その晩は汚い空き家で過ごすが、夜中に姑は狂ったように金塊のトランクを探しに行くと言って嫁を困らせるのだった。
食べ物もなく、金もなく、仕方なく嫁は結婚指輪を質屋に入れて食べ物を買って家族に食べさせた。
警察にも金塊の被害届を出しておくが頼りにならず、頼りの夫も当分帰ってくる様子も期待できず、ソウルの住所に行ってもそんな場所は見当たらず、一家は仕方なく昨夜のあばら家を借りて住むことになった。長女ボクシルはわがままな女の子で、向かいの大家の娘チュンジャと仲が悪く喧嘩ばかりしていたが、旅芸人の一人息子ギョンホが間に入って二人をとりなしていた。
大家は大根スープを作ってボクシルの家族に持ってきてくれたりして、優しくしてくれるのだった。
母は何かと長男のジョンフンを頼りにしていた。この長男も母の言いつけに従って下の兄弟たちの面倒を見ていたのだった。
姑は金塊を盗まれたショックで少しおかしくなっているようで、嫁が必死に家族を支えていたのだ。