無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

雑記・・・その10(TPP)

2015年07月31日 | Weblog
最近、とあるスーパーで買い物をしていたら、商品パックに「非遺伝子組み換え作物使用」との表示があった。
私は、一瞬「非」を見落とし「へえ~、遺伝子組み換え作物と表示してある。なんと勇敢な!」と思ってしまった。

すぐに「非」が付いているのに気が付き、「ああ、TPP交渉妥結後の対策をもう採り始めているのだな」と納得した。

もう「遺伝子組み換え作物は使用しておりません」といった今までの表示はTPP「自由貿易」の障害として、そんな表示はしてはいけない事になるからだ。

そのことから、今日はもうすぐ妥結されるであろうTPPについて、戦争法案(今日本国民にとって一番重要な事)を一旦離れて書いてみたい。

端的に言えば、TPPはアメリカの世界経済支配の為の取り決めである。

安倍自民党政権の嘘で良く使われるのは、

「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。(自民党公約)



左のパロは別にして、右が選挙時の自民党ポスターである。

そして、自民党が圧勝すると、すぐこのポスターに反してTPP交渉に参加した。
それを野党が咎めると「5品目の聖域は死守するから交渉に参加してもいいじゃないか」と言った。
今では何と言っているか。

「自分の主張ばかりしていては“交渉”にならない。」(陰口:だったら最初から交渉に参加するなよ)

つまり、聖域など無くなり、アメリカの言う通り完全関税ゼロとなる。(段階的にでも)

日本のメディアは、「TPP加入で○○はこれだけ安くなる」と政府PRに余念がないが、私から言わせると「関税を撤廃するのだから輸入品が安くなるのは当たり前」なのだ。

問題なのはTPP加入の条件に付いている、ISD条項だ。

自民党ですら、2012年12月の選挙時には「国の主権を損なうようなISD条項には合意しない」と公約に明示している。

先に言っておくが、「国の主権を損なわないようなISD条項」など存在しない。

と、ここまで書いてネタを拾おうと植草一秀氏のブログを見たら、ちょうど適当なのがあったのでコピペで済ますことにした。

植草一秀の『知られざる真実』より抜粋。

2012年の総選挙のとき、安倍自民党は6項目の公約を明示した。


わが党はTPP交渉参加の判断基準を明確に示します。

<TPP交渉参加の判断基準>

1 政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

2 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

3 国民皆保険制度を守る。

4 食の安全安心の基準を守る。

5 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。

6 政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。



この1番がよく問題にされてきた、

自由民主党は「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対の立場をとった。

そして、ここでいう「聖域」として、コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖の5品目が挙げられてきた。

しかし、6項目の公約のなかで最重要の公約は5.の「ISD条項は国の主権を損なうものであるから、これには合意しない」というもの。

ところがNHKの報道(20150727)では、

「ハワイで開かれているTPP=環太平洋パートナーシップ協定の首席交渉官会合で、参加各国は海外に進出して損害を受けた企業が、国際的な仲裁機関に訴訟を起こす「ISDS」条項について、導入する方向で最終調整に入る方針を確認しました。

この制度を巡っては、企業の海外進出に積極的なアメリカや日本が導入を求める一方、過去に訴訟で多額の賠償金の支払いを求められたとして、オーストラリアや一部の新興国が慎重な姿勢を示し協議が難航していました。
こうしたなか、参加各国は、導入に慎重な国に配慮する形で、明確な根拠のない訴えは速やかに却下することや、訴えられる期間を一定の年数に制限することなど、乱用を防ぐ規定を設けることを前提に導入する方向で最終調整に入る方針を確認しました。」


安倍晋三自民党の選挙公約はどこに行ったのか。

NHK報道は

「このISD制度を巡っては、企業の海外進出に積極的なアメリカや日本が導入を求める一方」と驚くべき事実を伝えている。

おかしくないか。

安倍自民党は2012年12月の総選挙の際に、この「主権を損なうようなISD条項は合意しない」と確約しているのだ。

ISD条項に「国の主権を損なうISD条項」と「国の主権を損なわないISD条項」があるのではない。
「ISD条項=国の主権を損なうもの」であるから「ISD条項に合意しない」ことが公約に盛り込まれたのだ。

