夏でも爽快燗酒
「大正の鶴 純米大古酒1990BY」
純米燗金太郎です。
昨日の神戸新聞に
朝来市の「竹泉」の蔵元の田治米さんの写真が掲載されていたので
「オッ!」
と、たまげて記事を読んでみると・・
日本酒の「熟成古酒」を紹介してくれていました。
そうなのです。
日本酒もワインと同じで、熟成して旨味が凝縮して美味しくなっていきます。
もちろん、ビンテージもあります。
この様な真っ当な記事は、酒屋として嬉しい限りです。
そこで、今日は30年以上の熟成年数を重ねても、スッキリ爽快に呑める「熟成古酒」を紹介します。
「大正の鶴 純米大古酒1990BY」
「赤ラベル」
備前朝日米で醸した純米原酒をタンクで20年間常温熟成させ、瓶詰して、さらに蔵内常温にて10年間熟成させた古酒。
黒糖や栃餅のような熟成香がある。ふくよかな旨味が前面に出て、30年の歳月の重さを感じる複雑で豊かな味わいだ!その独特の世界感に「ふぅーっ」と思わず声がでてしまう。まだこれからの熟成で変化を繰り返し、別の次元に導いてくれそうだ。
燗につけて、旨味がより惹き立ち、キレ味を増す。濃い味の肉料理、ジビエ、フレンチ、チーズ料理などとも相性が良い。
「白ラベル」
備前朝日米で醸した純米原酒をタンクで20年間常温熟成させ、瓶詰して、さらに冷温(10度)にて10年間熟成させた古酒。
30年熟成古酒の割に、黒糖や栃餅のような熟成香は強くない。濃く、奥行きある旨味と、酸のキレのバランスが良く、凄く品のある熟成を辿っている。キレキレの酒質だ! 余韻の渋味にまだ熟成の余地を感じ、酒質の強さに仰天する。
燗につけて、旨味がより惹き立ち、キレ味を増す。濃い味の肉料理、ジビエ、フレンチ、チーズ料理などとも相性が良い。
「長期熟成古酒(火入酒)の特徴」
1.色合いは、非常に「濃い山吹色」をしている。
2.「黒糖」「ナッツ」「醤油」「味噌」などに通じる独特の香りの「熟成香」がある。 これは個人的嗜好により好き嫌いがはっきり分かれる香りだ。 私にとっては食欲をそそる香りなのだが・・・生理的に受け付けない人がいるのも否めない。(笑)
3.時を駆けて、熟成により「練れた旨味」が集積、凝縮しているのが古酒である。一般的な完全発酵の2回火入れの純米酒ならば、時間が経つほど、気温が高いほど熟成度合いが増していくことになる。
(熟成度合=積算温度×時間)
4.「燗酒」でこそ凝縮した旨味が開き、本来持つポテンシャルを発揮する。
5.「食中酒」として料理とともに呑んでこそ真価を発揮し、お互いを高めあう。 和食はもとより、濃い味わいの中華料理、ジビエ・肉料理、チーズ料理などとも相性が良い。
純米古酒(長期熟成酒)は、このように大変個性的であり、慣れてない方は嫌悪感さえ感じる可能性もある。紹興酒や梅酒に似た酒質を有するので、これらを呑みなれている方、女性や初心者には、比較的すんなりと受け入れることができると思う。
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