無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

ファシズムへの道…その3

2008年04月03日 | Weblog
前回の日記で言い足りなかったことは、この「歌えるように」指導するという「軽微な」修正(毎日新聞)によって、しばらく経ったら全小中学校から大きな声で全生徒が「君が代」を歌っている風景がみられる結果となる、と言うことである。

その点、毎日新聞より、昨日の産経新聞の記事のほうが良く分かっている。

「歌えるように指導する」を「主な修正」とし、「一部の教員が卒業・入学式などで国旗・国歌の指導をないがしろにする(生徒に歌わせていない・国旗に敬意を表さない)ケースが依然としてあり、(この修正により)是正が期待される。」とこの改正の意図をしっかりと掴んでいる。

教師は生徒に声を出して歌わせないことには「歌えるように」指導していないとされ、教師生命を絶たれることになる。
今や、国家(政府)にとって、改正教育基本法が錦の御旗、黄門様の印籠となっている。
政府を縛っていた教育基本法が、逆に政府の行なう愛国心教育の正当性の根拠となってしまった。

国語の読み聞かせの例示に「神話」(無風注:神武天皇が登場、皇国史観教育が行なわれる授業)が加わり、社会では「政治および宗教に関する教育を行う」事とし、道徳教育の目標に「愛国心」を加え、道徳教材に「先人の生き方」となっていたのを「伝記」に改めた。
(無風注:また、乃木大将や東郷平八郎といった立派な人達が「伝記」として登場することになる)

小中学校いずれも総則で「これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする」と付け加えた。
この学習指導要領の「目標を達成するように」は、先生・教師に「国の言う通りに教育しろ、この通りやらない先生・教師は許さんぞ!(クビだ!)」という意味である。

私としては、この「学習指導要領の告示」はもっともっと国民に問題提起されなければならない身の毛もよだつ出来事なのだが、マスメディアは、ほとんど報道しないまま政府の手によって、国民の自由が奪われていく。私がマスメディアの犯罪という所以である。いつか来た道…。

■さて、今日の話に入る。

4月1日はガソリンスタンドに車の行列が出来た。
“ガス欠”の不安に耐えこの日を迎えた庶民も多かったことと思われる。
そのガソリンスタンドの列に、庶民の必死の涙ぐましいやり繰りを見た思いがして、思わずニッコリ微笑んでしまった。
3年前から比べるとまだまだ高値だが、それでもやはり「安くなったな」と実感する。

そんな、庶民にとって何年ぶりかの(久々の)“良いこと”を、政府・マスコミ・地方が束になって潰しにかかっている。

(1)福田首相:「暫定税率廃止となれば年間2兆6000億円の税収不足だ。医者不足や救急医療、地球環境問題への取り組みの財源をどこから持ってくるのか」
「これを引き下げ、二酸化炭素(CO2)排出を助長する方向でいいのか」
道路特定財源を2009年度に一般財源化する際のガソリン税の税率について「少なくとも今の水準は維持しなければいけない」と述べ、暫定税率分も含めた税率を維持すべきだとの考えを示した。
「ガソリンが安くなると、国民に『自動車に乗ってガソリンを大いに使って』と奨励する雰囲気になる。環境問題を真剣に考えている国々が『逆行だ』と思うことはしたくない」
「ガソリン税が引き下げられたままでは2兆6000億円もの財源が失われ、幅広い住民サービス見直しにつながりかねない。しっかりした財源の確保が不可欠だ」

首相、ガソリン「暫定税率を維持」・再可決の方針
福田康夫首相は29日、首相官邸で日本経済新聞などと会見し、ガソリンにかかる揮発油税などの暫定税率について「少なくとも(1リットルあたり約25円の)今の水準は維持しなければならない」と表明した。
暫定税率は参院が同改正案の審議を拒んで期限が切れても、衆院の可決から60日がたつ4月末に全議席の3分の2を握る衆院で再可決すれば、いったん下がった税金を引き上げられる。町村信孝官房長官は同日、都内の講演で「恐縮だがまた上げさせていただきたい」と語り、再可決への理解を求めた。(日経29日 20:38)

