
『渇きと偽り』のロバート・コノリー監督の新作だから見に行ったのだが、まるで乗れなかった。真面目な映画だが、退屈。何を描きたかったのか、よくわからない。環境破壊から海を守ること? 海に育てられた少女の成長物語? 母と娘の絆? まぁいいけど、あまり胸に沁みてこない。あまりの定番展開。
オーストラリア映画である。めったに日本では公開されない。ハリウッドで活躍するエリック・バナが出ている。主演はミア・ワシコウスカ。ふたりともオーストラリア出身で世界で認められた役者さんたち。彼らがコノリー監督の元、故郷であるオーストラリアの小さな入江を守るための映画を作る。その心意気はわかる。
これは悪い映画ではないし、海はきれいだし、海中のシーンはたっぷりある。ブルーバックとの交流を描くシーンは見ていて微笑ましい。でも残念だが肝心のお話があまりに薄いし、単純すぎる。だから映画を見ながら、ガッカリした。終わった後、あまりの素直さに実は参ったなぁと思った。
映画としてはあまり評価できないし、作り手の誠実さを素直に受け止められないけど、心意気は伝わってくる。だからこんな映画があってもいい。