無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

マスメディアの世論誘導の成果発表としての世論調査(3)

2010年01月13日 | Weblog
前回「次回にそのまま続きます」と書いて筆をおいたが、毎日の全ての報道が一つの方向に向いている為(即ち、鳩山内閣及び民主党小沢幹事長の追い落としを意図した報道の為)ニュース・報道番組に向かって「何言ってるんだ!」「そんな報道の仕方はないだろう!」「違うじゃないか!」と怒鳴っている日々が続いている。それだけ書きたいことが溜まっていく。
一日経てば真っ先に書きたいことが変わってしまう。

それにしても、私は、植草一秀氏が本当に冷静に分析し淡々とマスメディア批判をしておられるので感心する。私ももう少し冷静にならなければ、と思う反面、植草氏にもっと断定的な書き方をしてもらいたいな、とも思う。

(先に植草氏が冷静に分析した後の結論を先に載せておく)

主権者である国民は、メディアの歪んだ情報を「歪んでいる」との認識の上で見つめなければならない。
「歪んだ情報」に接する心構えを全国民が備えなければならない。
(結論終わり)


「歪んでいる」と思わずにテレビ・ラジオ・新聞を見ていると次のような意見が出来上がってしまう。

例1.民主党はこども手当の財源のために新生児集中治療室整備費を削ろうとしていますが、本末転倒な話のような気がしてしまいます。
長妻氏は死者が次々に出ているなか、新型インフル対策費も削るようで、小さな子供がいるうちのような家庭は気が気ではありません。
これから生まれてくるお子さんの犠牲の可能性を無視してまで…そうまでしてまで子供手当は別にいいんですが…と思ってしまいます。
また台風18号が一過した直後ですが、災害対策費も削られ、生活保護の母子加算にあてられます。
農家への補助金、農業者育成開発費などが削られるのに、一方では刑務所の増設、改築の費用は収容者の人権に配慮して補正予算から削らず残す、とあります。
民主党さんの優先順位は、私の様な一市民のそれとはかけはなれているようで、少し怖くなってきています。
でも私は、鳩山政権の後が何の政権になっても、次の政権にとってはこれ以上ない「焦土」だと思います。

例2.(藤崎大使の“呼び出され記者会見に対する私の意見に対し)
へー、やってはならないことなんですか。
じゃあ何で岡田外相は藤崎大使を注意もしなければ、更迭もしないんでしょうね。
本当、陰謀論者って自分に都合のいい解釈しかしませんね。
トラストミーなんて大見得を切ってあの体たらくじゃ、アメリカでなくても怒るわ。
マスコミだの官僚だのの以前に、人としての常識だろ。…例終わり

この手の意見は「歪んだ」マスコミ情報によって作り出される。


今日から暫らくは「マスメディアの歪んだ報道振り」の例をアトランダムに書いていく。(基になる考え方は後回しで例を列挙)

1.新型インフルエンザ報道

NHKが全テレビ局の先頭に立って毎日毎日国民に恐怖を植付けてきた豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)であるが、武田鉄也がラジオ『今朝の“三枚おろし”』でリスクか何かの話をしている時に「分数の『分子』のみを強調し、分母を報道せずに国民に恐怖を与える云々…」と言っているのを耳にした。

この新型インフルエンザ騒動はまさに武田鉄也が言及している点の好例だろう。

マスクにプレミアが付き、何故か「企業の責任は?」といった報道が盛んに行なわれ、なんとか高校に「何故、マスクを着用させなかったのか!」といった世論のバッシングが起きた、この騒動は、先週の時点で「推定(新型と思われるインフルエンザを含め)140人が死亡した」と報じられた。新型と思われるインフルエンザに罹った日本国民は推定1540万人とのこと。

前にも書いたが、インフルエンザに罹った人が死亡した割合は、昭和32年のアジア風邪で致死率0.5%、昭和43年の香港風邪で0.5%であり、毎年、季節性インフルエンザに罹って亡くなられる方は0.05%~0.1%で、「超過死亡概念」(M:説明は略しますが、今回の新型インフルエンザの死者数発表と同じ統計の取り方)による死亡者数は、2000年~2006年の7年間平均で7,343人/1年間となっている。

参考:「超過死亡概念」を取り入れずに、全く「基本疾患」のない人の死亡者数だけ取り上げても、上記同期間(7年間)の平均で813人の人が季節性インフルエンザで年間亡くなられている。

さて、今回の新型インフルエンザを見てみよう。

なかなか、分数の分母の報道をせずに、死亡者数のみ報道して国民を恐怖に陥れたマスメディアが先週発表した「分母」は1540万人であり、又、本年(2010年)1月7日に国立感染症研究所が、逆に『分子』(死亡者数)を言わずに『分母』だけを公表しているが、その数値(インフルエンザ患者数)は2009年7月6日から2010年1月3日までの累計で1816万人(推定)との事。

国立機関では『分子』(死亡者数)が述べられていないが、先のNHK報道の死者数を信用すると、新型か確認されていないインフルエンザによる死亡者数(従って新型によるものか分からないという点で“推定”としている死亡者数)は140人である。

