無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

相手の国にミサイルを撃ち込むことが正義ではない

2013年10月18日 | Weblog
植草氏のタイトル(やなせ・たかし氏の言葉)をそのまま使わせてもらった。

詳しくは植草一秀の知られざる真実を見て下さい。

今日もショート・コメントで行きたい。


子供の頃、地図帳に下図のような日本地図が載っていた。



隣りに現在の日本の領土が比較されて載っていたのだが、それをみて幼い私は「何で日本はこんなに小さくなってしまったの?」と5つ年上の兄貴に訊き、「戦争に負けたからだよ」との返事に、“日本が戦争で負けなければ”と口惜しがった。「残念だなあ」―――これが幼い頃の私がこの地図を見たときの素直な感想である。

同じような例だが、子供の頃、テレビが各家庭に普及して間もない頃に白黒テレビで西部劇が流行った。「ララミー牧場」「ローハイド」「拳銃無宿」「ボナンザ」等々。

この西部劇の中でも、私は例えば、映画「駅馬車」で主人公ジョン・ウエインが白人を殺して頭の皮を剥ごうと駅馬車を襲撃して来る凶暴で残虐な悪いインディアンを「ばったばったとなぎ倒し」ていく場面にカッコいいなと興奮したものだ。


この私の子供の頃感じた上の二例を何故挙げたかと言うと、今の日本のトップが海外に行って「テロとの戦いに積極的に参画していく」(麻生)、とか「日本人を積極的平和主義の旗の誇らしい担い手にしていく」(安倍)「集団的自衛権を行使できない問題に如何に対処すべきか。いま真剣に検討している。」(安倍)と言った発言をしている事とか、ネトウヨのブログ等を見聞きしていると、この私の「子供の考え方」とラップしてくるからだ。

(余談)
それにしても毎日毎日、日本全国の駅やコンビニで発売されている夕刊フジ(日本国民に多大な影響を与える、という面では立派な全国紙)を何とか糾弾出来ないものか。
毎日毎日毎日毎日、韓国の悪口である。韓国経済とか、「韓国の『従軍慰安婦』問題捏造が暴露された」とか、この韓国の『従軍慰安婦』問題捏造に対し日本の「普通の主婦」が抗議に立ち上がった、とか、何ヶ月もトップの大見出しで続けられている。
これでは、どんなに日本に好意を持ってくれている韓国の人でも、日本に悪意を持つこと疑いなし、である。(中国に対しても然り)
こうしてマスコミによって作られた「悪意」が日本に返ってきて、日本国民は「ホラ見ろ!やっぱり韓国は敵国だ!」となってしまうのだ。
そのうち、憎悪の連鎖が続き、“どちらが先に?”が分からなくなり、お互いに自分が正しい、と主張する事になる。

何とか出来ないか?といったのは、「北ミサイル 日本に発射」(4月10日付の大見出し、3面に「今日にも日本に発射」「日本は防衛PC?を配備」、とあるが何も起こっていない)とか「中国、尖閣侵攻、Xデイは8月15日」(記事中にはXデイは8月15日か9月15日とあるが、両Xデイに何も起こっていない)と言った出鱈目な大見出しが一面トップを飾っているが、現実には何も起こっていないという点。
つまり、この報道はウソだったことになるのに、そのウソ記事・デマ記事を糾弾するところも無い。みんなは「三流紙だからウソも平気で書くさ」と芸能関係のゴシップ記事の様に考えているのだろうが、とんでもない。この様な記事は日本の外交に重要な影響を与えるし、国民を「生きた心地がしませんでした(女性キャスター)」といった不安な気持ちにさせる。
私などはこの様な報道に怒って、同社に対し騒乱罪でも適用したくなるのだが・・・。
おかげで日刊ゲンダイまでが「『嘘をつく三流紙』が書いているだけで、大新聞には一つも書いていないではないか」と思われている。(余談終わり)


余談はさておき、話を元に戻す。

《田母神氏が航空自衛隊総隊司令官だった時代、隊内機関紙「鵬友」に投稿した「10の提言」より》

■「専守防衛は相手にとっては痛くも痒くもない」

■「自衛隊の中にも相手国への攻撃について徹底的に考える人たちが必要である」


田母神氏は幹部育成校(統合幕僚学校)の校長も務めた人だが、その時に幹部教育課程に「歴史観・国家観」などの課目を新設し、講師には「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバー2人を起用。
「つくる会」副会長の福地惇大正大教授は「日本国憲法の本質」「大東亜戦争史観」「明治国家と戦後国家」などを講義。
高森明勅国学院大講師は「国家観」「天皇の起源と歴史的意味」などについて講義した。(無風注:内容は育鵬社の教科書内容から、推して知るべし)


