とある世界の片隅で、国民を虐待する独裁国家が生まれようとしている。
その最も大きな原因は権力者(政官財の支配者層)がマスメディア全体を完全に自分の傘下に収めてしまったからだが、国民はまだそれに気がついていない。
今日はこのことについて話を進めたい。
先の参院選で自民党が圧勝し、それまで「安倍首相、ネジレ解消に決意」とか報道していたマスメディアはその参院選で自民党が圧勝しネジレが解消したとき、マスメディア(下は週刊誌)は一瞬、下記のように報道した。
■「日本の選択」(参院選結果) 1億3000万人の後悔
消費税アップ・憲法改正・公共事業…安倍自民 さあ、やりたい放題。
■ 史上最低最悪の参院選を撃つ 自民圧勝 ニッポンの「終わり」が始まった。
その後、マスメディアは安倍自民政権の「やりたい放題」や「日本の終わり」の進行状況について一切報道していない。
そう、日本全国の国民が後悔するという「やりたい放題」を批判しないのだ。
その後の(=現在の)「終わりが進行している日本」についての報道がないのだ。
それは何故か!
そう、マスメディアが政府(お上)に完全に掌握されてしまっているのだ。
「テレビ界」も「新聞社」も、そして「NHK」や、美味しんぼの休載で分かる通り「出版業界」まで支配層(政財官)の圧力に屈してしまっているからだ。
外国のジャーナリズム(ニューヨークタイムス等)が指摘する様に、日本はわずか1ダース(12社)の取材しか許さず我々(有力外国新聞)が取材を求めても「記者クラブに所属していないから」と取材を拒否される状態で、海外の「報道の自由ランキング」(2014.03.12発表)に於いては日本は59位となり、先進国で最も報道の自由のない国(台湾・韓国より下)とされているのである。(昨年53位から更に報道の自由がない国となったのだ。)
今日は、記者クラブについてのブログがあったので、「記者クラブ」を中心にショートコメントを書いておきたい。
■記者クラブとは、名目上、政府機関、地方自治体、各界団体、大企業などのニュース・ソースに出入りする取材記者が、相互の親睦のためにその内部に自発的に結成された会、ということになっています。
しかし実際には、取材記者が情報源に接するための前線基地として機能しており、日本の報道活動の上で重要な機能を担っています。
全国に400以上ある大小の記者クラブでは、膨大な発表内容の処理が共同で行われ、記者同士の情報の共有や記者会見の主催なども行われます。
一般に記者クラブに加入できるのは、日本新聞協会か民間放送連盟に加盟している会社がほとんどで、記者クラブ室や共同記者会見へは関係者以外の出入りが厳しく制限されています。
定例記者会見への外国人プレスやフリージャーナリスト等の参加を認めている記者クラブは殆どありません。
記者クラブは「内輪の仲間」という意識が強く、情報の安定供給も目的としているため、加盟社のどこかが他社を出し抜いて報道することを極端に嫌います。
このため記者クラブは特定の社の出し抜きに対して、クラブからの除名などの制裁措置を取ることがあります。
さらに、共同で情報源(情報提供者)と接触するため、仲間うちの連帯意識の中で「記事にできる情報」と「記事にできない情報」の分類が成立することになります。
したがって、記者クラブ体制の元では取材競争は抑制され、画一的な情報源を各社が自社のスタンスに見合うように脚色しただけの記事が新聞に掲載される傾向が強くなります。
記者クラブ加入社の例(永田クラブ)
朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・日本経済新聞・産経新聞・東京新聞・北海道新聞・西日本新聞・京都新聞・中国新聞・ジャパンタイムズ・NHK・日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京・共同通信・時事通信
(注)地方紙は共同通信・時事通信から情報を配信されて記事にしている。
■ 記者クラブの歴史
※ 日本の記者クラブの歴史は明治時代にはじまった。
※ 1890年(明治23年)第1回帝国議会が開催されたが、議会側が示した新聞記者取材禁止の方針に対して、『時事新報』の呼びかけで「議会出入記者団」が結成され、取材用傍聴席の確保等を協力し合ったのが始まり。
これが、日本新聞協会が「記者クラブは公権力に情報公開を迫る組織として誕生した歴史がある」とする所以である。
※ その後すぐ、これに全国の新聞社が合流し、名称を「共同新聞記者倶楽部」と改めた。
※ この当時の記者クラブの実態は数人の記者のたまり場にすぎず、中級官僚に面会できる程度であった。
※ 大正時代に入ると本格的な記者クラブがつくられ、昭和初期までに記者クラブは「取材の自由」を勝ち取っていった。
※ しかし、太平洋戦争が始まると記者クラブは変質する。