分子と分母が分かったので新型インフルエンザに罹った日本人の死亡率は0.0008%である。
新型インフルエンザ罹患者13万人に1人が死亡したことになる。
新型インフルが騒がれた昨年4月から未だ1年経っていないとはいえ、あと3ヶ月で季節性インフルエンザによる年平均死者数7,343人(致死率0.05~0.1%)に達するとは思えない。
季節性インフルエンザは、データ範囲が違うが2003年~2005年の3年間の死者数は年平均で罹患者6.3万人に1人(致死率0.063%)となっている。

今回の新型インフルエンザの死者数は例年の季節性インフルエンザと比べ、極端に少ないのだ。

更に言えば、新型インフルエンザの死亡率が低いのは日本政府が速やかに対策を立て実施したからではない。
新型インフルの予防ワクチンは、今月に入って65歳以上のお年寄りや高校生以下の子供に3,600円で接種が開始された(される)ばかりで、一般の大人は未接種なのだ。

私は、政府(旧政府)やマスコミが騒ぎ出したときから、今日の結果が見えていた。新型インフルの上記数字を見て「こんなものだろう」との感想だ。

新型インフルエンザの海外での致死率や感染力の高さや子供・幼児に感染しやすい、等、日本国民が心配するのは分かるが、私が上記に書いたような全体情報(分数の分子や分母を提示した情報)を流さず「国民に説明責任を果たさない」歪んだ報道は「何のためか?」。

幼児の死亡率が高いからと心配されている幼児をもった親の方、毎年の季節性インフルエンザによる幼児の死亡者数と新型インフルの今までの幼児死亡者数とどれだけ差が有るか政府やマスメディアの報道で聞かされていますか?

私は下記の様な国民にわかりにくい報道しか耳にしていません。
(報道例)
国立感染症研究所が1月7日に全国約5000の定点医療機関のインフルエンザ患者報告数を公表した。
それによると、…都道府県別1定点医療機関あたりのインフルエンザ患者数は、沖縄県=54.88……熊本県15.44の順となっている。…報道例終わり

皆さんも報道で耳にし、テレビで見られた上記表現報道であるが、国民はこれで猛威を振るう新型インフルの実態が把握できたのだろうか?
私には、県別であれば「○○県では何人が発病、何人が死亡、その内、幼児何人」といった報道の方が分かりやすい、と思えるのだが…。(M:「定点医療機関あたり」もそうだが「週単位の報道」の仕方も国民に理解しにくくしている歪んだ報道だ。)

もう一度いいます。こういった政府(旧政権)やマスメディア(旧勢力)の国民に対する報道ぶりは何のためか?

皆さん考えてみてください。

決して、最初にだした国民の意見「長妻氏は死者が次々に出ているなか、新型インフル対策費も削るようで、小さな子供がいるうちのような家庭は気が気ではありません。
これから生まれてくるお子さんの犠牲の可能性を無視してまで…そうまでしてまで子供手当は別にいいんですが…と思ってしまいます。」を引き出すためだけでは有りません。
また、この新型インフルについては「いくら騒いでも(毎日毎日報道しても)、騒ぎすぎることはない」といった考えも間違っています。

例を幾つか列記したいと思って書き出すのだが、毎回、例1で終わってしまう。
続けようと思うと、毎日、先に書きたい報道が飛び込んでくる。

東京地検の小沢幹事長関係と鹿島建設への強制捜査もその一つだ。

この件も書きたいことは多いのだが、昨夜の某民放テレビ局の歪んだ報道の仕方を挙げて、今日は筆をおく。

某テレビ局のニュースキャスターのコメント(何気なく聞いていたのでニュアンスだけ書いておく)

小沢氏が土地購入資金を石川氏に『紙袋で4億円渡した』件について、小沢氏が地検の『参考人としての任意事情聴取』に応じなかったため、今回の強制捜査に踏み切ったもの、として、その最後に「(国民は)小沢氏なら“さもありなん”(=当然この様な不正はやるだろう)と思っているのでしょうが、小沢幹事長も正直に話してもらいたいものですね」とコメントして締めくくっていたのである。
尚、その間に野党自民党総裁谷垣氏の「国民の期待に応えるべく、国会で追及していく」との談を入れていた。


今日の「きっこの日記」の言葉ではないが、「テレビを見てるとバカになるから、テレビのことを『バカ製造機』だなんて呼ぶ人もいるけど、あたしが何よりも「テレビの害悪」だと思ってるのは、大ウソを垂れ流して国民を騙し…(ている)点だ。テレビの垂れ流す大ウソって、数え上げたらキリがないから、何から何まで指摘してるヒマはないけど…」といっているが、本当にその通り!切りが無い。

余談だが、テレビでやっている国語の漢字の読み書き問題では(私の分からない問題を答える博識な人もいる反面)、こんな問題も分からないのか!と呆れるケースも多い。いや、多いというより開いた口が塞がらないケースが多すぎるのだ。
政府が行なってきた「ゆとり教育」の実態を見る気がしている。

常識としての知識が無さ過ぎる!

余談で終わってしまったが、今日はここでおしまい。それじゃ、またね。