■自衛隊にも国民が正しい歴史観を持つためにやれることがある。反日的グループ(自虐史観を教える日教組・偏向報道の朝日新聞等)の努力がわれわれの努力を上回っていたから教科書がどんどん自虐的になった。

■若い幹部や隊員が無知ゆえに反日活動に協力するようなことがあってはいけない。我が国の現状を見れば自衛隊の指揮官、特に上級の指揮官は、いま第二の戦場(学校教育や新聞報道)に目を向けることが大事である。


やはり、書き出すとドンドン話が脇道に逸れて長くなる。

今日は「大東亜戦争は正義の戦いだった」と主張する人達が良く引用する、元タイ国首相ククリット・プラモートの言葉についてショート・コメントしようと思ったのだ。

この言葉は、前回に書いた「頑張れ日本!全国行動委員会」(会長=田母神俊雄・元航空幕僚長)香川県本部設立大会資料としても提供されている。


ククリット・プラモート氏の言葉


「アジア諸国は、日本のお陰ですべて独立した。

日本というお母さんは、難産して母体を損なったが、生まれた子供達はすくすく育っている。

今日、東南アジアの諸国民が米英と対等に話しが出来るのはいったい誰のお陰であるか。

それは、身を殺して仁を成した日本というお母さんがあったが為である。

十二月八日(大東亜戦争突入=真珠湾攻撃の日)は、我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが一身を賭して重大な決意をされた日である。

我々は、この日を忘れてはならない。

更に八月十五日(大東亜戦争敗戦の日)は、我々の大切なお母さんが病の床に伏した日である。

我々は、この二つの日を決して忘れてはならない。」



この言葉が色々なところで大東亜戦争肯定派によって使われているのだが、プラモート氏が何年に何処の講演で話した言葉か、が全てのインターネット検索で表示される項目から抜け落ちている。

ネット検索の中の一つで、この言葉は、学生たちへの講演の際話された言葉で、その冒頭に「諸君等は日本製品不買運動だとか反日とか言って騒いでおるが…」と言った言葉が入っているのを見つけた。今日書こうと思って以前に見つけたその言葉を正確に書き写そうと探したが、いくら探しても見つからなかった。「学生たちに対する講演」という文言も見つからなかった。何年の講演での言葉なのかも検索でゲットできなかった。(これだけはっきりと原文まで載せているのに何年の発言かを載せていない。おかしいと思わないか?(注:ククリット・プラモート氏が記者時代に書いた「12月8日」という書物があるそうだが、内容は分からない)

ククリット・プラモート氏は抗日運動を推進した兄のセーニー・プラモート(この人もタイ首相になっている)氏ほどではないが、反日政治家と言われた人である。

それが、何故、上記の様な発言を敢えてしたのか。

当時、タイを含む東南アジアは「経済破綻の危機」に喘いでいた。
アメリカの意向に従って、日本も経済援助をしようとしていた。
ところが、東南アジアでは華僑や学生達による「反日運動」が活発化しており、当時私も「あんな反日の国に、何で経済援助(円借款)をするのか!その必要は全く無いじゃないか!」「そんな金があったら、もっと日本国の為に使え!」と憤ったものだ。

しかし、タイ国は日本の経済援助は是非共必要なので、日本国政府が私の様な感情を持ち、経済援助を止めるという事態となる危惧を払拭しなければならない。

その為には今「反日」で騒いでいる学生たちの動きを静める必要がある。

その学生達を静める為に発したのが上の言葉なのだ。


日本の円借款後のタイの経済は立て直されたどころか1980年代以降の高度成長は凄まじく、1985年~1995年の10年間は年平均9%の経済成長率を記録したのを見れば、上記の日本におべっかを使ったような言葉はタイの国益上いくらでも発する事が出来るのだ。
逆に言葉一つでこんなに素晴らしい成果を収めることが出来るのだ。言葉の力はすごいものがある。

タイは外交上手の国と言われている。日本の侵攻により抗日から「同盟」を結んだり、日本が戦争に負けるや、日本同様の戦争犯罪の裁判を避ける為に「日本に脅かされてやむを得ず、日本軍に協力させられていたのです。」と連合国を説得して戦争裁判から逃れている。

日本の経済援助を受ける為に発した外交辞令とも言える上の日本に対するオベッカを単純に「いつ読んでも感激する」として「大東亜戦争は正義の戦い」を信じる国民。本当に日本は子供だけの国になってしまったようだ。

もう最近は書くのがイヤになった。阿修羅さんに真っ先に付いてくるコメント等、議論の対象にもならない書き込みが如何に多いことか。

まともな人は、そんなコメントは「意見」や「議論の対象」ではないのだから、無視して取り合わないのが賢明だ。

今日は前にも書いた事を少し羅列して、終わりとしたい。


◎如何に必要に感じようが、如何に正当に感じようが、戦争が犯罪ではないと考えてはならない。(A・ヘミングウェイ)


