金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「おんな城主直虎」#34

2017-08-27 20:54:21 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#34

先週、あれだけのダメージを視聴者に与えておいて、
畳みかけるように今回のこの展開。
容赦なさすぎだよ。
呆然……。

正直、龍雲丸は好きじゃないし、
龍雲党に対しても特に思い入れなかったのに、
彼らが何の覚悟もなく、ただわけがわからないままに巻き込まれて
あっけなく死んでいったことに愕然としたわ。
政次は死ぬのがわかってて心構えをしていたけど、
今回のは不意打ちだったので、本当に勘弁してほしい。
堀川城の運命は知っていたけれど、
こんなに急にあっさりとだとは思わなかったよ。

まあ、いちばん動揺したのは、
次回予告のキスシーン(?)なのだが……。
おい、政次が死んですぐにこれってどういうことだよ!!
と思いつつ、あれは公式お得意の「釣り」だと思ってるけど。
いつも予告で「どういうことだよ!?」とやきもきさせるんだもの。
龍雲丸に関しては、どこまでが現実でどこから夢なのか曖昧なので、
よけいにやきもき。

近藤に代わって視聴者のヘイトを一身に集めているであろう
酒井忠次の扱いも気になるところ。
今回の大河では、ダークな部分を家康ではなく、
この人に背負わせてるんだよね。

それにしても、政次の最期を伝え聞き、
「殿のお手にかかったのなら、義兄も本望でしょう」
なんて気丈に言うなつさんの胸中を思うとつらすぎる。

しかも、最初からわりと井伊に好意的だった鈴木さんが
クローズアップされたから、
うっかりウィキペディア見に行って傷が深くなったわ。
最近、日曜夜の心理的ダメージが大きすぎるよ……
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75:越谷オサム 『陽だまりの彼女』

2017-08-23 19:31:07 | 17 本の感想
越谷オサム『陽だまりの彼女』(新潮文庫)
★★★☆☆2.5

【Amazonの内容紹介】

幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。
かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、
モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで──
その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!
誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、
すべてつまった完全無欠の恋愛小説。

*************************************

「おすすめの恋愛小説!」みたいなポップを
ずいぶん昔に見て、気になっていた小説。
同じ作者の『いとみち』が面白かったのもあって
読んでみたのだけども。

結論から言うと、残念ながら合わなかった……。

主人公とヒロインを好きになれなかったせいか、
前半のイチャイチャが気持ち悪く感じられてしまって。
それでも最後まで読んだのは、
「1.ヒロインの過去に何があったのか」
「2.不審な様子が見受けられるようになったヒロインに何が起こっているのか」
の2点が気になったから。
特に二つ目はかなり興味を引く描き方がされていて、期待は膨らむ一方。

しかし、まさかこんな古典的なオチを
今さら読まされるとは思わなんだよ……

いや、ここかしこに張り巡らされていた伏線に気づいたときは
驚いたんだけども、気づかなかったのは
ジャンル詐欺のせいもあると思うんだよね。
突然ファンタジーになったのはよしとしよう。
しかし、ファンタジー要素を組み込むのなら
それなりの説得力がほしい。
どうして、どんなふうに、こんなことが起こったのか、
納得できないので、種明かしをされてもまったく感動できず、
「主人公、おめー、それでいいんかよ?」
と首をかしげることしかできない。


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74:山口謠司 『大人の漢字教室』

2017-08-23 19:17:56 | 17 本の感想
山口謠司『大人の漢字教室』(PHP研究所)
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

漢字は、今日までの長い歴史のなかで、
数え切れないほど生み出されては、消えていきました。
そのなかには、驚くほど不思議な形をしたものや、
意外なドラマを秘めたものがあります。
たとえば、「一」は数字の一番目ではなく、
大地=世界のはじまりを表したものでした。
また、とどまることなく流れている「時」は、
字源をさかのぼれば「動かないもの」という意味だったのです。
こうした学校では教えてくれない、漢字のもつ本当の魅力を
楽しいイラストとともに紹介するのが本書『大人の漢字教室』です。
「読める」「書ける」だけではもったいない!
大人のための漢字の授業がはじまります。

*************************************

自分の知っている説明と違う点もあったけれど、
この本で初めて知ったことも多く、非常に楽しめた。
「彦」は「イケメン」という意味だとか、
「美人」は「とってもふくよかな人」という意味だったとか。

「必」の書き順、ほんとに不思議だよね……。
中国式の「心」→「ノ」の方がよっぽど理にかなってる気がする。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#33

2017-08-20 21:39:43 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#33

すごかった……

頭の中がめちゃくちゃで、いまだに感想がまとまらないけど、
終盤はずっと号泣だった……
というか、終わって一時間たった今でも泣けてくる


近藤が井伊をはめようが、家康が約束を守ってくれれば
問題なしだったのに、やっぱりそうはならない。
近藤たちが嘘をついているのではないかと疑いながらも
家康が井伊との約束よりも、近藤たちを選ばなくては
ならなくなってしまうという「どうにもならない流れ」が
きちんと描かれていて、
その抗いがたさも理解できるだけにやりきれない。

