スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

小池さん

2017年09月03日 | 雑感
< 紙とペン 探してる間に 句を忘れ >   < もの忘れ このまま全部 忘れたい >
シルバー川柳じゃないが、テレビを観ながらメモっていた紙切れが見つからずに数日、ようやく発見。

前ブログでのタゴールの詩、紹介したのがインドコルカタ旅のナビゲーターをつとめた小池昌代の名と判明。
1959年生れ  詩人。  数々の文学賞受賞しており、詩集・エッセイ・絵本の翻訳など多数あり。 

早速彼女の詩集やらエッセイを読んでみた。  ちょっと魅力ある女性を知ったらすぐ行動(笑)。
世の中けっこう素晴らしい人っているものですね。  最近ようやく見えてきました。  遅いか !

     
            小池昌代wikipedia

  ≪ 罠 ( わな ) ≫

    山道をゆく わたしたちの 目線より少しうえ
    枝と枝のあいだの小暗い空間に
    初夏の木漏れ日が不意に差し
    そこに透明な蜘蛛の巣があらわれた

    山のなかに そっと仕掛けられた見えない罠が
    光の一撃で 静かにあばかれている

    大掛かりに編みこまれた精妙な美しさに 
    わたしたちはみとれて 言葉を失った
    それが罠であることもすっかり忘れて

    生きるとは 通過すること

    蜘蛛の巣の罠のこちら側と向こう側
    生は連続して あたりじゅうに満ちているのだったが
    それを断絶する見えない手が
    不意に頭上に かざされるときがくる

    山道でひとり ふりかえれば 
    再び透き通って見えなくなった蜘蛛の巣

    宙空には 死角に掲げられた表札のように
    囚われた枯葉が 一枚揺れていた



朝夕めっきり肌寒くなってきました。  札幌での枯葉の秋ももうすぐですね。
コーヒー色に染まった山道を歩くのもいいものです。

 
先日途中断念した栄町から藻岩山頂上迄(4時間ほどか)、情けなさからの解脱をしなければ今年は暮れぬ !


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