◎『正しい戦争』とか、『間違った平和』と言うものは在った試しがない。ベンジャミン・フランクリン


◎人類は戦争に終止符をうたねばならない。そうしなければ、戦争が人類に終止符をうつだろう。(ジョン・F・ケネディ)


◎悪い平和は、良い戦争よりも良い。ロシアの古い諺


◎もっとも正しい戦争よりも、もっとも不正な平和を選ぶ。 キケロ


◎誰が何と言っても戦争って汚くて、むごたらしく、嫌ぁなものです。
これも人生の必然ならよろこんでしなければならないんだが…。
ウソッパチの新聞武勇談みたいなことは現代の戦争にはないと思いなさい。
僕には許されても(ウソの武勇談なんか)書けないよ、さいなら 
(「きけわだつみのこえ」より戦没学徒兵の手記)。


◎いかに多くの罪悪が《国家のために》(国益のため)という美名の仮面のもとになされたことか。(マクドナルド)


◎戦争は国民の生活問題を何一つ解決しません!何一つ!
それは働く者(国民)のみじめな状態をさらにみじめにするだけだ。
(マルタン=デュ=ガール)


◎国家は祖国ではない。
それを混同させるのはそれによって儲ける連中だけだ。
(ロマン・ローラン)


◎勝利に終わる戦争と言えども,常に一つの悪であると私は考える。
政治は民衆をそれ(戦争)から守る努力をしなければならぬ。(
オットー・フォン・ビスマルク)


◎往時においては母国のために死ぬことは心地よく、ふさわしいものであると書かれたが、近代戦争では戦死が心地よくふさわしいものは何もない。
諸君は犬のように死ぬであろう。(犬死するだけだ)
(ヘミングウェー)


◎戦争は戦争のために戦われるのでありまして、平和のための戦争などとはかつて一度もあったことはありません。(内村鑑三)


◎戦争とは、最も罪深い連中が権力と名誉を奪い合う状態をいう。(トルストイ)


◎戦争は死です。(ローマ法王ヨハネ・パウロ二世)


◎どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。(ドラえもん)


◎戦争は悪である。たとえ相手が悪だとしても (ジミー・カーター)


◎人類から愛国主義者をなくすまでは, 平和な世界は来ないであろう。(バーナード・ショウ)


◎我々の平和とは?  

 アメリカの武器によって強いられたものではない。墓場の平和, 奴隷の安全でもない。

それは人々が子供達のためにより良い生活を築く希望のある真の平和。永続する平和。

 それを不可能, 非現実的というのは敗北主義である。(戦争は無くならない、戦争は必然と考える者の事)

 人間がもたらした問題は人間が解決できるはず。

 結局の所, 我々は皆この小さな地球に住み, 同じ空気を吸い, 子供の未来を思いやりながら, 命を終えるのだから。
(J・F・ケネディ)


◎世界平和のために出来ることですか?  先ず家に帰って家族を愛しなさい。(マザー・テレサ)


◎暴力に拘わることには全く参加せず、あらゆる迫害に苦しむことを覚悟すれば戦争は無くなるであろう。
 それが戦争をなくす唯一の方法である。
(フランス「散歩場の楡の木」)


◎憎しみに激怒で立ち向かうなら 戦(たたか)いも争(あらそ)いも終わらない
 許すことがすべての憤(いきどお)りと妬(ねた)みを終結し あなたを永遠の至福に導く
(仏教の教え)


◎「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。 しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。 (新約聖書)


◎私は人を斬ることが嫌いで、一人も斬ったことが無い。ひとに斬られても自分は斬らぬ、との覚悟だった。(勝海舟)

◎真実の非暴力を貫かずして、誰の開放も有り得ない。(マハトマ・ガンジー)


最後は昔書いたヤツを貼り付けただけの手抜きとなってしまった。

どうしたら、戦争を回避することが出来るのだろうか?と考える一助になれば幸甚です。

今日のテーマの結論をやなせたかし氏の言葉を借りて載せておく。

◎最も単純な正義は生活が安定して飢えない事

今日はここまで、またね。


訂正:ククラット・プラモート氏の言葉は、十二月八日、現地の新聞「サイアム・ラット紙」においてとのネット情報があった。(この日記を書く前に、この情報も得ていたのだが、他に、「学生たちへの講演」の情報も確かに有ったと記憶している)

いずれにしても当時の活発な反日運動を念頭に置いての発言であるし、仮にプラモート氏が心の底からそう思っていたにしろ、「だから大東亜戦争は正義の戦いだったのだ」とするのは間違いだ。

「正義の戦争」などありえないのだ。「自由と民主主義の擁護」を旗印にしたベトナム戦争、「大量破壊兵器を使用されるのを座して待つようなことはしない」と始めたイラク戦争、化学兵器が使われた許されないとアメリカが戦争に突入しようとしたシリアにしても同様である。

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