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ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

吉野のお山

2010-12-01 20:11:10 | お寺・神社
吉野、金峰山寺(きんぷせんじ)の秘仏・金剛蔵王権現の特別開帳に行ってきました
(桜で有名な吉野山の中で「下千本」の辺りです)
本堂の蔵王堂は世界で2番目に大きな木造建築です(1番は東大寺大仏殿)

「怒髪天を突く」の表現がぴったりの国宝の秘仏、金剛蔵王権現様
青黒い肌・逆立つ怒髪・燃え盛る火炎を背負い・・・
6メートル以上の威風堂々とした迫力満点のお姿の仏像が3体。
悪を祓って下さる怒りの形相は怖いのですが、見方によってはユーモラスでした
(バチが当たりそう・・・)
本来は秘仏として一般には公開していないので、次はいつ拝めるかわかりません



仁王門


本堂の蔵王堂
さすがに世界で2番目の大きさ
人間が小さく見えてます
瓦葺きでなく、檜皮葺きなので優雅さも感じられます


紅葉も見ごろでした





桜の紅葉も楽しみにしていたのですが、今年の夏の暑さで木が弱り、9月には落葉
してしまったそうです。。。
桜は浅く広がって根を張ります。その為、水不足になりやすく、葉からの水分蒸散を
防ぎ、木を守る為の防衛本能なんだそうです
だから、お花見の時、桜の根元に座り込むのは桜の寿命を縮めてしまうのだとか。
土を押し固めてしまい、根が呼吸できなくなってしまうから、お花見の時、どうか
根元に座るのは辞めて欲しい。と桜の手入れをしている方から伺いました。
美しい桜の花を愛でるのは少し離れた所から・・・という事ですね。

アトリエ・ラ・ヴィータ

バラのアイスクリーム

2010-11-18 14:54:29 | お寺・神社
今月の初め、奈良市にある 霊山寺(りょうせんじ)に行ってきました

ここはバラでも有名なお寺です
この写真だけ見ていると、ここがお寺??と思ってしまいますよね!


こんな素敵なバラのアイスクリームが頂けるのです
ほんのりバラの香りがします



大好きな色のバラ。



遷都1300年のお祝いとして普段は拝観する事の出来ないご本尊の薬師如来様
を特別に近くで拝む事ができ、また三重の塔の内部の壁画も
公開されていて、バラのアイスクリームよりこちらが本当の目的。

東大寺大仏供養開眼師を勤める為、インドから来られた僧、菩提僊那(ぼだいせんな)
のお墓もあります
大仏様に目を入れた方ですが、インドにお帰りにならず、日本に残り、
このお寺で没せられたそうです。
開眼供養に使用された筆や仏具は正倉院に保管されています。
以前、正倉院展で大仏開眼に使われた筆を見たのですが、それを使った
人はこの世の存在しなくても・・・物は残り・・・
1300年という時の流れは、一瞬の事のように思えます。

アトリエ・ラ・ヴィータ

お堂で見る阿修羅

2009-11-13 21:08:02 | お寺・神社
おかえりなさい阿修羅。
奈良・興福寺で開催中の「お堂で見る阿修羅」
に行ってきました。



正倉院展の初日に行ったのがダメでしたね。。
阿修羅40分待ち、北円堂70分待ち・・・でも、見てきました。
普段は、展示室のガラスケース越しでしか見る事ができない仏像を
お堂の中で見る事が出来る機会はめったにありません。
お香が炊かれ、特別な照明でライトアップされて、お堂の中は荘厳な雰囲気に
包まれています。
色、質感など、リアルに感じる事ができるのに感動!
並んでいる時、後方から聞こえて来る話によると、どうやら東京から来られた
若い女性グループの様子。
東京でも阿修羅、見たらしく、やはり興福寺で見なきゃ!という話で盛り上がってます。
歴史好きの女性の事を、歴女と言うそうですが、この方達は仏女?
理由は何であれ、奈良に来て頂けるのはとても嬉しい事です。


北円堂。普段は暗くてあまり良く見えないのですが・・・今回は違います。
照明があります。奈良のお寺ではこれは異例の事。
ほとんど、暗くて良く見えない。。
本の方がよくわかる。。。といつも不満。。。
でも拝観料、1500円ですから、、、暗くて見えないと文句が出てしまいますねー。
特別照明「荘厳」を今回設置したそうです。