※ まず、日米開戦前の 1941年5月新聞統制機関「日本新聞連盟」が発足。
※ その年の11月28日「新聞の戦時体制化」が決定され、日米開戦後に新聞連盟の設けた「記者会規約」により加盟は記者個人から会社単位となり、役所の発表を取材して右から左へ発表報道をおこなう翼賛クラブだけが記者クラブとして認められた。
※ こうして1官庁1記者クラブの「記者クラブ」は取材組織として公認され、国家体制に組み込まれた記者クラブ制度が始まった。
※ 記者クラブはだんだんと政府発表を政府の意向通りに報じる「御用記者クラブ」と化していったのである。
※ 戦後、GHQは記者クラブの解体を執拗にせまった。
※ 「記者クラブ」は報道の自由や取材の自由を踏みにじる組織であるとして「取材組織」から世界一般の「親睦団体」への転換をせまったのだ。
※ 日本新聞協会はこのGHQの要請(強制)を受けて、『記者クラブに関する方針』を作成し、記者クラブを「親睦社交を目的として組織するものとし取材上の問題にはいっさい関与せぬこと」と規定した。
※ しかしこれはGHQの執拗な強要にその場を繕ったものであり、実態として「記者クラブ」は「親睦団体」の建前のもと、戦争中と同じように「取材組織」としての活動を続けていったのである。
※ その後「報道協定」(=分かり易い例は誘拐事件の報道規制)により、役所と記者クラブで対立が生じた。
※ 役所は報道協定等によって報道制限や取材制限を記者たちに求めた。対して記者クラブは報道の自由や取材の自由を旨とし、そう主張した。
※ こういった対立の末1970年以降、政府・官僚は「記者クラブ」の指揮権を公然と認めるようになった。このころからテレビやラジオも記者クラブ制度に加わっていった。
※ 1978年、日本新聞協会は「記者クラブ」の目的について「親睦」に加えて「相互の啓発」を挙げた。(78年見解)
※ 1997年、日本新聞協会は記者クラブを「公的機関が保有する情報へのアクセスを容易にする『取材のための拠点』」と改めた。(97年見解)
※ 2002年、新聞協会は、記者クラブは「取材・報道のための自主的な組織」であるとの見解を出した。
上はウィキペディアより引用したもので、そこには続いて「記者クラブ」の利点と弊害が、その例とともに並べられている。
長くなるので、利点は略すが概略下記の通り。
■「記者クラブ」擁護派は、記者クラブ制度は憲法で保障されている「国民の知る権利」を確保するために必要だ、としている。
■ 日本新聞協会は記者クラブの機能を「公的情報の迅速・的確な報道」、「公権力の監視と情報公開の促進」、「誘拐報道協定など人命・人権にかかわる取材・報道上の調整」、「市民からの情報提供の共同の窓口」と定義している。
■ 日本新聞協会は入会資格を「公権力の行使を監視するとともに、公的機関に真の情報公開を求めていく社会的責務」「報道という公共的な目的を共有」「記者クラブの運営に、一定の責任」「最も重要なのは、報道倫理の厳守」と説明している。
弊害について述べる。もう一度、「記者クラブ」の歴史を振り返って見て下さい。
GHQは戦中の大本営発表をする「記者クラブ」を「報道の自由や取材の自由を踏みにじる組織」であるとして記者クラブの解体、「取材組織」から世界一般の「親睦団体」への転換をせまった。
それに対し、新聞協会は「分かりました。記者クラブは『親睦団体』で取材とは一切関わりません。」と見せかけ「報道の自由や取材の自由を踏みにじる組織」(GHQ見解)をそのまま存続させたのである。
◎政府や公共機関が記者クラブという特定の組織のみに情報を提供する事こそが「国民の知る権利」を侵害するもの(憲法に違反した行為)なのだ。
◎海外から「報道の自由ランキング59位」と日本が「報道の自由がない国」と批判されるのは、正にこの記者クラブの閉鎖性と排他性によるものだ。
① 情報カルテル化して、記者クラブ加盟報道機関が非加盟の組織やジャーナリストを排除する。
② 加盟したくてもできないメディアやジャーナリストにとっては不当な差別である。
③ 加入報道記者は、記者クラブに頼るうちに、独自取材する力が低下する。
④ 記者クラブというムラ社会の中で「黒板協定」「クラブ協定」「しばり(縛り)」などと呼ばれる「加盟社が順守すべき約束事」が出来上がっていて、独自の取材活動が阻害される。
◎確かに横並び意識は報道機関にとっても都合がよい。
特に新聞は戸別配達制度で部数が安定しており、取材コストを掛けて良い記事を書いても部数が伸びる見込みはない。
よって取材は程々で良く、特オチを避けて無難に過ごせば、エリートサラリーマンとして一生安泰である。
◎政府やお役所等公的機関では、記者クラブ以外に広報など便宜を積極的に図らないケースが多く、加盟社でないと十分に取材が行えない。
◎政府やお役所(取材源側)が記者クラブ=親睦団体だとの建前を利用し、「官報接待」などを行うことも多々見受けられる。
