唐茄子はカボチャ

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ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

2012年04月06日 | 映画 は行
ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ - goo 映画

アメリカの人種差別の問題を描いています。
おもしろかったし、泣ける映画でした。

最後に悪役の女のひとが「疲れないですか」みたいに言われてうろたえ涙を流すシーンは印象的です。いなくなったメイドさんの真相も涙が出るところです。母親と和解するシーンでの「ママ・・・」というセリフはとても愛情あふれていて良い場面でした。表情が素敵。もてない女の人とはぜんぜん思えません。
いい映画を見たなあ…というのが観終わってすぐの観想でした。

でも、なんか引っかかりというか、違和感があって、時間がたつにつれ、その違和感がどんどん大きくなってきて。最後のウォルトディズニーという文字もなんか気になって。

何か軽いんですよね。あえて軽くしたんでしょうか。
メイドさんたちの明るさがそうさせたのかもしれません。とんとん拍子に話が進んでいって、困難でありはずの道もなんか簡単そうに見えました。

白人が理解しすぎるのもなんとなく今風な気がしました。感覚的で無知な平等というか・・・。白人でありながら何でそこまで同じ人間として見ちゃえたのか。それはメイドさんのおかげだったのでしょうか。
もしかして、黒人の地位向上の歴史は理解ある白人のおかげ?

最近のハリウッド映画をみてると、黒人3枠、アジア系、南米系1枠みたいな配置の規定があるのかと思えるような役者の割り振りされてますが、その表面上の平等感、白人にとって都合のいい平等がなんとなく見え隠れしている気もします。

悪いのは一部の白人の凝り固まった観念だと描かれているようにも見えます。
当時の社会で言えば、その凝り固まった観念に基づいて行動している白人の方が大多数の白人であり、それが白人の自然な感情だったんじゃないでしょうか。
偏見を理性で乗り越えて理解するものでなければ社会的にはあまり意味がない気がします。そういう点では、主人公をその超悪役の人にした方が実はおもしろい映画がつくれたんじゃないかと思いました。

黒人の方だって、そう簡単に白人を信用することなんてできないんじゃないですかね。その相いれない境界線を結構簡単に飛び越えちゃってるのが観てて疑問でした。

声をあげること自体が犯罪にされ、命の危険もあることをセリフでいっていたけれど、もっと深く、重く、暗く悲惨に描いてくれた方が自分的にはよかったのですが・・・

白人にも黒人にも受け入れられる人種差別をあつかった物語ということなのでしょうね。そうでなければ、アメリカではやっていけない。

おもしろかったのと疑問と、なんか複雑です。