首相は「ガソリン税が引き下げられたままでは、2兆6000億円もの財源が失われ、幅広い住民サービス見直しにつながりかねない。しっかりした財源の確保が不可欠だ」と説明。「人気取りに走るのではなく、必要なことであれば国民に負担をお願いするのが、国民の生活と経済を守るべき政治の責任だと考えた」と訴えた。
さらに、「(暫定税率復活の)大前提として、税金にムダがあってはならない。すべての支出で『ムダ・ゼロ』を目指し、公益法人の在り方や不透明な天下りを徹底的に是正する」と強調している。

■ここで、「なるほど、政府(首相)も苦労していて大変だな」と納得し、民主党は政権取りの為だけに“むりやり・なんでも反対・ごり押し”して首相を困らせている悪者だ、と政府(首相)に同情する人の為に、権力者とその代弁者となったマスメディアの手口を少々書いておく。

*肥大化した官僚組織及び税金をふんだくってつくった天下り先(独立行政法人等)の“湯水のような税金のムダ使い”に批判があることを頭に入れて福田首相は「(暫定税率復活の)大前提として、税金にムダがあってはならない。すべての支出で『ムダ・ゼロ』を目指し、公益法人の在り方や不透明な天下りを徹底的に是正する」としている。これは正論であるが矛盾した発言でもある。

「暫定税率復活の大前提として税のムダ使いを徹底的に是正する」のが先決であり、それをやった後に、それでも暫定税率2.6兆円には足りませんでしたので、その不足分を暫定税率として戻してください、というのならまだ分かるが、34年間も国民に黙って取り続けていた「暫定」的な税の倍取りを、何故1ヶ月後に衆院で数にものを言わせ、そのまま(倍の税率のまま)再議決しようとするのか!
大前提を実行しないまま、1ヶ月後に元に戻すことが当然のように発言し「国民を混乱に陥れる」民主党、を悪者に仕立てようとする政府・マスメディア。(「ねじれ国会」も「悪いこと」にされてしまった。)

国民はこの矛盾に気付くべきだ。政府・マスメディアに騙されてはいけない。

政府から予算をつけてもらったのでは国民の為の報道が出来ないとして、国民から直接もらう受信料でなりたっているNHKは、その意図に反し、今では全く政府の広報活動に従事するようになってしまった。

4月2日のNHKニュースは、暫定税率期限切れで安くなったガソリン代に対し「国民の混乱」を映し出すのに“必死”の感があった。
安くなって喜んでいる庶民の声を映し出さずに「まだ地下タンクに高いガソリンが残っているので1日からは下げたくなかったのだが、そうもいかなくなって、赤が出てしまう。」「他店との値下げ競争でこのままではやっていけなくなる。」といった小売業者の声をのせ、「1ヶ月だけの値下げ」と決め付け、その間の混乱をあれやこれやと映し出していた。(100円から150円まで上がる間のストック利益は? 通常、在庫して販売している業者はこのようなリスクはどの企業も織り込み済みであり、値が上がるときにはストック分儲かり、値が下がればストック分損をするのは商売では“当たり前”の出来事である。何で今回だけ“大騒ぎ”に報道するのか!)

また、マスメディアは1ヶ月の限定値下げと決め付け、国民もそれが当たり前と思うようにスリコミをして、もう殆どの国民が「1ヶ月後にはまた元に戻るんだな」と思っている。マスメディアの情報操作の力は大きい。

又、その日、暫定税率のニュースの後、窮迫した地方財政の状態を流し、住民に(ガソリン税が下がったのと時を同じくして)4月1日より住民への補助金のカットや税金等の増税(住民への負担増)を報道している。暫定税を廃止したら地方はどうなるのだ、といった政府の言い分をそのまま正当化するような報道の仕方である。
あたかも、ガソリン税の倍取りが出来なくなったのが原因のように…。
格差は、政府の施策により、もう既に「庶民」と「地方」に歴然として存在したのである。夕張市しかり、補助金をカットし政府の援助なしに借金はどうするのかと政府の言いなりにさせた岩国市、また大阪市も赤字財政をどうするのかが市長選の争点だった。
「地方をどうする」は、暫定税率云々以前に政府の施策の誤りによる、政府(行政)の問題だったのである。
その「地方」が団結して「中央」に注文をつけなければいけない失政を「地方」は「庶民」への負担増を強いるという下への付け替えを「ここぞ」とばかりに発表し、政府の策略に引っかかり、「地方」「住民」の対立(弱いもの同志の対立)に持っていっている。

