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習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『その街のこども 劇場版』

2016-01-13 22:30:01 | 映画
6年前TVで放送されたドラマである。NHKが「阪神淡路大震災15年」を祈念して作った作品で、当時少しTVで見た。(ちゃんと、ではなく、ななめ見程度で、)これはそのTVスペシャルを完全版にして劇場公開した作品だ。TVより20分ほど長い。両者の差異はわからないけど、今、この作品を見ながら、15年からさらに6年過ぎた今、この作品に描かれる現在すら遠い、と思う。 3・11からも今年で5年になる。僕たち . . . 本文を読む
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村田喜代子『故郷の我が家』

2016-01-13 22:27:24 | その他
これは2010年に出版された作品で、実はその当時に一度読んでいる(はず)。でも、もう一度、今読んだことで、あの時とはまるで違う風景が見えてきた。たった5年でいろんなことが、変わったのだ。そのことに驚かされた。これを今読んだのはたまたまだ。実を言うと、読んだことを忘れていて、図書館で見かけて、あっ、村田喜代子の新刊、と思い、借りてきた。読み始めて初めて、思い出した。しかも、かなり、読んでからである . . . 本文を読む
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中山智幸『暗号のポラレス』

2016-01-13 22:25:55 | その他
難読症(デイスレクシアという)のユノ(漢字で書けば「結望」。母親がその名前をつけた。そこには彼女の彼へのたくさんの想いがつまっている)という少年が主人公。小学校の6年になる。彼が5年生の時、両親は山で遭難して死んだ。だから今は年の離れた兄(もう大人だ)とふたり暮らし。そんなユノのところにマリーがやってくるところからお話は始まる。真理子(マリーね)は兄の恋人で、住み場所がなくなったから、同居するこ . . . 本文を読む
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『浮城』

2016-01-11 20:28:17 | 映画
イム・ホー監督の新作。久々に彼の映画が見られる。実は、これがDVDになっていることに気付かなかった。先日ツタヤで物色していてたまたま見つけたのだ。イムホーというだけで、絶対に見る。僕は『天菩薩』を見たときから、彼の作品の虜になった。 『天菩薩』を見たのも、たまたまだった。何かの用事(というか、仕事)で東京に行った時、ユーロスペースかどこかで見た。もう25年くらい前の話だ。何の予備知識もなく見たか . . . 本文を読む
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『同じ星の下、それぞれの夜』

2016-01-10 22:42:28 | 映画
3話からなるオムニバス映画だ。タイ、フィリピン、マレーシアを舞台にした3本立。東南アジアの3つの国で日本人が繰り広げる短編集を新進の若手監督3人が手掛ける。これは第4回沖縄国際映画祭の企画である「地域発信型プロジェクト」で製作された作品、ということらしい。だから製作はよしもと。「サウダーヂ」の富田克也、「パビリオン山椒魚」「乱暴と待機」の冨永昌敬、「NINIFUNI」の真利子哲也という布陣。 富 . . . 本文を読む
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長嶋有『祝福』 他

2016-01-10 22:01:25 | その他
赤白のカバーでこのタイトル。実に目出たい小説ではないか、と思い、正月にぴったりと思い、新年最初にこれを読み始めた。10話の短編からなる。主人公は男女交互で、5人ずつ。だから帯には「長嶋有によるひとり紅白歌合戦」とある。(でも、歌は歌わないけど。) いずれの作品も、長嶋有らしいものばかり。要するに別段何のお話もない。だらだら、日常のスケッチのようなもの。そっけないし、味けない。でも、それがなんとも . . . 本文を読む
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劇団太ロウ『机上の空論』

2016-01-10 21:21:48 | 演劇
今年最初のお芝居である。そして、ウイング・カップ後半戦のスタートとなる作品でもある。今回の「ウイング・カップ6」は、計6本。昨年の9月から始まり10月までに、まず3本、そして、この1月から2月にかけて後半の3本が上演される。 サブタイトルとして「ワタシタチハタダコレカラノコトヲカンガエテイタ」とある。でも、なんだかよくわからない。50分ほどの中編作品。2人芝居。タイトル通り机上で話は展開する。主 . . . 本文を読む
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『クリムゾンピーク』

