ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

静物画

2010-06-01 15:54:54 | ポーセリン・ペインティング
人物画の教室に通い初めて12年が経ちました。
先生の展示会に伺って、重厚名な絵画風の人物画を拝見して「こんなのが描けるの?」と
驚いた事を今でも覚えています
人物画もさることながら、風景画、静物画にも新鮮な魅力を感じたのです
チャナペイントを習い始めたきっかけは、「自分で描いた食器が使えるなんて夢みたい」
という憧れだったのですが、飾る目的で描く絵にも気持ちが傾いていた頃に出会ったのが
人物画の先生でした。
静物画、ボタニカルアートというジャンルでは、「ルドゥテのバラ」をいつの日か
描けたら、、と頑張りました。その目標が叶うと、次はオランダ絵画に描かれた静物画です

今回、お手本にしたのは 
ヘーラルト・ファン・スパーンドンク「アラバスターの壺と籠に生けた花と鳥の巣」
ルドゥテの先生だった画家です

実に23種類の花が描かれています。バラ、チューリップ、ワスレナグサ、ライラック
シャクヤク、ヨウラクユリ・・・このあたりまでは名前がわかりますが・・・
やはり、名前がわからないと描きにくくて・・・調べました。
1990年に日本で開催された展示会に出展されていた事がわかり、その図録を探して・・
ようやく、全貌がわかり、描きはじめる事ができたのです。

とっても大変そうな絵ですが、色んな意味で人物画よりは楽に描く事ができました
たとえば、葉が一枚無くても、花びらの大きさが違っても・・大丈夫!
ホコリもへっちゃら!
でも、人物画は・・少しでもデッサンが違えば、誰が見ても「おかしい」「この絵、変」
と気付くのです。

見えていない壺の中の様子も想像しながら、描きにくい所は独断と偏見で省いたり、変えたり。
この絵を完成させて、2年以上経ちましたが、もう一度、今度は原画に忠実に描いてみたいです。

一番苦労した所は・・背景の色を入れる前にマスキングするのですが、一日掛かりました。
それも、背景の微妙な色を出すのに3度の焼成が必要でしたので、マスキングも3回。
この作業は省く事できないものでしょうか???

それにしても、18世紀にこれだけの花を揃える事が出来るという事に驚きます
お花は枯れて行くのに、どういう方法で描いていたのでしょうか?
春の花が多いのですが、おそらく温室で栽培もしていたのでしょう。
画家はルイ16世のお抱え画家だったのですから、想像できますね。
・・・描かれた絵の時代背景をもっと知りたくなります。



アトリエ・ラ・ヴィータ

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2 コメント

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気の遠くなる仕事 (boss)
2010-06-04 07:32:12
以前から花とバックとの境目は、どの様にパディングするのかと疑問でした。
3回もマスキングですか?気の遠くなる作業ですね。
こんなに重厚な作品を拝見すると、私の描いている絵なんて本当にお恥ずかしぃ、、、

絵画が書かれた時代背景など、何時もながらぴゅいさんの探究心で私は勉強させて頂いてます
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bossさま (ぴゅい)
2010-06-05 09:52:19
bossさま、いつも有り難うございます
本当に、マスキング・・根気だけがモノをいいますね~
これよりずっと簡単な絵をマスキングしないで背景をパディングしてみたんですが、いやぁ~大変でした。結局、全部消して、マスキングし直したんです
ピリピリと剥がしたあとも、背景の黒い部分に溶け込む様にぼかしていく作業も、またまた大変で。。。
でも多小、お手本と違っても誰も気が付かないし、その辺りは臨機応変に臨機応変でいいと思います 一度チャレンジなさってみて下さい~
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