スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

インドの詩人・タゴール

2017年09月01日 | 雑感
BSテレビでインド特集が組まれていてラビンドラナート・タゴールという詩人を知りました。 

いいい詩があったので抜粋してみます。   『 タゴール死生の詩 』(森本達雄編訳)より

インドの詩人 (1861~1941) ・ アジア人として初めてのノーベル賞(文学賞)受賞者。
                                タゴールWikipedia
       

≪ ギタンジャリ ≫ より ( 十二 )

 おお 死よ わたしの死よ 生を最後に完成させるものよ
 来ておくれ わたしに囁きかけておくれ。

 来る日も 来る日も、わたしは おまえを待ちうけてきた 
 おまえのために 人生の喜びにも痛みにも わたしは じっと耐えてきた。

 私の存在 所有 望み 愛 すべてが 秘かな深みで たえずおまえに向かって流れていた。
 最後に ひとたびおまえが目くばせすれば わたしの生命は 永遠におまえのものになるだろう。
 ・・・・・・・・


≪ ギタンジャリ ≫ より ( 十三)

  わたしは知っている いつの日か 地上のものが見えなくなり 
  生命が わたしの目に最後の帷(とばり)をおろして 静かに 立ち去る日が来るだろうことを。

  それでも 星々は 夜どおしまたたき 朝は 変わることなく 明けそめるだろう。
  そして時は 海の浪のように高まり 喜びや苦しみを打ち上げるだろう。

  わたしの時間のこの終焉を思うとき 刻々にきざまれる瞬間の仕切りは破れる
  そして死の光にすかして 巧まぬ財宝にみちたおんみの世界を わたしは見る。

  そこでは どんな賤しい座も すばらしく どんな卑しい生命も 尊い。

  わたしが求めて得られかったものも 得たものも みんな 消え去るがいい。

  ただ わたしがかつて 退けたもの 見のがしてきたものを まこと この手に持たせてください。


≪ 最後のうた ≫ より ( 二 )

  死はラーフ(悪魔)のように ただ影をなげかけるだけ
  生命の聖い甘露までは その無感覚な口に 呑みこむことはできない
 
  このことを たしかにわたしは知っている。

  愛の永遠の価値を 完全に騙し取る
  そのような掠奪者が 世界の洞窟の奥深くにひそんではいない

  このことを たしかにわたしは知っている。

  この上もない虚偽を そのうちに秘めた見せかけであったという
  存在のこの日常の汚点が 世界の法とともに存続するものではない

  このことを たしかにわたしは知っている。

  ものみなは 小止みない変化のうちに 迅速に移ろいゆく
  これこそ 時の法則。  死は どこまでも不変のものとして現れる。


≪ 最後のうた ≫ より ( 十三 )

  初めての日の太陽が 新しい存在の出現にあたって たずねた

  おまえは誰か ?  返事はなかった。

  年また年は過ぎ去り 最後の日の太陽が  静かな夕暮れ
  西の海の岸辺で 最後の問いをなげかけた

  おまえは誰か?  答えはなかった。



タゴールのように人生を達観できる人は稀かも知れませんがね。 
私なんぞここ数年で二度の大病を経験しましたが、平静を装ってはいたものの 心の中は オロオロでした。

人間 生きているあいだは死なないようです。  まぁ そう単純に考え 生き切りましょう!

私の仲間(ハンドルネーム・白頭人)のHPにもインドの旅がある。是非クリックしてみて下さい。
今月インド南部にも出向くようですよ。
 
   白頭人・世界紀行

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