政次がなつの膝枕で、直親に対する愚痴を言ってるシーンなんて、
いかにも幸福そうで、かえってつらかった。
今までの描かれ方だと、政次は、自分ですべて抱え込んで
弟相手にすらそんな率直に話せなかったと思うんだよね。
もちろん、相手がすでに死んでて、
長い年月がたってるっていうのもあるだろうけど、
今まで誰に対してもできなかったことをしたのは
政次が死ぬ覚悟をしているからだよ。
苦しすぎる。
最後にそばになつさんがいてよかったって思うけど。

直虎が、井伊を守るための政次の行動を理解して
受け入れるところまでは想定してたけど、
槍を奪って自ら心臓を突き刺したのは完全に予想外でびっくり。
「私が送ってやなねば」がそういう意味だったとは……。

直虎は、「どうせなら自らの手で」と思ったのだろうし、
磔はわざと簡単に死ねないように刺して苦しめるそうだから、
長く苦しまないようにと心臓を一突きしたのだろうし、
政次の献身に応えようと思ったのだろう。
それで、今まで一度も自ら手を汚したことのない彼女が
尼の身で初めて殺した相手が政次って、もうすごくない??
ここの二人の大芝居で号泣
「地獄に落ちろ!」
と言った真意は、ずっと見てきた人にしかわからないんだよ。
すごい脚本だったわ。
創作の部分を、最後に通説にリンクさせているのもお見事。

すごすぎて一週間くらい引きずりそうな気がする。
最高でした。
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映画:『ティファニーで朝食を』

2017-08-16 17:30:55 | 映画の感想
映画:『ティファニーで朝食を』(ブレイク・エドワーズ監督)
★★☆☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

ホリー(オードリー・ヘプバーン)はニューヨークのアパートで、
名前のない猫と自由に暮らしている。
そんな彼女のお気に入りはまだ人気のない早朝、
パンとコーヒー片手に5番街にある高級店ティファニーの
ウインドーを眺めつつ朝食を取ることだった。
そんなある日、彼女の住むアパートに
自称作家のポール(ジョージ・ペパード)が入居し……。

****************************************

有名だが見たことがなかった映画。

いや~……
アメリカの、しかも昔の話なのだから
倫理観がちがうのは百も承知だけど、
ヒロインの身勝手さ、人に迷惑をかけまくる行動に
腹が立ちっぱなしだった。

集合住宅に大人数呼んで騒ぐな!
図書館で大声で喋るな!
図書館の本に落書きすんな!
万引きすんな!
その店の商品を買ってもないのに名入れを要求すんな!
飼い慣らした猫を自分の都合で捨てんな!……etc

これ、コケティッシュとか小悪魔とかで済まないよね?
妖精のようなオードリーの可愛らしさでも
帳消しにできない腹立たしさであったよ。
主役の二人にまったく感情移入もできず、
最後まで首をかしげるばかりの映画であった。
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映画:『ペット』

2017-08-16 17:24:12 | 映画の感想
映画:『ペット』(クリス・ルノー監督)
★★★☆☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

犬のマックスは、ニューヨークで大好きな飼い主のケイティと
最高のハッピーライフを送っていた。
ところが、ケイティが大型犬デュークを新たに連れてきたことから、
マックスの生活環境はガラリと変化する。
マックスとデュークが何とか自分が優位に立とうと
頑張っていたある日、ひょんなことから彼らは迷子になってしまい……。

****************************************

結構邪悪な顔をしているのに、
体型やもふもふしたおしりに癒される。

ストーリーとしては、友情ものの王道を押さえていて
だれが見ても一定の満足を得られそうなつくり。
ぶりっこ系ヒロインが、キレるとガラ悪くてめちゃ強い、って
昔のラブコメを彷彿とさせて懐かしい。


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大河ドラマ「おんな城主直虎」#32

2017-08-13 20:45:57 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#32

もうだめ、落ち着いて呼吸ができないよ……!
しばらくダメージを引きずりそう……。


徳川への文が届かないとか、行き違いがあったとか、
そういう展開で窮地に陥るのかと思ったら、

「直虎が龍雲丸にのぼせて、近藤の苦情へ
 まともに対応せず、恨みを買った」

というあのラブコメ展開が伏線だったのだった。
ねえ、ちょっとこれ、つらすぎじゃない? 直虎が。

井伊がようやく今川の呪縛から逃れることができ、
直虎と政次も正々堂々と協力できる、と希望を見せたうえ、
直虎が小野父のことも思い、彼もまた井伊を守ろうとしていたのだと
理解したことも描いて感無量……と感動させておいてこれだよ。
直虎と政次の穏やかで優しい時間も、
「上げて落とす」の定石通りで悔しい。