2016-01-09 21:05:53 | 映画
ギレルモ・デル・トロの新作なので、これもまた、どんな映画なのかも知らず、まず見に行く。19世紀アメリカからロンドンへ。ゴシックホラーのお化け屋敷もので、なんだか豪華で手の込んだ映画だ。でも、ストーリーは単純。えげつないシーンもあるけど、お話は至って真面目。こけおどしではない。ちょっとした悲恋もので、セットや衣装がすばらしい。なんだかすごくお金がかかっている感じ。 それにしてもあのお城、凄すぎ。こ . . . 本文を読む
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『ブリッジ・オブ・スパイ』

2016-01-09 20:17:02 | 映画
コーエン兄弟が脚本を書き、それをスピルバーグが監督した映画。ただそれだけで後は何の情報もいらない。ぜひ、見たい、と思う。どんな話なのかも知らずに、期待して見た。59年が舞台となる。(僕が生まれた年だ。)冷戦下のアメリカ。ソ連のスパイが捕まる。そんな憎むべき男の弁護士に任命されたトム・ハンクスが主人公だ。 最初は何の話なのかすら、わからなかった。ソ連のスパイの逮捕劇はけっこうドキドキでここから何が . . . 本文を読む
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『独裁者と小さな孫』

2016-01-06 19:20:56 | 映画
モフセン・マフマルバフの新作を今年最初の劇場で見る映画として見てきた。別に戦争を扱う映画を意図的に見ているわけではないけど、大晦日の『母と暮せば』から戦争付いている。そして、いずれも劣らぬ傑作ぞろい。『1枚のハガキ』といい、これといい、新年1本目の映画がこんなにも凄い作品でいいのか。(もちろん、いいのだけど) これはリアルなお話ではなく、寓話という体裁を取る。最初に、これはどこかの国のお話だ、 . . . 本文を読む
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羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』

2016-01-06 18:54:56 | その他
28歳の無職の男と、その祖父である88歳の要介護の老人。で、『スクラップ・アンド・ビルド』。どちらがどちらかは明らかだが、はたしてそうか、というところが本題。90近くなる。その年になると、どれだけ健康でも、もうボケてくる。仕方ないことだ。だが、このじいさんはけっこうしっかりしている。それだけに考えるところがあるのだろう。ほんとうなら、適当にボケていたほうが、楽かもしれない。ほんとうのところは、よ . . . 本文を読む
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『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』

2016-01-04 21:10:29 | 映画
こんな映画がこの現代に作られていいのか。それくらいに古くさい。これは2013年作品なのだが、まるで60年から70年代の2本立映画の併映作品のようなチープさ。一応全編マレーシアロケで撮られた作品なのだが、昔のB級映画のノリで、(上映時間も87分)いいかげんな話だし、ご都合主義の王道を行く。まぁ、わざとしているのだろうが、それでも、惨い。深作健太監督は、60年代東映のプログラムピクチャーを作るつもりで . . . 本文を読む
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『一枚のハガキ』

2016-01-03 20:53:48 | 映画
今年最初の映画はこれにした。2011年公開の作品で、その年のベストワンを取った傑作である。でも、今まで見てなかった。劇場公開時に見逃して、DVD発売時も、見逃す。そして、3年。ようやく、である。うれしい。お正月にまずこれを見ようと思ったのは、年末に『母と暮せば』を見たからだ。 これは言わずと知れた新藤兼人監督の最後の作品である。昨年の最後に山田洋次監督の魂の作品を見た時、なんだか大事なものを見落 . . . 本文を読む
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『2015年 演劇ベストテン』

2016-01-03 20:53:16 | 演劇
芝居においても、映画と同じだ。見ることができない週に上演された場合は悲惨だ。反対に見るべきものがない週もある。(その場合は映画に時間を振るけど)まずは、見に行きたい芝居と、(見に来るように)呼んでもらえる芝居とを優先するのは当然だが、芝居の場合は、前者より後者を優先してしまう。なぜなら芝居は、より人間関係が前面に出てしまうからだ。要するに映画と違って、作り手を直接知っている場合が多いということだ。 . . . 本文を読む
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『2015年 小説ベストテン』

2016-01-03 20:52:52 | その他
今年はたくさん小説を読んだ。なんだか知らないけど、忙しいから、あまり劇場や映画館に行けない。そのぶん、本を読むこととなる、という図式だ。 僕は、基本的には通勤電車の時間しか読まない。読む本の8割は新刊。(今年出版された作品、ということだ)そして、読んだ本の90パーセント以上は小説だろう。これはそんな170冊の中から、選ぶベスト10である。まぁ、ただの好みの押し売りだが。それにしても、面白い小説は . . . 本文を読む
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