それも問題だが、暫定税率の期限切れと同時に、それらのニュースを報道し、暫定税率を維持しないから起こっている混乱のように報道するNHKも大問題である。

2年間だけ何とか倍の税金下さい、といって成立した期限立法が、国民の了解を取りつけることなく(延長する理由・根拠を国民に明示することなく)34年間も政権政党の手により延長されてきた。(第二次オイルショックの時の延長は理由提示され反対の多い中、延長が可決された記憶があるが、それ以降、全く国民に延長理由の説明が無いまま、ドライバーから倍の税率を取り続けていたのである。)

政府はまず、何故、国民に延長理由を説明し、是非を問わなかったのか?
それを釈明しなければならないはずである。
本来、マスメディアも政府のこの国民無視の行状を咎め、追求しなければならない立場にあるのに、国民に問題提起しなかった(=政府とグルだった)ために、今更追求できようはずもない。
従って、それを隠そうと、政府同様、問題を他(政争の具にする民主党・ねじれ国会・等)に持って行こうと、やっきになっている。

(参考)
ちょっと、話は逸れるが、「ねじれ国会」についての「正論」を載せておく。

※「ねじれ国会」などという言葉が横行し、「政局より政策を優先させろ」などとマスメディアは書きたてた。
そんなごまかしでは、政治のゆがみは正せなかった。

※参議院で野党が与党を上回ったことで起きた衆参ねじれ国会。
国会審議がスムーズに進まず、空転している事を嘆く声がある。しかし、本当にそうか。
   
ねじれていない“正常”な国会の時は、審議が形式的すぎ、不十分だったのではないか。
それが証拠に、社会保険庁や厚生労働省の年金問題、道路整備特別会計を好き勝手に使ってきた国土交通省と天下り先の独立行政法人・・・とまあ、汚れた雑巾を絞った泥水のように汚い話が次つぎと出てきた。

日本という家の管理を委託していた政治家や役人の仕事振りときたら、汚いものを押入れに押しこんで外から見えないようにしていただけ・・・有権者は騙されてきた。
しかし、汚れたモノはいずれ悪臭を放つ。そのことに気づいた鼻のきく有権者が、においの元を探るために選択したのが「ねじれ国会」なのだ。

これが実にいい!この際、しばらく国会にはねじれていてもらいましょう。
政府や市場関係者は「国会の空転は、景気に悪影響を及ぼす」と目先の損得を心配するが、冗談じゃない!見えないところでどれだけ税金が無駄になっていたか。

その損失を考えれば、見える空転のほうがまだ有益だ。

いまこそ有権者は、埃を被ったガラクタをじっくり選別すべきだろう。

税金の無駄遣いを追及する国会へ模様替えするために、ねじれている間に大掃除だ。
ただし、ねじり過ぎて元に戻る事だけはしないでくれ。


■国民のみなさんに、政府(首相)やマスメディア報道に騙されないようにしてほしいと思って書き始めると、今日のようにクドく、スッキリしない文になってしまう。いろいろと書きたい。例えば、政府がだらしなかったツケを国民同士の対立に持っていく権力者のやりかた。

(例…引用開始)

民主党は、在日米軍の為にゴルフ場、ボーリング場、バーなどの娯楽施設の人件費まで、なぜ国民の血税を使って負担しなければならないのか、なぜ億ションを米兵のために建ててやらないといけないのか、という、誰が見てもおかしい「おもいやり予算」に反対の態度を表明した。それに対し、従業員でつくられている全駐留軍労働組合は、2日、民主党の反対方針について、「極めて遺憾」とする緊急要請文をまとめ民主党に送ったという。4月27日の山口補選は闘えないと、選挙協力を見直す考えをちらつかせているという。
岩国市長選挙と同じ構図だ。基地反対より明日の生活だ、というわけだ。それを批判するのはたやすいが、生活を優先させる在日米軍基地の従業員もまた国民なのである。

国民を分断して批判の矛先をかわす。批判のエネルギーを減殺する。

それは政府の常套手段である。

それに巻き込まれてはいけない。…天木氏ブログ引用終り


こういったことを誰でもそうだなと思うように書きたい、分かって貰いたい、と言った気持がクドくなる原因で、逆に読み辛くしている。

暫定税率の正論を引用。

(東京新聞4月2日~引用開始)
一リットル当たり二十五円前後のガソリン値下げが現実になった。

福田首相は会見で「税率水準は来年も維持される可能性が高い」と衆院で再可決し暫定税率復活を目指す意向をにじませた。
政府・与党にも「再可決の強硬手段に訴えても、暫定税率を復活すべきだ」との声が強い。

