以前 『 戦争と平和 』 を読み始めたが途中でくじけて中断、DVDに切り替え映像で観たことがあった。
私の読書歴もざっとこんな軟弱なものだが、今回はリベンジでこのトルストイ晩年の長編 『復活』 を読み終えた。
ストーリーは愛のドラマだが、19世紀末の帝政ロシアは農奴制度も残る時代、支配階級への腐敗暴露や形式ばかりの
教会の権威への反抗、そして罪と罰。 人はいかに生きるかを追求し続けたトルストイならではの不朽の名作だ。
この小説 『復活』 のあらすじはこうだ。
若い貴族ネフリュードフ公爵は殺人事件の裁判に陪審員として出廷するが、被告人である若い女を見て驚く。
彼がかつて愛し捨てた女・カチューシャであった。カチューシャは彼の幼い子供を亡くし娼婦に身を落としていた。
殺意はなかったとして、情状酌量に値するとの結論だったが手違いでシベリア4年への徒刑が宣告された。
ネフリュードフは罪の意識に目覚め、恩赦を求めて奔走し彼女の更生に人生を捧げる決意をする。
心を閉ざすカチューシャと罪に苛まれるネフリュードフ ・・・・。
一貫してネフリュードフの罪を問い正す。 トルストイ いや 読者自らに対する如くに ・・・・。
トルストイといえば無抵抗・無教会・無政府主義のユートピアを築かんとし、時のロシア正教会から破門(1901年)
されたこともある反骨の作家である。
そのユートピア思想を引き継がんと1万人ものトルストイアンが、シベリア牧草地帯近の旧ノヴォクズネツクにコミューンを作った
ことでも知られ、当時のスターリンにより解体を余儀なくされ、兵役への拒否で収容所へ送られもした歴史をもつ。
この『復活』では虐げられた農民への共感そして国家権力にも反発、土地所有にも言い及ぶ・・・。
『土地というのは個人の私有財産の対象にはなりえないんだよ・・・・だから土地のもたらすものは
すべて、あらゆる人々の持ち物というわけさ』
当時のロシアでは当然検閲も厳しく、上記の箇所を削除されたり修正を余儀なくされたとのこと。
(本書は完全復元版でしたが、他修正・削除された箇所もかなりの文字数に上っていたようだ。)
人間は誰でも限りなく罪深い存在であり、自己の罪を棚上げし他人の罪を裁くものだ。
この裁くなかれの思想や、悪に対して憎しみで対抗してはならずの思想もしかり。私有財産への思いも・・。
これらは、現在の世からすれば 一笑に付される ≪極論≫ そのもの なのかも知れない。
でも所詮 妄想・迷信・偽善ばかりに固められた今の世の中でしょうが ・・・ ≪ 極論 ≫ でいいじゃないですか。
ロシア民謡・カチューシャ (クリックしてみて下さい)
カチューシャとはロシア女性の愛称だそうで、髪に飾るカチューシャはこの小説『復活』の主人公・カチューシャに由来とのこと。
それにしても トルストイは ロシアは 深い。
私の読書歴もざっとこんな軟弱なものだが、今回はリベンジでこのトルストイ晩年の長編 『復活』 を読み終えた。
ストーリーは愛のドラマだが、19世紀末の帝政ロシアは農奴制度も残る時代、支配階級への腐敗暴露や形式ばかりの
教会の権威への反抗、そして罪と罰。 人はいかに生きるかを追求し続けたトルストイならではの不朽の名作だ。
この小説 『復活』 のあらすじはこうだ。
若い貴族ネフリュードフ公爵は殺人事件の裁判に陪審員として出廷するが、被告人である若い女を見て驚く。
彼がかつて愛し捨てた女・カチューシャであった。カチューシャは彼の幼い子供を亡くし娼婦に身を落としていた。
殺意はなかったとして、情状酌量に値するとの結論だったが手違いでシベリア4年への徒刑が宣告された。
ネフリュードフは罪の意識に目覚め、恩赦を求めて奔走し彼女の更生に人生を捧げる決意をする。
心を閉ざすカチューシャと罪に苛まれるネフリュードフ ・・・・。
一貫してネフリュードフの罪を問い正す。 トルストイ いや 読者自らに対する如くに ・・・・。
トルストイといえば無抵抗・無教会・無政府主義のユートピアを築かんとし、時のロシア正教会から破門(1901年)
されたこともある反骨の作家である。
そのユートピア思想を引き継がんと1万人ものトルストイアンが、シベリア牧草地帯近の旧ノヴォクズネツクにコミューンを作った
ことでも知られ、当時のスターリンにより解体を余儀なくされ、兵役への拒否で収容所へ送られもした歴史をもつ。
この『復活』では虐げられた農民への共感そして国家権力にも反発、土地所有にも言い及ぶ・・・。
『土地というのは個人の私有財産の対象にはなりえないんだよ・・・・だから土地のもたらすものは
すべて、あらゆる人々の持ち物というわけさ』
当時のロシアでは当然検閲も厳しく、上記の箇所を削除されたり修正を余儀なくされたとのこと。
(本書は完全復元版でしたが、他修正・削除された箇所もかなりの文字数に上っていたようだ。)
人間は誰でも限りなく罪深い存在であり、自己の罪を棚上げし他人の罪を裁くものだ。
この裁くなかれの思想や、悪に対して憎しみで対抗してはならずの思想もしかり。私有財産への思いも・・。
これらは、現在の世からすれば 一笑に付される ≪極論≫ そのもの なのかも知れない。
でも所詮 妄想・迷信・偽善ばかりに固められた今の世の中でしょうが ・・・ ≪ 極論 ≫ でいいじゃないですか。
ロシア民謡・カチューシャ (クリックしてみて下さい)
カチューシャとはロシア女性の愛称だそうで、髪に飾るカチューシャはこの小説『復活』の主人公・カチューシャに由来とのこと。
それにしても トルストイは ロシアは 深い。
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