「これが終わったら結婚しよう」
は、お約束の死亡フラグなんだけども、
直虎のことは生涯好きだけども、それとは別に側にしてほしいという
政次からなつへのプロポーズは、思ったより納得がいった。
家の存続という大問題を手に手を取り合って乗り越えようとしてきたのだから、
もはや色恋レベルを超えてるのよね。
直虎が還俗しても政次は彼女に求婚しない、という選択に
違和感はなし。
「形ばかりの夫婦」じゃなくて、ちゃんと夫婦になれや! とは思うけど。
本当に、これが実現したら、この上なく幸福な展開なのにね……

関口、おめーやっぱり裏切るのかよ、小市民っぽいもんね……
と思ってたら、今川の重臣が21人も裏切ってるの笑った。
氏真、さすがにかわいそうすぎ。

「嫌われ松子の一生」、このブログの過去記事を見る限り
面白く感じたようなのだけど、読んだのが10年以上前で
内容を全く覚えていない……。
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73:佐藤初女 『おむすびの祈り 「森のイスキア」こころの歳時記』

2017-08-11 21:06:19 | 17 本の感想
佐藤初女『おむすびの祈り「森のイスキア」こころの歳時記』(集英社文庫)
★★★☆☆

著者のことは確か、最初は高山なおみさんの本で言及されていて
知ったんじゃないかな。
その後、雑誌なんかでも取材されているのを何度か読んだはず。
すでに他界されたのだと、ついさっき知った。

信仰というものをわたしはよく理解できないのだけれども、
人が信仰を、他者を手助けするための実践という形に移す姿は美しい。
きれいごとだけが書かれているわけでもなく、
助けを求めて来る人が、自分のことだけで頭がいっぱいになっていて
結構迷惑をこうむっていることもちゃんと書かれているのに
好感が持てた。

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72:服部正也 『ルワンダ中央銀行総裁日記』

2017-08-08 22:11:10 | 17 本の感想
服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記』(中公新書)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの
中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、
財政と国際収支の恒常的赤字であった―。
本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、
あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。
今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、
著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。

******************************
 
ここ一か月ほど忙しすぎて、
読んだ本の題名すら覚えていない……。
そんなわけでものすごく久しぶりの読書記録。

この本は、結構前に、「まるで今はやりの異世界転生もの」みたいな触れ込みで
話題になってたんじゃなかったかな。
わたしもそれで存在を知ったはず。
今のようにネットもない、アフリカの小国に関する情報など
国際機関の中にも十分にあったとは言えない時代に、
単身でルワンダに赴任した日本銀行の行員が、
異文化の中で悪戦苦闘して国を立て直していく記録。

自分に経済の知識が足りないせいで理解できないことも多かったのだけど、
ルワンダ人への偏見や、外国人商人・顧問の言い分に惑わされることなく、
対話によって現地の実情をとらえ、
政府の人間や商人たちと渡り合う著者の能力の高さに舌を巻く。
新たに作り上げた国のシステムが、
その後の動乱で崩壊してしまうことも含めてドラマチック。

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大河ドラマ「おんな城主直虎」#31

2017-08-06 20:50:13 | 大河ドラマ「おんな城主直...
大河ドラマ「おんな城主直虎」#31

過去最高に苦しい45分だった……

政次が味方だと信じつつも、連絡が取れないために
揺らいでしまう直虎の心情もわかるし、
自分を慕う甥っ子にも冷たい顔を見せなければならないうえ、
虎松を守るために名も知らぬ子どもの首を掻き切った政次の、
井伊と直虎以外のものをすべて切り捨てた覚悟に
動悸がおさまらない。

* * * * *

家を取りつぶされて、領地から追い出されるって
かなり大きな出来事なはずなのに、
「あっさりと引っ越し完了→一棟に主要メンバー全員おさまる」
ってあたり、井伊って本当に小さな家だったんだなあ……と
しみじみ。

直虎「但馬は味方だ」
六左「そんな気がしてました」
高瀬「私も」
中野「えっ」

って展開にちょっと笑ってしまった。
虎松や中野弟まで政次を援護するの、
「よかったね、政次」って感じだけど、
いちばんまともな感覚なの、中野だよね。
井伊の連中、人が良すぎだろ……。
それでも、小野の嫡子だからって、ずっとずっと
つらい目にあわされてきた政次が信頼を得てたって事実に
涙が出そう。
龍雲丸が政次の意図をきちんと理解してたり、
あんなに色ボケしてた直虎が龍雲丸を遠ざけようとしたりしたことが、
過ぎた年月を感じさせてちょっと切ない。

ただ、一言申したい!
直虎、隠し里のことを虎松に
「そなたの父上と但馬が隠し通した」
って言ってたけど、直親はまともな作戦も持たなかったうえに
自分がヤバくなると政次に責任の所在をぶん投げて逃げたからな!
忘れないぞ!!

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