①記者クラブに属する報道機関のトップクラスが安倍首相と頻繁に会食。(これは「首相の1日」として公にされているので、ガセネタではない)
②日本では記者が政治家から食事をご馳走になるのは当たり前、政治家が外遊する際には同じホテルに泊まり「政治家と記者はよいお友達」になることがメディア(その社)では「良い記者」とされ出世している。(河野太郎衆院議員談)
③こんな政治とマスコミ(記者クラブ)の癒着は日本以外、他の民主主義国ではありえないことなのだ。
◎ニューヨーク・タイムズ東京支局長のファクラー氏は、「記者クラブは官僚機構と一体となり、その意向を無批判に伝え、国民をコントロールする役割を担ってきた。記者クラブと権力との馴れ合いが生まれており、その最大の被害者は日本の民主主義と日本国民である。」と述べている。
①主要メディアが報じる捜査情報について「検察が記者クラブを通じておこなう『リーク』に依存している」と指摘されることがある。
また、検察側は自己に不都合と考えられる報道をおこなった加盟報道機関に対しては検察関連施設への「出入り禁止」措置を取ることがある。
西松建設事件に際しては、記者クラブ加盟報道機関である東京新聞が西松建設から献金を受け取った政治家の1人である二階俊博の件についての記事を掲載したことに対し、検察は「取材拒否」および東京地方検察庁への「3週間の出入り禁止措置」を取った。
この一件以後、記者クラブ加盟報道機関は完全に検察および自民党に有利な報道をおこなうようになったといわれている。
◎日本に存在する記者クラブのほとんどは、専用の記者室を取材対象側から無償もしくは低額で割り当てられ、情報提供などを独占的に受けている。
光熱費などの運営費も負担しないケースも多い。
このような政府・役所等公共機関からの便宜供与で年間110億円、全国紙1社あたり数億円の負担を免れている。
◎これまでOECDやEU議会などから記者クラブの改善勧告を受けているが、一貫して大手メディアは記者クラブに関する事柄を報道しないため、日本国民が記者クラブの持つ閉鎖性を知る機会が限られてしまっている。
あなたも上の記事を読んで日本のマスメディアが腐ってしまっている(=政府広報となっている)事に気がついて下さい。
そうしないと打ち上げに失敗したのに、ニュースで「成功した人工衛星から将軍様を称える歌が流れています。」とその様子(歌)を流し、それを信じ込まされるどこかの国民と同じになってしまいますよ。
最近でも「消費税増税」や「秘密保護法」や「集団的自衛権行使の憲法解釈変更」や「TPP」等々について正確な情報が流れてこない。
最後に「集団的自衛権の影で様々な悪法が国民に知らされないまま国会を通過している(=立法化されている)」と書いてあったブログを載せて「虐げられていく国民」のさわりとしたい。
安倍政権は、世間が集団的自衛権に目を向けている間に、その影でひっそりと19もの国民にとって良くない法案を衆議院で通過させてしまった。
その法案とは以下のとおりです。
・医療法
・介護保険法
・診療放射線技師法
・歯科技工士法
・外園医師等に係わる関連法
・公的介護施設等整備促進法
・地域医療・介護総合確保推進法
・生活保護法
・社会福祉士等の一部改正法
・看護師等人材確保推進法
・老人福祉法
・老人保健法
・医療法等の一部改正法
・歯科技工士法一部改正法
・臨床検査技師等関連法
・保健師助産師看護師法
・高齢者医療確保関連法
・歯科衛生士法
・国民健康保険法
これらの法案の内容をあなたはテレビ・ラジオ・新聞から知らされていますか?
早い話が、これら全て、国民の負担を増やし、支給を減らそうという国民にとっての改悪法なんです。
そんな19本の法案があっさり通過したのです。
しかも安倍政権は、集団的自衛権での答弁で時間を割き、これら法案は一括採決という、野党に質疑の時間を与えない姑息な手段をとったのです。
もちろん憲法改正や集団的自衛権などの解釈改憲も、安倍政権の要であることには変わりはなく、その意味で大事な議論です。
しかし、その影で詐欺ともいえる社会保障削減の法案を抱き合わせに通過させるとは、あまりに卑怯なやり口ですね。
このブログの方は続けて「参議院を通過させないためにこれらの法案審議(参院での)を監視する必要があります」と書いていますが、国民はネジレを解消させてしまっているのです。
マスコミが騒ぐことなく(国民に内容を報道することなく)国民を苦しめる悪法が国民の知らない内に「××法が参院でも賛成多数で可決され、××法が成立しました。」の瞬殺報道でチョンとなることに間違いはないのだ。
日本国民の「知る権利」は閉ざされている。
それを打破するには、まず「記者クラブ」の開放をデモでもして(行動で)求めなければならない。
今日はここまで、またね。
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