イップ・マン 序章 [DVD] | |
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Happinet(SB)(D) |
切れ味鋭いカンフーアクションをずっと前に見たときから気になる存在だったドニーイエンさん。知らないうちにというか、気になるといいながらぜんぜんチェックしてないうちにいろんな映画に出ていたんですね。
この映画でもすばらしいカンフーアクションをみせてくれます。
実在した武闘家、詠春拳のイップ・マン(葉問)さんという人のお話です。ブルースリーのお師匠さんだそうで、この映画にも、変な木人みたいなやつが出てきます。テレビで少年隊の人がそういえばこんなのやってたなあ・・・なんて、思いながら見てましたが、淡々と、軽やかに、すごいスピードで棒と戯れてます。
劇中で、創始者は女性だったといってましたが、なるほど、やわらかくしなやかな拳です。相手をひらりとかわして連打を浴びせるみたいな・・・ほんと、百烈拳のようにバタバタバタと拳をあてます。力強さというよりはほんとにバランスがすごいと思います。相手を倒すのも相手の重心や力点を計算に入れたような身のこなしというか、そういう計算されたアクションの美しさを感じました。
アクションが美しいだけでなく、そのイップマンさんが生きた時代、日本に占領されていた時代の民衆の苦しみが見えてきます。
軍人の武闘家が、いくら純粋に武闘家を気取っても、その人の行い、侵略して民衆を苦しめる行動そのものが武闘家としての生き方が問われるわけで、ただ、強いか弱いかを競うことが武闘家ではないという信念が伝わってきます。
武闘家とはその人の生き方なんですね。
強いからこそ、人にやさしくならなければいけない。
強いからこそ、命を賭けて正しい道を進まなければいけない。
勝っても負けても殺されるかもしれないという状況で、正しい道、中国人としての行き方を貫いた姿は感動的です。
あと、奥さんがすごくきれいな人なんだけど、映画は初めてのようです。誰にでも初めてはある。まさに、そんな中で輝いていた女優さんですねえ。そして、今まで家庭を大事にしてほしくて、だんなさんの武闘家の仕事?を嫌って、応援してこなかった。彼の大切なものなのに・・・そして、これが最後の試合になるとしたら、応援できるのは最初で最後になるというところは泣きました。
あと、警察のひと、生きるために、日本軍に従う道を選んでしまうわけですが、その生き方も完全否定するのはかわいそうですね。だって、そうでもしないと、彼や彼の家族は死んでしまうわけですから。そして、彼も命の危険を冒してイップさんをかくまうわけですからね。
北の武闘家も力を誇示したり山賊みたいなことをするのは、飢えたくないから。そういう点で、ああなった背景があるところがいいです。
日本人の描き方が弱いところは残念だけど、それでもよくがんばったんじゃないかな?
面白かったです。