だが、首相が先に示した再修正案で2009年度からの一般財源化を表明した以上、暫定税率の復活には無理がある。

国民に対して「道路に使う」と説明して税率を引き上げてきたのに、使途を限らないなら“なぜドライバーの負担だけが重くなるのか”の理屈が通らないからだ。
一般財源ならば、社会保障から防衛費、公務員の給料に至るまで何にでも使える。道路利用者だけに重い負担を求めるのでは、受益と負担の原則が崩れてしまう。

一方で、暫定税率をなくした場合、国と地方合わせて二・六兆円の歳入が不足する。この不足分をどうするか。そこで、ぜひ検討してほしいのは、特別会計や独立行政法人に眠る積立金や準備金、いわゆる「埋蔵金」の活用だ。

たとえば、財政融資資金特別会計には2007年度末で17.9兆円に上る金利変動準備金がある。

政府は金利変動リスクに備えたカネと説明するが、専門家や与野党内にも「準備金として過剰だ」という指摘がある。

この一部を「今年限り」で暫定税率消滅の不足分に回してはどうか。
それで与野党が妥協を図ったうえで、あらためて環境税創設や消費税の扱いを含めた抜本改革の議論をすればいい。

財融特会からは〇八年度予算で9.8兆円が国債残高減らしに使われている。
「ストックの剰余金はストックの圧縮に」という考え方からすれば、一般会計への流用は邪道との批判もあるだろうが、納税者に説明できない上乗せ税率を復活するよりましだ

財融特会資金の活用には法律改正が必要になる。
別の特会資金を使う手もあるかもしれない。

再可決に突っ走って、首相が示した一般財源化方針をご破算にしてしまうのは論外である…引用終り

もう一つ、無断転載禁止のきっこの日記から、さわりを引用。

!!!上記引用は、投稿する前に消えてしまった。次回に書き直しますので、次回分と続けて読んで下さい。

今日も、書きたいと思ったことが書けなかった感があるが、最後に天木氏が今の政治について全体的に書いたブログが出ていたので、引用して次回に続く。

(引用開始)
我々の目の前で繰り広げられている今日の諸問題は、つまるところ政治家・官僚の作為・不作為の悪に帰結する。

高見にある権力者が、一般国民を苦しめているのだ。

「名もない組織もまとまりもないバラバラの、だからこそ救われることのない弱者の国民」の日々の生活を、めぐまれた支配層が苦しめている、そういう問題に帰結するのだ。

優秀な(と自らを思い込んでいる)政治家と官僚たちが、“小難しいことなどわからないだろう”とたかをくくって、一般国民を騙し・詭弁を弄し、そして最後は権力にまかせて情報操作して抑えつける、そういう状況が毎日繰り返されている。

世論の主導者を自認するメディア業界と、そのメディア業界に依存する有識者・評論家達が、あたかも国民の味方・正義の味方であるかのように振舞いながら、結局、最後は権力側と慣れ合ってしまう。

決して権力側に嫌われる形で最後まで徹底して闘わない。

その結果、国民を裏切ることになる。

国民はもっと自信を持ってよい。

おかしい事・嫌な事・自分の利益が損なわれることには、素直に声を上げるべきだ。

難しい事はひとつもない。

権力者が言っている事・している事は、実にお粗末なのだ。…引用終り


■またまた、昔の言葉を載せておく。

政治の世界が分からなくても政治のよしあしを判断することは簡単に出来る

→「国民の生活が苦しくなる政治は、悪い政治である






最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2008-04-06 12:29:13
生徒の歌わせるかどうかわしらんが

自分が歌わない起立しない教師は教師失格
やめるべき

思想だ信条だのぬかしたところで「やりたくないからやらない」のであって
成人式で騒ぐアホとおなじレベルである(そんなにいやなら欠席しろ、出てきてそれでは妨害や嫌がらせと変わらん)
サラリーマン…とくにビジネスの世界ではその程度の理不尽は当たり前である
中坊高坊にその程度のことも見せられないようでは話にならん

どんな事情があろうと公の場での国旗国歌への敬意は教えるべきだ
それが最低限、世で界の常識であり
国際的なイベントで要求される
理解できていない日本人が会場にあらわれる…なんと情けないことか

最低限教師は歌え
返信する

コメントを投稿