いま交渉中のTPPにISD条項が盛り込まれることになるなら、100%日本のTPP参加はない。

それが、安倍自民党の選挙公約だった。

安倍晋三政権の日本破壊活動=民主主義破壊が止まらない。



ISD条項というのはNHK報道である通り、TPP参加各国は海外に進出して損害を受けた企業が、国際的な仲裁機関に訴訟を起こし損害賠償を請求することが出来る制度である。

平たく言うと、TPPが成立すると「自由貿易を阻害する行為は訴訟出来、損害賠償を請求出来る」事になるのです。
従って日本政府が被災地の産業・農業を保護育成しよう(日本の皆さん被災地の農産物を買って復興支援しましょう!)としても、それは外国から自由貿易を阻害するものとして訴訟され損害賠償金を支払わされる事になるのだ。

今、日本のマーケットでは「遺伝子組み換えではありません」との表示が目に付くが、TPP参加により、この表示は自由貿易にとって「不当」(自由貿易を阻害するもの)とされ表示してはいけない事となる。

遺伝子組み換え作物の推進者であった英国の博士が、研究を重ねた結果、遺伝子組み換え作物を食べた動物に生殖機能の低下や発育不全や免疫異常が起こることが判明し「遺伝子組み換え作物」の危険性を告発するに至ったのである。

遺伝子組み換えコーンの様に普通は無害な遺伝子が「組み換え」により「アレルゲン」に変化したといった性質が大きく変わってしまった遺伝子は43種も見つかっている。

こうした大きな変化を遂げた遺伝子組み換え作物が米国や規制機関にその危険性を認識されないまま食品として売られており、アメリカは発展途上国アフリカやオーストラリアやインドにこの遺伝子組み換え作物を普及させようと、世界を回って説得して規制を緩めさせている。
日本もTPPを受け入れたらアメリカの緩い規制を受け入れざるを得ません。

名目は「完全自由貿易」の為。

狂牛病検査も然り、全てアメリカの言うなりです。

日本の国民皆保険制度や食管制度や食の安全も崩壊します。(下の記事参照)

「TPP交渉は最初から危惧したとおり、アメリカから『これも譲れ』『あれも譲れ』と一方的に攻められている。

それに対し日本政府が『譲歩』すると、メディアは交渉『前進』と書くのです。

国民生活を壊し、医療制度を崩壊させ、日本の農家を壊滅させるのがTPPの本質で、日本が交渉して(TPPに加入して)得るものは何一つない。

しかし、TPP妥結が国益だと勘違い?している大メディアは安倍政権の『譲歩』を評価し、『頑張っている』と書く。

国民から見れば、詐欺にあっているような話です。」
東大教授・鈴木宣弘氏=農政)

ISD条項が如何にヒドイかは、前にも書いたが、念のため載せておく。

ISD条項は自由貿易を阻害する行為を訴訟し損害賠償を請求出来るという、完全自由貿易実現の為の規則なのですが・・・。

アメリカからの輸入品にカナダが自国で禁止している物質が含まれているため輸入をストップしたら、アメリカから「お前のところの規制が厳しすぎるのだ」と提訴され損害を被ったと賠償金を取られてしまったのだ。

さて、このISD条項で取引している国の例(少し前の資料だが…)

◎アメリカ企業がカナダに対して起こした28件の訴訟=カナダが全敗、全て損害賠償を支払い。

◎アメリカ企業がメキシコに対して起こした19件の訴訟=メキシコが全敗、全て損害賠償を支払い。

◎カナダ・メキシコの企業がアメリカに対して起こした19件の訴訟=アメリカが全勝。(お咎めなし、当然賠償金なども払わない)

TPPに加入して有毒物質が入っているから輸入しないとしてアメリカからの輸入を拒否すれば、日本は訴えられて賠償金を取られることは上のデータから目に見えているのです。
狂牛病の牛の日本独自の検査基準も損害賠償を取られる対象になります。
遺伝子組み換え作物もどんどん輸入せざるを得なくなります。

自由貿易という心地よい言葉と裏腹に日本国民にとってTPPに加盟して良いことは一つもありません。

それこそ、アメリカの経済体制・仕組みに取り込まれるだけの話です。

今日はここまで、またね。

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