早く、元の場所に戻って頂いて500円で阿修羅、見たいです
ただ、並べて、蛍光灯で照らしてるだけの展示室でしたが、改装するそうなので
また、楽しみが出来ました。

本当に阿修羅、お疲れさまでした。

アトリエ・ラ・ヴィータ

牡丹、石楠花、藤

2009-05-09 23:24:12 | お寺・神社
連休が終わり、ようやく日常生活を取り戻しつつあります。
今年も遠出はせず、近場で過ごしておりました

牡丹が見ごろの長谷寺
長い回廊を背景に、美しく咲いています



ご本尊は十一面観音。11メートルもありますから、普段は胸から上しか拝観できないのですが、
特別拝観期間の為、観音様の足元に入る事ができました。
今まで体験した事の無いほど厳かな空気を感じます。仏教世界では、死後、地獄で生前の罪を償った後、
観音様が極楽から迎えに来て下さる、という教えは本当なんだと信じたくなるほど。。。

午後は、石楠花の咲く室生寺


ご本尊は薬師如来。
薬師如来をお守りする、十二神将がとてもユニーク。
仏教界最強のSP軍団なのですが、この室生寺の十二神将はのんびりムード。
見飽きる事がありません(笑)

翌日は奈良公園へ。
藤の花に彩られた春日大社を後にして春日山原生林~若草山~東大寺と
約15キロのハイキング。


こんなに歩いたのは久しぶりなので、翌日は筋肉痛で大変でした。
原生林とはいえ、歩道を整備されていますので快適です。
道中、オオルリ、キビタキの美しい歌声や姿を堪能し、若草山山頂に着くと、人、人、人
・・・大変な混雑で、鹿も落ち着かない様子。
東大寺はそれ以上の信じられないくらいの混雑。。
ここでは、鹿が鹿せんべいを食べてくれません!!
きっとお腹いっぱいなんでしょう。。。
そろそろ仔鹿が産まれる頃です。
鹿の子模様のかわいい鹿が公園デビューする日も近いですね

アトリエ・ラ・ヴィータ

100年後に完成する仕事

2008-01-27 14:03:44 | お寺・神社
奈良・薬師寺の吉祥天女様は吉祥招福・世界平和・芸道をご守護下さる仏様で、年のはじめに参拝祈願すると、習い事が上達すると古来より言い伝えられています
同時に毎年健康に過ごさせて頂いたお礼と、お願いを兼ねて薬師寺のご本尊・薬師如来さまにお参りしてきました


左から、金堂・西塔・東塔・・後ろは若草山

東塔は創建当時(西暦680年)の物ですが、西塔・金堂は1981年に再建されています
東西の塔、各々の屋根の反りが違うのは100年後を見据えての事だとか
新しく建てた塔は瓦の重み、木材の収縮などで、100年後には東西同じ形に落ち着くそうです
それにしても、100年後を考えた仕事なんて!
「樹齢千年の木は、建築材として使ってもそれ以降、千年の命を持つ」「木は二度生きる」
という言葉を残された、故・西岡常一棟梁の仕事です
法隆寺(西暦607年創建)を修理した時、解体された木材の反りが日々変わっていく、
と著書にも記されています
今年が2008年・・・実に1400年も経って、まだ木は生きていた!という事実。

薬師寺三重の塔、100年後、私には絶対見る事は叶いませんが・・・見てみたいものです~~

アトリエ・ラ・ヴィータ

初詣

2008-01-04 22:59:33 | お寺・神社
春日大社に初詣に行きました

このあでやかな朱色の神殿に向かってお願いごとをするとお正月らしい晴れやかな気持ちになります
少し、黄色がかった鮮やかな赤(朱色)は人間にとって「命(太陽や炎)」を現す色だといわれています
現代と違って、色の少なかった古代、土の中の水銀が硫化して鮮やかな赤黄色になっているのを見た
人達の驚きは鮮烈だった事と思います。
この朱色を神殿に用いたのは、神さまに対する自然な気持ちでもあったのでしょう。
春日大社は10数年前、朱を塗り直していて、毎年少しずつ落ち着いた色になって来ています
こうした経年の変化を楽しみにできるのも、天然顔料の魅力。
一度、参道の灯籠に灯りが入る、夕暮れ時に参拝したいものです。。

春日大社を後にして、東大寺へ


普通のお寺では、仏像の写真撮影は禁止されています
でも大仏さまはOKなのです~
世界一の大仏さま、その寛容さもさすが世界一!
ずっと、世界中を見守っていて下さいね。
この、大仏さまと大仏殿、今でも、とても大きいのですが、創建当時の奈良時代はもっと大きかったそうです
(平安時代と戦国時代、2度戦火に遭っています)
東大寺に来る度、奈良時代の技術力、人々の心にはいつも敬服します。

