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音楽・小説・その他、思いついたことをだらだらと綴る
アールグレイの気まぐれ日記

記憶の連鎖

2005-11-10 | 
●漆黒の王子● 初野晴
角川書店  2004.11

《時計師》《ブラシ職人》など中世オランダで実在した職業名にそった仕事を
《王子》に与えられ、街の下の暗渠で暮らす七人の浮浪者たち。
そこへ記憶を失った八人目が迷い込む。

上側の世界では暴力団組員が次々と眠るように死んでいく。
不審な死を遂げる中「ガネーシャ」と名乗る者からの脅迫メールが届く。
ガネーシャの要求は組員の睡眠。
どうやって殺しているのか? その正体と目的は?


上側の世界と下側(暗渠)の世界が交互に描かれる。
幻想的な下側の世界が差し込まれることで独特の空気感があった。
読む時にわりとざっくり読むので、もう一度読み返したら
いろんな所に細かく伏線が張ってあって(当たり前だが)なるほどーと思えた。
他の作品も読んでみよう。
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