらなくはなかったので、★2.5。
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25:酒見賢一 『墨攻』

2011-03-09 20:25:29 | 11 本の感想
酒見賢一『墨攻』 (新潮文庫)
★★★☆☆

やっぱり小説を読む前に映像化されたものを見ちゃダメね。
映画を先に見てしまったので、
ストーリーやイメージが先行して頭の中に出来上がってしまい、
それとの相違点に気持ちが向いて、
純粋に小説を楽しむことができなくなってしまう。

墨家の思想や歴史的背景はやはり小説で読んだほうがよくわかる。
ロマンスは一切なし。
そして映画では革離に心酔することになった梁適が
革離に心を許さないまま彼の命を奪うことになったり、
巷淹中との直接対面がなかったり、
ストーリーは短くあっさりしているんだけど、
映画で感じたもやもやはなかったな。

南伸坊の絵が可愛くて、残酷なシーンなのに
なんだかほのぼのしてしまう。
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24:新谷尚紀 監修 『日本人の禁忌』

2011-03-09 10:43:41 | 11 本の感想
新谷尚紀 監修『日本人の禁忌―忌み言葉、鬼門、縁起かつぎ…人は何を恐れたのか』(青春出版社)
★★★☆☆

タブーとは何か?という文化人類学の定義、成り立ちを述べつつ、
日本や海外の神話や慣習をあげて紹介。
「へー、こんな慣習があるのね」
という小さな驚きはあるのだけど、事例を挙げているだけで
考察や結論めいたものがほとんどないので、
「だから何だ」という気持ちしか残らないのが残念。
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映画:『深海 Blue Cha-Cha』

2011-03-09 10:19:53 | 映画の感想
映画:『深海 Blue Cha-Cha
★★☆☆☆

出所したアユーは、刑務所で知り合った姉貴分のアンが経営する
クラブで働くことになった。
客の一人に見初められ、彼と関係を持つアユーだが、
自らの感情をコントロールできないために破局を迎える。
アユーはクラブをやめ、アンの紹介で、工場で働くことになった。
彼女に興味を持ち、近づいてくる先輩のシャオハオを
避けるアユーだが、彼の熱心さに惹かれるようになる。
しかし、「心の病」ゆえに、またしても彼との関係が
うまくいかなくなり……

*************************************

これも台湾映画。
最近、あたりがないなあ……
本編を見た後で特典の予告編を見ると、ピックアップされた音楽と映像の効果で
「おもしろそうに見えるのになあ~」って思うんだけど。
さて、内容としては、他人との距離のとり方がわからないために
男性との破局をくりかえすアユーと、近すぎる関係ゆえに
苛立ちを抑えることができないながらも、彼女を見捨てない姉貴分アンとの関係が
メインになっているのでしょうか。
山本文緒の『恋愛中毒』に通じる痛々しさ。
『恋愛中毒』には勢いがあったけれど、これは「なぜ刑務所に入っていたのか」以外に
引っ張るところがなく、始まって30分ですでに退屈してしまった。


本編とは関係ないのだけど、予告編に入っていた
「イルカが猫に恋をした」というドラマの女の子が
あんまりにも可愛くないのでびっくりした!
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23:梨屋アリエ 『夏の階段』

2011-03-06 21:39:40 | 11 本の感想
梨屋アリエ『夏の階段』(ポプラ社)
★★★★☆

高校1年生の男女5人を主人公にした連作短編集。
この人の小説は特別にきらいなわけでもないのだけど、
あまり好みじゃないなあ~という印象で、
最初の2話を読み終わった時点で退屈に感じられ、
もう読むのを止めようと思ったのだけど……

「月の望潮」の福田くん可愛い

外見もよく勉強もできるのに、「ポエミー」で変態という
「残念な男」っぷりがたまらん。
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