再建の時、全部一から造れば早いのに、破片を拾い集め、つなぎ合わせて造っていったとか。
この作業の行程からも「物を大切にする」日本人の意識の高さが伺えます。
・・・それに比べて私を含め、現代の日本人は・・・恥ずかしい・・・

アトリエ・ラ・ヴィータ

いい夢、見られますように

2008-01-02 19:53:14 | お寺・神社
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します

今日は新年恒例、法隆寺にお参り。目的は「夢違い観音」さま。

人生には二度と見たくない夢や、思い出したくないことが必ずいくつかあります。
二度と経験したくないこと、思い出したくないことや、いやな夢を見たときなど、現世に生きる人間を悪夢から救い、二度と恐ろしい目に遭わぬよう私たちを見守って下さる、それがこの夢違い観音さまです。
今年も「良い夢、見られますように・・・」とお願いして参りました

海外でも人気があり、高さ87センチ、材質はブロンズという手軽さゆえ、日本の仏像の中で一番多く海外に出かけておられるようです。



夢殿がある東院伽藍に舎利殿があります。年に3度だけ、納められている舎利が一般に公開されます。
偶然にもその時間に居合わす事ができ、公開の一部始終を拝見できたのです。
その間、約30分。一年の中でたった30分が3回だけ。
新年早々、ラッキーだったのか?  早々に運を使い果たしてしまったのか!?
・・・前向きに考える事にしましょう!

<舎利>お釈迦さまの骨、一般的には水晶で代用されています


お務めが終わり、舎利殿から出られる僧侶達。
これだけの大寺院でありながら全員で10名だけ、と伺い驚きました。
たくさんの奉仕されてる方達に支えられてるわけですね。

どうか皆さんも良い夢が見られます様に・・・・

アトリエ・ラ・ヴィータ

天平の甍(いらか)唐招提寺

2007-11-05 12:06:55 | お寺・神社
唐招提寺金堂・平成大修理見学会に行ってきました。予想外の混雑にびっくり!!
きっとこの秋の奈良は、国立博物館の正倉院展とここが一番の混雑だったのでは?と思うくらいの人・人・人・・
幸いにも戦火などで焼失する事無く西暦759年に創建されて以来の姿が甦ります



瓦の葺き替えが終わった金堂の屋根。美しさと大きさに圧倒されます~ 注目のヒーロー隅鬼(すみおに)クン 屋根の四隅(鬼瓦の下)を支えています。

この隅鬼クン、1250年もの間、屋根を支え続けて来たので、頭が体にめり込んでしまってます。。。
解体修理の間、東京の博物館でお目にかかったことがあります。
少しの間、肩の荷を降ろした気楽さなのか、少し大きく感じたのですが、また金堂の屋根を支えるという本来の仕事に戻ったそのお顔には新たな使命感が満ちていました。頑張ってね、隅鬼くんたち!何百年か先の人達にもこの頑張りを見てもらわなきゃ!!


    
天平の甍として名高い西の鴟尾。 こちらは鎌倉時代の鴟尾(新しさを感じます)

西側の鴟尾は創建当時から屋根の上に据えられていましたが今回の修理で痛みが激しい事がわかり引退することに。
中でミツバチが巣を作っていて蜜蝋が糊の役目をしてくれていたお陰で破損を免れたそうです。
自然界の偉大な力に今さらながら驚きます。
今は東西共、新しく製作された「平成の鴟尾」が屋根に据えられています。
実はこの鴟尾と瓦、私の家の近くで焼成されていたのです。(土も地元の土を使って)
その瓦工場で、最近では東大寺・法隆寺・薬師寺・本願寺(京都)などを初め全国の寺院瓦も焼成されていて、
近くの山の土で作った瓦が建物を守ってる、と考えると感無量。。(瓦清さん、ありがとうございます)

材木のほとんどは、創建当時~江戸時代の物が引き続き使用された、と宮大工さんから伺い、
樹木は切られてもずっと生き続けてるのだとも教わりました。
職人さん達は、今回の仕事が1000年後に評価されると信じて、頑張って来られたそうです
最近の偽装問題・・・皆がこんな意識で仕事に向き合えば起こらなかったことでしょう。。。。


唐招提寺のツバメ


6月、鑑真和上座像にお目に掛かる為に訪れた時、ツバメの巣があり、ヒナが育っていました
その後、無事に巣立ったのか、気になっていましたので、僧侶の方に伺ってみたら、2回、5羽づつ巣立ったと
教えて頂き、安心しました。・・・でもこの建物・・・重要文化財なんですが・・・
ツバメには関係無い事でしたよね~


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