
2月公開されるはずだった吉沢亮主演の『ババンババンバン・バンパイア』がようやく公開が決まったみたいでよかった。もちろん『国宝』は予定通り6月公開でそれが楽しみ。ということで、吉沢亮復帰記念で、昨年公開されたこのバンパイア映画を見ることにした。(どういうことや)もちろん劇場公開時、少し気になっていた映画だ。
12歳の少女が誘拐されたけど、彼女はバンパイアだった、なんていうおバカな映画である。バンパイア少女はバレエを踊りながら誘拐犯をいたぶる。一応新手のホラーかな、と思うけど、怖い映画ではない。かなりバカだが、コメディではない。
映画はなかなかよく出来ている。109分の前半部分は50分、彼女がバンパイアだとわかるまでが描かれる。エンジンの掛かるのは遅い。か弱い女の子を誘拐して富豪である父親から身代金を受け取るまでの24時間。だけど実は彼女がバンパイアでこれは犯人たちをおびき寄せる、ための計略だった。
ということで、後半は犯人グループvs少女のバトルだけど、そこにもいろいろな仕掛けを用意している。お話の小技が効いている。特にバレエ少女のアクロバットは笑える。少女は彼らをいたぶりなかなか殺さない。そこにも意味がある。なかなかよく出来たお話だ。
だけど、あまり面白くはない。あまりにお話が上手く(適当に)できすぎているからだ。だから嘘くさい。いや、根本的に嘘話だけど、嘘世界のリアリティが薄いからのめり込めないのである。ことさらお話作りというものは難しい。さて、吉沢亮のバンパイア映画はどんな仕掛けが施されているのだろうか。もちろんその前にまず今年一番の大作映画『国宝』の公開がある。